一側性難聴

少し前のNHKの朝ドラ「半分青い」で注目された一側性難聴。日常外来ではかなり多くの患者さんが来院されます。夏休みシーズンは1年1回のフォローアップとして来院する学童の子も多いです。

新生児聴覚スクリーニング検査が発達する前は就学前健診で初めて発見されていた疾患。最近の研究では原因は以下の様なものと言われています。

■先天性
①蝸牛管狭窄(蝸牛神経の入口が狭くなっている病気)
②サイトメガロウイルス感染症
 これに限らず風疹等でもおこります
③内耳奇形
④その他

■後天性
①ムンプス(おたふく風邪・半分青いの主人公もこれ)
②突発性難聴(たまに芸能人などがなってニュースになります)

いずれにしても赤ちゃんで見つかった場合でも言語発達への影響はほとんどありませんが、たまに構音(言葉の組み立て)が悪くなる場合があるので定期的な確認は必要です。

夏場にくる小学校以降の子どもには僕は必ず「将来何になりたい?」と聞いています。お母さん方は「何を聞くんだ??」という顔になりますが、片方聞こえないことは将来の職業選択にもかかわってきます。基本的に「守る系:警察・自衛隊・消防など」「交通系:電車運転士・車掌・パイロットなど」の二つは難しい事もあります。

最近の子どものほとんどは「まだ決めてない・・・」という子がほとんどですが、一つの良いきっかけになってくれたらと思います。ちなみに今日来た子で印象的だったのは「心理士さん」。何かドラマとかで見たのでしょうか?一側難聴の心理士さん、よい先生になってくれるといいなと思います。

ちなみに半分青いでお母さんが言った言葉「すずめの耳は雨の日もいつも半分晴れだね。」というのは耳鼻科医としてはとても感動的な言葉で大好きです。

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