【復活】久々に立会い分娩があったけどやっぱいいなー、って思った。
(この記事は、客観的なエビデンスを引用しながらも、個人的な見解も述べています。しかし基本的に、分娩の価値観については多様性を尊重したいと私は思っています。)
コロナが蔓延してから、感染地域の分娩取扱施設では感染拡大防止のため、「立会い分娩(主に夫やパートナーがお産の際に立ち会うこと)」を禁止する流れとなっておりました。
しかし、東京でもやっとコロナ第五波が落ち着き、1年ぶりの感染者低推移な状態となり(2021年11月現在)、先日ついに私が主に働いている2施設においても、同時期に立ち会う分娩が再開されました。
今日はそんな立会い分娩についてです。
1.立会い分娩とは
立会い分娩とは専門用語でもなく、定義があるわけではないですが、
一般的に「夫orパートナーが分娩経過および出産の際に妊婦の傍らで立ち会うこと」です。
ネットで調べると日本で夫が分娩に立ち会うようになったのは1990年代からとか。
私が、普段分娩に携わっていると(コロナ前の話)、半数以上の方は立会い分娩というイメージです。
2.立会い分娩のメリット
ゆるおは、二人ともこの手で取り上げさせてもらいました、究極の立会い分娩でした、参考になりませんね笑
これまで少なくとも500件以上の分娩に携わっているだろうゆるおが考えた、立会い分娩のメリットを並べました。
・父親になる実感
母親と違い、父親は妊娠期間中も体の変化はないし、胎動を感じることもありません。そんな父親が、初めて父親になる実感を、産声だけじゃなく、五感で感じることができるが、立会い分娩です!
・家族の絆が深まる
無痛分娩でなければ、妊婦さんは分娩中苦しみます。
そんな時に一緒に時間を分かち合いサポートすることで家族としての絆が深まります。結婚式の時に誓った「病める時も」を最初に実感するときかもしれません。
うーん、私がどんなにメリットを述べても説得力がないので、一つ論文を読んでみました。ドイツの2020年の報告です。
Vischer LC, et al. Birth experience from the perspective of the fathers. Arch Gynecol Obstet. 2020;302(5):1297-303.
この論文では、300人ほどの立会い分娩をした父親に、直後にとったアンケートおよび半年後のアンケートを取ったというものです。直後のアンケート結果は、
父親本人とって有意義だった:79.8%
母親にとって有意義だった:85.5%
赤ちゃんにとって有意義だった:58.8%
家族関係に有意義だった:73.6%
立会い分娩ができて幸せに感じた:94%
などとなっています。
3.立会い分娩のデメリット
メリットをいろいろ上げさせてもらいました一方で、
いつもの妻と違う姿を見てしまったこと、などからセックスレスとなってしまう、離婚の原因となってしまう、なんて話も一応あります。。。
先程のドイツのアンケートでは
頼りなく感じてしまった:23%
状況に圧倒されてしまっった:14.8%
恐怖を感じた:36.5%
トラウマになりそうって感じた:8.5%
最後の8%の人がトラウマになりそうって思ったっていうのは、なんともリアルですよね。「血が苦手」という男性も中にはいらっしゃいます。
お産に出血はつきもので、どんなに綺麗に拭いたとしても赤ちゃんに血はついてますし、処置の際にお母さんの方に血が見えてしまうことはあるでしょう。
一応フォローしておきますが、ドイツの研究では6ヶ月後のアンケートでPTSD(いわゆるトラウマ)について後追い研究をしていますけど一人もPTSDになった人はいませんでした😁
二人の関係性などもありますし、一概に立会い分娩は「すべきだ!」「すべきではない!」とは言い切れないものだとゆるおは思っています。
4.コロナ禍と立会い分娩
先にも述べた通り、コロナ禍では感染拡大防止のため立会い分娩が禁止される分娩施設が大半を占めておりおました。
2021年11月現在、日本産科婦人科学会・医会から現状についてのお考え(ちょっとぼやっとしたものですが・・・)がでています。
要約しますと
「ワクチンをした上で、十分感染予防をすれば、立会い分娩も許容はできる状況となっていますが、最終的には分娩施設と相談してね」
ということだと思います!
5.ゆるおの記憶に残っている立会い分娩
とあるバイト先の病院にて。
比較的安産でお産となったご家族。
旦那さんは、分娩中もペットボトルを差し出したり、手を握ったり、とても献身的でした。
赤ちゃんが産まれた瞬間、さぞ感動するだろうと思っていたのですが、
なんと、お父さん、いきなり服を脱ぎ始めたのです!!!
ちょっと唖然としたゆるお笑
しかし、脱いだシャツの下には、もう一枚Tシャツが着てありました。
そのTシャツにはスターウォーズのダースベダーのイラストと共に
「I am your father」という名台詞が・・・笑
子供を身篭るもっと前の、新婚旅行でアメリカに行った時に購入して、この時に着ると決めていたそうです。
この仕事をしていると、本当に幸せのお裾分けをさせてもらってるなーと思います。
最後に...
今回は、最近復活の兆しのある立会い分娩について触れてみました。
センシティブな部分でもあり、「すべきだ」「しないべきだ」と決めつけることができないものだと、やはり僕は思います。
そんな選択肢を夫婦二人で話し合いながら選ぶことが、夫婦そして新たに生まれるお子さんと家族になっていく大事なプロセスだと、ゆるおは思います。
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