Pluto

冥王星にすら自分を投影できない僕へ。

SUNNY CAR WASHの解散ライブとか、西村賢太の死去とか、MOROHAの凱旋ライブと武道館とか、仕事漬けの日曜とか、降るよ降るよと言っておいて積もりもしない冷遇の豪雨とか、とにかくいろんなものに心を揺さぶられて何も考えられないままにして過ぎていく日々のこと。

本当は過ぎる日々に何かを言いたかったはずなのに、ビールを飲んで忘れて、そうしてはまた思い出そうとビールを飲んだ。金曜日に溜まる空き缶を眺めて、気づけば紙パックの焼酎に変わった。見た目が変わっただけで、それは僕の日々に何かを落とすものではなかった。財布は少しだけ重みを増したけど、それもまた別のものへと重みを変えていった。

天井に輝く照明を落として、小さなデスクランプへと変えた。暖色が緩く部屋を照らした。部屋の隅々は闇に紛れて、乱雑な部屋が少し薄れた。

翳る部屋に少しづつ想い出を傾けた。

本当にどうしようもない癖だけど、こういう時に思い出すのは決まって中学の時のことばかり。決して戻りたくも思い出したくもないときのこと。
今とは何もかも違うように思える風景のこと。

見た目が変わっただけで。

紙パックの焼酎が頭をかすめる。

人気者だった友達のあいつも、大好きだったあの人も今じゃ変わってるんだろうな、見たって誰かわからないくらい変わってるんだろうな。そうだといいななんて思う。勝手な思いだけど、僕の前に現れてもお互い気づかないくらいになってれば尚いい。

紙パックの焼酎のままでいるのは僕だけでいい。

同時に、繁華街の片隅、薄暗い飲み屋で言われた言葉を反芻する。
「君はさ、失うのが怖いだけでしょ?友達も。恋人も。だから――」

でも、こういう夜があってもいいと思ってしまう間だけは、
その続きは聞きたくない。





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