2024年 心臓血管麻酔専門医試験 合格体験記
1. はじめに
2024年度の試験を受験し、無事に心臓血管麻酔専門医試験に合格しました!
(お金の記事も書いていますが、こちらが本職です…)
この記事では、私が2ヶ月半の期間でどのように勉強し、合格に至ったかをシェアします。特に「資料の集め方」「試験に受かる上で効率的な勉強法」について具体的に紹介します。
効率とかでなく、ちゃんと全て勉強するべきだ!という方もいらっしゃると思います。ただそれぞれ色んな状況がありますし、試験勉強は試験勉強として、効率的な方法も知っておいて損はないかと思います。
もしこれから試験に挑戦する方の参考になれば幸いです。
2. 資料集め – まずはここから
試験準備は2ヶ月半前から本格的に開始しました。最初に行ったのが「資料集め」です。あまり時間を取られたくなかったので、体験記などを読みながら、効率良く情報を集めるようにしました。
・メルカリで資料を購入
もう完全に、あお@女医ワーママさんの言う通りでした。
(もしご本人様が万が一この記事をご覧になったら、勝手に共有させて頂いてしまっており恐縮ですが…)
メルカリの資料を購入したことは、私が今年効率良く試験勉強出来たであろう要因の第1位です。
あえてここでリンクなどは貼りませんが、すぐに出てくると思いますので、検索をしてみてください。私は作成して下さっている物の、2019年-2023年分を購入しました。問題と解説がついていて、分かりやすかったです。
お金をかけるのが嫌という主義の方もいると思いますが、普通にこれ買って数時間バイトした方がはるかに効率が良いと思います。
・muruさんのnote
とは言いつつ、悲しいことに麻酔科医とは疑り深い生き物です、、
その他にある程度の質が担保された過去問の問題/解答がないか調べたところ、muruさんのnoteを見つけ、購入しました。
問題の部分はもちろんオーバーラップしている内容がほとんどなのですが、2人分の解答を見ることで、安心して勉強を進められました。
丁寧にその他、試験の形式やガイドラインのこともまとめて下さっているので、無料部分を読むだけでも非常に参考になりました。
その他に、それぞれ役立った資料に重要度をつけると
高い
・各種ガイドライン
・心臓血管麻酔学会での直前講習(テキストには記載なく、口頭で述べていることからも出ていたので受講がおすすめです)
中くらい
・アネスアルファの過去問(これは登録していて、お願いするともらえます。ただ上記2つの過去問があればそこまで優先度が高いわけではないと思います)
・あお先生の上記URLからダウンロードできる1-295ページまであるスライド(最後に知識の漏れがないかチェックリスト的な使い方をしました)
です。
ガイドラインは過去問を解きながら少しずつ確認し、大体の分野は最終的に1度ずつ読みました。
また皆さんが仰っているように、直前講習のチェックはmust to doですね。
3. 過去問の重要性
試験対策で感じたのは、結局のところ「過去問の重要性」です。
実際の試験問題は感覚的に4割程度が過去問から出題されました。これを知っているだけでも、大きなアドバンテージになります。
過去問を繰り返し解くことで、「試験の出題傾向」を掴むことができ、効率の良い勉強が行えると思います。
4. 勉強スケジュールとモチベーション管理
資料が届くのを待ったりして、大体2ヶ月前くらいからゆっくり勉強は始めました。
基本的に平日は勉強する時間を取れないので、月〜金の平日1週間で合計3時間くらいだったと思います。新しく知識を入れるというよりは、抜け落ちていく知識の維持を行った形です。一応流石に直前の2週間は、勉強時間を少し増やして明けなどにもやりました。
土日は逆に2日で平均合計7,8時間くらいは毎週勉強していたはずです。
つまり、普段心臓麻酔に関わっている人であればそこまで試験勉強自体のハードルは高くないと思います(前提条件の100症例、特に先天心は施設により非常に大変ですが…)。
全体として2ヶ月半を短いと思うか長いと思うかは人それぞれだと思うのですが、私は少し中弛みしたので、もう少し短くしても良かったと思います。
ただそれは幸運なことに、前年度に小児心臓麻酔の経験を少ししていたことも関係しています。
先天心の経験があまりない方はどうしてもビハインドがありますので、もう少し時間がかかると思っておいた方が良いと思います。大体2週間プラスの3ヶ月はかかる印象です。
ちなみに小児心臓のことは、有名ですが下記のブログがとても分かりやすいです。
5. 試験当日
実は試験当日は電車の遅延で、余裕を持ったはずが逆に緊張する暇がないくらい到着がギリギリになってしまいました。
ペンや紙は使い勝手が良く、問題なく使用できました。
パソコンの操作も感覚的に使えるので、そこまで心配はいらないと思います。
時間は15-20分くらい余り、迷ってチェックを入れておいた項目を最終確認する時間にあてていました。
6. これから試験を目指す方へ
試験前は全然知らなかったのですが、試験中は解いている間に「過去問が多い」という事実に気づき、徐々に安心感を持ちながら取り組むことができました(それでも自信がないところもとても多かったですが…)。
自分は事前に知りたかったので、共有させて頂いた次第です。
合格後は慢心せずにさらに知識を深め、実際の臨床で役立てたいと考えています。
試験勉強自体はとても楽しかったです(JBPOTのエコー原理などと比較すると、天と地の差…笑)。
心筋保護のガイドラインも試験範囲ではなかったですが、新規に出たのでこれから読み込んでみたいと思っています。
短期間でも「正しい資料」と「過去問対策」があれば十分合格できます。ぜひ自分に合った勉強法を見つけて挑戦してみてください!