救急専門医試験に合格する!〜試験対策方法、対策時間は?〜
どうも、ICUのカピバラ先生ことDr.カピバラです。
救急専門医試験の対策について、どのようにすればいいか分からないという声が多いのにも関わらず、検索しても救急専門医試験に合格する方法が紹介されていないのが現状です。
以前は救急専門医試験の過去問を解説しているサイトがあったのですが、大人の事情で閉鎖してしまいました(察してください)。合格した色々な方にもお話を聞きましたので救急専門医試験に合格する方法を紹介します。
こちらの記事に詳細を書いています。
・合格率
最近の合格率は70-75%程度で、毎年約300人の救急科専門医が生まれているようです。
・事務手続きを行う
お話する必要はないとは思いますが、まずは救急医学会に所属し、下記のURLで専門医取得に必要な事務手続きを行います。
救急医学会>専門医を取得する:
・教材を準備する
受験資格に必要な項目を満たしたら(満たす予定なら)、早速対策にかかりましょう。まずは教材を準備します。
・教科書を買う
何よりもまずは教科書を買いましょう。これがないと話になりません今年から第6版となり、上下巻の二冊になりました。かなりのページ数があるので心が折れそうになると思いますが、1年の我慢と思い頑張りましょう。
・過去問を用意する
救急医学会のホームページに過去問がありますので、各自印刷なりPDFなりで用意しましょう。
・試験対策方法
本題の試験対策方法です。
以前の救急専門医試験は、過去問通りの問題ばかりでしたので過去問さえやれば受かるような状態でした。しかし近年は問題も難しくなってきており、また最新のトピックも問われます。
つまり過去問を解くだけでは受かりません。
ではどうすればいいのか。もちろん、過去問を全部解いて、教科書も全部読み切れば理想ですが、それでも最新のトピックには対応できません。
大事なのは臨床に真摯に向き合うことです。こればかりは一朝一夕で身に付くことではありません。上級医にも相談し常に考えながら診療し、学会にも参加して新しいことを学んでください。
しかしこの記事を読まれている方はそんな理想論を聞きたいのではないと思います。
実際、時間も限られている中でどのように対策すればよいか。
偉そうなことを言いましたが、結局は過去問を解いてください。受験生は全員過去問を解いてきますので、他の受験生が取れる問題を落とさないことが大事です。全く新しい問題、割れ問は落としても仕方ありません。
救急医学会に過去問が落ちてますが、実はそれとは別に同じe-学会のネット内に、左上の方に能力判定試験(E-test)&救急科専門医試験対策というページがあります。このページ内には過去何年か分の過去問とその解説があります。問題数は400問近くあったと思いますが、まずは解説を見ながら解いてみるのも良いでしょう。
注意点としては、①最新の過去問の解説がないこと、②問題が古いためか、答えが違う(当時は正解であったかもしれないが)ことがあります。
過去問の解き方としては、問題を解いたのちに、その分野の内容を教科書(余力があればガイドライン)で調べて周辺知識を身につけておくと新しい問題に対応できると思います。
次に傾向を確認します。もちろん時代と共にトピックは変わりますので傾向も変わりますが、やはり頻回に出ている分野がありますのでよく勉強しましょう。
毒蛇(マムシ・ヤマカガシ)、中毒、破傷風、ASIA分類、開放骨折、IABP、ケトン体、ISS計算方法などは頻回に問われます。
またその年に変更があったものや流行したものも押さえておくと良いでしょう。例えば2024年でしたら熱中症ガイドラインが変更され、新たにⅣ度という概念が生まれましたので、その変更点を含め勉強しておくと良いでしょう。
ただ過去問だけでは新しい問題には対応できませんので、ある程度過去問を解いたら、教科書やガイドラインの通読を行うと良いでしょう。
またJATECの問題が出たと言っていた人もいましたが、余力があれば解いてみる程度で良いと思います。
その他、集中 治療専門医の過去問を解いた人もいましたが、こちらはほぼ意味なかったと言っておりました。
例のDr.孝志郎が救急専門医試験の過去問解説講座を開いているようです。こちらは賛否両論で、傾向と対策がわかったのでやって良かったという方もいれば、ただの過去問解説だったから途中でやめたという方もいました。お値段は高いですので、時間とお金に余裕があればやっても良いのではないでしょうか。
過去問を解き始める時期はいつでもいいと思いますが、どうせいつかは解かないといけませんから、早めから少しずつ解いておくと心の余裕が生まれると思います。多くは1~2ヶ月前から始めてる印象です。早い人だと3月ころから解き始めている人がいましたが、その方は直前は比較的余裕そうでした。確かに4月になって新しい仕事が増えて奔走される前に対策を始めるのはありかもしれませんね。
・まとめ
以上をまとめると、
理想は、普段の実臨床に真面目に取り組む。
実際問題としては過去問+教科書で周辺知識を覚える。よく出る問題を押さえ、最新の変更点を確認し、余裕があれば教科書やガイドラインの通読をするのがよいでしょう。
早めから対策し、ぜひ合格を目指して下さい。このブログ記事でも、試験頻出の内容の解説もしておりますので、ぜひ参考にしてください。