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10月29日 百貨店のキラキラに耐性

ゆうべは飲み過ぎてしまった。
いかんせん、数軒隣に焼き鳥屋さんがオープンした喜びで日本酒を重ねてしまったのだった。

しかし今日は出かけねばならぬ。
夫より、70代マダム向けのプレゼントを用意するようミッションを仰せつかっているのだ。
普段ならいつも通りネットで済ますところだが、3日後に使うプレゼントだそうなので、ロクシタンのサイトのカゴに入れたところで泣く泣く断念したのだ。

果たして、近所のデパートまでてくてくと出かけた。
いつもはウィンドウショッピングが多く、明確な目的を持ってここへ来たのは初めてかもしれない。
なんだかわくわくして来たぞ。

日曜日ということもあって、カップルと家族連れが多い。
やはり無難にハンドクリームだろうか、香りがよくてパッケージが華やかでわかりやすいもので、などとテスターの匂いを嗅ぎまくっていると、なんだか周りの男子たちの動きがおかしい。

全員、女子にぴったりくっついて離れないのだ。

仲のよいカップルですね、というレベルではない。
少しでも距離が離れては大変なことになる、という危機感が漂っているほどだ。
おじさんやお兄さんたちは、商品に夢中な彼女や妻や娘たちを必死に追いかけている。
それ、商品見づらくない?

ここは田舎なので、百貨店のキラキラに耐性のある男子が少ないのだろうか。
微笑ましいことだ。
「俺、興味ないから一人で見といて。あっちで座ってるから」などとつれないことを言う男はここにはいない。
このキラキラ化粧品フロアで彼女とはぐれたら命はない、とばかりに食らいついている。

結局、SAVONのハンドクリームとマルチバームのセットを買った。
マダムにはいい香りでどうか癒されてほしい。

夫は「一人で見といて」の人なので、一緒に化粧品を見たいと思ったことなどない。
寂しいが仕方がないことだ。
私もルアーや釣竿を一緒に見て歩ける気がしないのだから。

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