「人生をやめたくなったら、××と言ってね」精神科医ママが教える、自殺予防のヒント
夏休みがもうすぐ終わりますね。実は、この時期は子どもたちの自殺リスクが高まると言われています。だからこそ、今、どうしても伝えたいことがあります。
自殺は「これをすれば絶対に防げる」という方法があるわけではありません。しかし、家族としてできる工夫はいくつかあります。今回は、私が心がけていることや、子どもとのコミュニケーションの方法をご紹介します。
1. 「子どもの名前をたくさん呼ぶ」
まず、日々意識しているのは「子どもの名前をたくさん呼ぶ」ということです。子どもに愛されていると実感してもらうために、意識的に名前を呼びかけています。
2. 「子どもに全力で耳を傾ける」
子どもが話しかけてきたときは、相手の方を向き、目を見てうなずきながら聞くようにしています。仕事で忙しいときもあり必ずしもできているわけではないのですが、子どもが話しているときは「全身全霊でオーバーに聞く」ことを心がけています。これによって、「あなたとの時間が大切だよ」「あなたの言うことに関心があるよ」と感じてもらえるようにしています。
3. 「もし人生をやめたくなったら、××と言ってね」
自殺を考えるようなことがあれば、必ず伝えてほしいといっています。子どもと私だけの「××(合言葉)」を決め、それを言ったら、私が必ずすぐにサポートするという約束をしています。
息子と草間彌生の美術館に行ったとき、彼が「草間彌生のドットの意味やお母さんとの関係や自殺について詳しく話をしてくれました。私は、自殺という言葉を知っていることに驚きましたが、その後、もし自殺したくなったらこの「××」と言ってほしいと伝えました。(「××」は二人できました、ただのワードです)「その言葉を言ったら、すぐにママはあなたのところへ行くから。そして一緒に逃げよう。日本にいる必要もなくて、どこに行ってもいいんだよ」と約束しました。「ママは絶対に味方だから、何があっても、どんな行動をしたとしても好きだからね」とも伝えました。
この会話が直接の解決策になるわけではありません。ただどこかに残っていて、子どもの「もしも」のときに支えになることを願っています。
自殺を完全に防ぐ方法は存在しないかもしれません。だからこそできることはしていきたいし、もし役に立つことがあれば発信していきたいです。