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8月26日 牛や馬に聞かれたら気まずい
夫が仕事のために早起きし、つられて私も起床した。家を出る時間が私の方が少しだけ遅いため、猫のお世話は私が担当。そういう暗黙のルールである。
猫のために快適な温度と居場所をセッティングして、人間はギラギラ光っている外に出た。暑い。
粛々と仕事。スムーズにこなせた。外はかなり暑いはずなのに、長袖を着て素知らぬ顔で来店する方が多く、アメイジング。
なんだかソース味の気分になり、焼きそばランチとした。ソース味って男の子だよな(©︎五郎さん)。
タイではココナツの収穫を猿にさせているらしく、これが虐待だと文句を言っている団体があるというニュースを見て、そんなこと言ったら馬車は?盲導犬は?とおじさま方と怖がりあった。言ったもの勝ちとばかりに大きい声を出す人間は本当に怖い。
知性が高い動物を人間が使うのは許さない、ということなのだろうか。なんだか傲慢な気もする。というか牛や馬に聞かれたら気まずい。ごめんよ。
午後に歩き回っていたら、職場のそこここに外界に近いスポットがあることがわかる。そういう場所を通りかかると、冷房で冷えた体が少し暖まる。
帰宅すると夫がいた。一日中なにかを食べる仕事だったらしく、夕食は要らないというので一人で晩酌した。
夫の中で最近流行中の夜釣りに今日も行くというので、私もついていくことにした。見学に備えて缶チューハイや本を用意したら、なんだかわくわくする。
夜の海は、真っ黒でたっぷりとしていた。海のないところに生まれ育った私としてはものすごく怖い。岸壁から落ちて溺れる未来しか見えず、海に近づけなかった。
夫はメバルをどんどん釣り、私は本搾りをどんどん飲みながらタン・フランスの本をどんどん読んだ。釣りなんて初めて見たので、この真っ暗な海の中に本当に魚が泳いでいたのだ、と衝撃を受けた。
タンが、夫のロブと出会って初めてデートしたあたりまで読み進めた。
真夜中に帰って、夫が魚をさばいた。私は魚に触れないので立派なことである。ちゃんとしたお刺身となめろうが完成し、真夜中に二人で食べた。