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どうしようもない憤り

 母の死に際しては、周囲の方は皆やさしくしてくれた。
 それは、例えば母の死後に公共料金の名義変更を行おうと思った時でも、「大変な時にありがとうございます」の一言を、水道局や電力会社は添えてくれた。
 
 そんな状況だからこそ、どうしても許せないことがある。

 母が亡くなる二日前のことだ。

 その時は院内でコロナウィルス対策により一般の面会が禁じられていた。
 しかし、もう母の命もそれほど長くないだろうということで特別面会が許された日だった。(僕自身は、それでももう一か月くらいは大丈夫かなと思っていた)
 母は病床に臥せ、自立行動出来ない状態で呼吸も補助がいるほどであった。
 ただ意識だけはハッキリしていた。
 
 母にあってひとまず「今までありがとう」と告げ、母の話を聞く。

 この日の数日前に、母は自分が死ぬ前に、負の遺産を整理しておきたいと言い、クレジット会社のキャッシングローンを清算したいと息子の僕にお願いしていた。
 僕は、その旨をクレジット会社の窓口に伝えると、本人確認が出来なければ精算できないと冷たく言われた。
 先にも書いた通り、母は病床に寝たきりで呼吸もままならない。
 そんな人間にまで本人確認が必要とは!
 新たに借金をするわけではない。
 借金を清算したいだけなのだ。 
 それでも、「本人でなければ出来ません」の一点張り。
 なんだ、そりゃ。

 教えてほしい。行きも絶え絶えの中、実の息子にお願いした借金の返済。それすらも出来ないほど借金とは個人に課された罪なのだろうか?

 仕方なく病床の母に、その旨を告げた。
 母はクレジット会社に連絡して息も絶え絶えに本人確認。

 病人になんで、そこまで負担させなきゃいけないのだ!!
 何度も言うけど、母は借金をしたいわけではなく、借金を返したいだけだったんだが。

 思い出すたびに病人にそんなことをさせたイオンクレジットに憤り、悔しくて涙が止まらない。
 亡くなったのはこの二日後。
 もっと母に余計な心配をかけずに、キチンとした話がしたかったよ。
 
 話はこれだけでは終わらない。
 母の葬儀後、母の所有していたクレジットカードの解約やら公共料金の名義変更などをしていた。
 イオンクレジットは、他のクレジット会社や他業者と違い一番応対が悪い。(この辺り、上記の件のこともあり僕の先入観による勘違いかもしれない)
 とにかく事務的な対応。

 係の方に、「母の死の二日前に、上記のようなことがあり、これはひどすぎるんじゃないか」と伝えたことに関しても「上司に報告しておきます」の一点張り。

 また、最後の支払い分が銀行口座が凍結して引き下ろされてないかもしれないので「キチンと借金は返済できていたか」と教えてくださいという問いに関しても、後程確認して返答しますとあったが、それから返答はなかったよ。

 同様のことを伝えたら、生命保険会社は2時間後にはこちらに返答くれたけどな
 他のクレジット会社にも借金とかは無いですよねと聞いたら「特に確認できませんが、もし公共払いとかしていたらということもあるので気を付けて」などと優しい気遣いをしてくれた。

 イオンクレジットは母が亡くなったことなど関係ないように金銭のチェックだけしているような対応だった。
 クレジット会社の係員が悪いわけでは無い。
 彼らはルールにのっとって仕事をしているだけだろうから。
 このことを、他の方に話したら、結構あることだと言う。
 だから悪いのは、死者に鞭打つような、そんな日本のシステムなのだろうと思う。
 だけど、感情だけは、やはりそういうものと割り切れない。
 多分、この先ずっとイオンクレジットを恨むだろうし、系列のスーパーは使わないと思う。

(追記)
大事な人を亡くした時、悲嘆の反応として怒りやすくなるというのがあり、イオンクレジットに対してもそれかなと思ってきたところだったのだが今日、他のクレジット会社(三菱UFJニコス)と手続きして分かった。

他のところは、ひん死の人間に電話口に出ろなんてそんな対応はしていない。

淡々と機械操作で(手続きは多いが)本人確認をしている。
明らかに、システムをアップデートするコストを削減してその代わりに人の道外れた対応しているということが分かった。
 あまり多くないケースなので問題にはならないのだろうが、新たな借り入れではなく、本人の意向で自分が死ぬ前に借金を清算したいという場合、ひん死の人間を電話口に立たせ、声を聞いて確認などというアナログな手段で本人確認するというのは人の道に外れており、非道であると思う。

 そして、これはどうなの?と上の人に伝えてくださいと言ったにもかかわらず、まるで返答がないというのは、確実に報告されていないか、もしくは大したことでないと判断されていることなので、会社の体質として腐っていると思う。

(さらに追記)
度々しつこくて申し訳ないが、イオンクレジットの話。

 本日(10月2日)、受付時に不備があったということで返金の電話があった(170円くらい)

 その際に「上記記事の件で上の人に伝えてくださいと言ったのですが、このような時の対応の改善点などは会社に伝わっていますか?」と聞いたが係の方は把握してないようだった。

 ただ、この係の方はキチンと対応してくれ、過去の応対データなどを調べていただいたうえで、こちらでは分かりかねますので、(この時点で事例は検討材料でなく「意見がありました、ふーん」で止まっているということが分かる)後程別の部署から連絡ありますという答えだった。

 それが13時くらいのこと。 

 その5時間後18時くらいにようやく電話がかかってきた。

 一言目の言葉が「お母さまが具合悪い時に、無理をさせて申し訳ありません」だった。

 違う、具合が悪いなんてもんではなく、ひん死の時だ。

 さらに言うなら母はすでに亡くなっているのだからお悔やみ申し上げますが先ではないか。

 その後もそのようなコトバが無かったので、負債者の人が亡くなった時の遺族への対応がマニュアル化されていないのではと思う。

 その後、「上記意見は確かに部署内には意見として挙がって共有されていましたが、オペレーターの方には伝わっていませんでした」との答えがあった。 (この時点で「お客様から、どうでもいい意見がありました、ふーん」という対応であったことが強く分かる)

​ ただ、イオンクレジット側の答えとしては、「借金の情報は個人情報にあたるのでひん死であろうと危篤であると本人が電話口に出ないといけない」

ということだった。

 実の子で、本人しか知りえない情報(本人の誕生日、住所、クレジットカード番号、連絡先電話番号、クレジットの引き落とし口座番号など)を答えることが出来て、それでも本人でないといけない理由は何なのだろう?

 何度も言うように借り入れがしたいのでなく、借金を返済、清算したいということなのだが、そこに悪意があるケースってなんだろう?

再度確認を僕はする。

イオンクレジットという会社は、借金を返済したいと思っている人間が、明日にも死にそうな危篤状態でも、それでも本人が電話口で本人確認をしなければならない、そういう対応をする会社で、現時点では、どうにかして本人の体力的な負担を軽くするなどの対応策は考えていない企業姿勢なんですね」

 ハッキリと「そうです」という返答だった。

 なのでイオンクレジットの会社対応として、「個人情報保護のため、ひん死の人間を電話口に立たせ、声を聞いて確認などというアナログな手段で本人確認するという」ということを現時点では変える理由がないということだそうだ。

 イオングループの基本理念として『「人の道」を重んじること、すなわち人間を尊重することです』とあるが、この対応が人間を尊重しているのか。

 あるいは「お客さまを第一にするということは、自分第一ではない、つまり自分たちの都合で考え、動くのではないということです。その反対に、常にお客さまを第一に考え、誠実に行動すること、これがイオンの基本です」とあるが、この対応のどこが、母の希望に誠実だったのか、教えてほしい。

 現在の自分に出来ることは、イオンという企業はこのように人間を軽視した対応をする企業ですと広めるということしか出来ないので、対応が変わったという情報を聞くまで、ずっとこの話をすると思う。

 イオンクレジットならびに関係グループをオレは許さない。

 自分の中で消化できてないので、ツラツラとまとめてみた。

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武@ニイガタ
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