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ワタミの焼肉業態「焼肉の和民」1号店を体験!業態転換と店舗のデジタル化、2つのシフトの実態をレポート

居酒屋チェーン大手のワタミは10月5日、長引くコロナの影響から、居酒屋から焼肉店へ業態転換を発表しました。コロナ禍の中でも焼肉店は徐々に回復しているので、今後もビジネス成長の可能性があると判断したそうです。2022年3月期末までに、メインブランドである居酒屋『和民』全店をはじめ、グループのおよそ3割にあたる120店舗で実施し、以降はフランチャイズ展開も開始。5年で400店舗の出店を目指すそうです。

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出典:産経新聞

今回の記事ではこのようなワタミの居酒屋から焼肉店への業態シフトに加え、ニューノーマル時代を見据えた非接触型飲食店として、タッチパネルオーダー、配膳レーン運搬、下げ膳ロボットなどを導入した店舗のデジタルシフトにも注目し、この2つのシフトを体験してレポートするために、「焼肉の和民」の1号店となる大鳥居駅前店に行ってきました。

 「焼肉の和民」のメニューは焼肉屋+居酒屋のミックス?

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東京都大田区の大鳥居駅前店。店舗は駅から出て徒歩3分程度のところにあります。雑居ビルの3Fにあり、「焼肉の和民」の大きな赤い看板がありわかりやすい。

入店すると4人で座れるテーブル席か2人用のカウンター席を選べるようになっていました。今回はファミリーや友達との会食をするやや広めのテーブル席を選びましたが、カウンターも良さそうでした。

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カウンター席は左右に間仕切りがありラーメンの「一蘭」のようでプライベート感があり焼き肉に集中できます。

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席に着いて早速気になるメニューと値段をチェックしました。単品メニューー、食べ放題コースが3種類(2,880円、3,480円、4,380円)、他にも居酒屋の「和民」のように、麺類や前菜、デザートなども豊富です。酒類も居酒屋と同じようなラインアップが用意されていて、飲み放題コースも2種類(1,000円と1,480円)もあります。

総じて言うと、焼肉のメニューや価格感は「牛角」くらい、サイドメニューは居酒屋「和民」並みに豊富と言ったところで焼肉屋と居酒屋を足した感じです。

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オーダーと配膳は「スシロー」や「くら寿司」と同じ方法でデジタル無人化

メニューが多く色々迷いましたが、牛タン(790円)、キムチの2種盛合せ(490円)、一番のおすすめ「ワタミカルビ」を含めいくつかを注文しました。今やどこでも見るようになった、タッチパネルでオーダーします。

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少し待つと、注文したフードやドリンクは、「特急レーン」(焼肉の和民ででのネーミング)に乗せて運ばれてきます。レーンで受け取ったら、目の前にある赤いボタンを押して、受け取ったことを確定させる仕組みです。操作や仕組みも「スシロー」や「「くら寿司」とほぼ同じです。

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炭火を使わない、アミの取替もセルフで無人化を徹底

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肉が運ばれて来たので焼き始め始めると、焼肉=炭火のイメージに慣れていたせいもあり、炭火ではないことに気づきました。これも炭熾しや炭を運ぶ手間の省力化なのか?また、網の取替はいつも店員を呼んで取替るものかと思っていましたが、「焼肉の和民」ではテーブルの横にある棚から自分で取り替えるセルフ型です。

下げ膳を自動化ロボットは少しエンタメの要素あり

下げ膳はロボットが定期的に客席まで来て、客がロボットの棚にセルフで載せると自動で厨房まで運んで行きます。ピコピコ言いながら、言葉もしゃべるレトロフューチャー感のあるロボットでエンタメ性があるのでファミリー層や子供にウケそうです。

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【居酒屋から焼肉店への業態シフト
焼肉屋としてのコスパは高く、競争力はある

肝心の焼肉は、肉の質も値段に対しては良好なクオリティで、どの部位も食べるとしっかり美味しい。焼肉屋としての肉質に対してのコスパの良さは高いと思います。遠方からわざわざ出向くようなレベルではないが、近所の駅前や家の近くににあれば普通に通うと思います。シメに食べた冷麺とラーメンも美味しかった。実際に体験した感じでは、このレベルであれば他社のライバル店とも十分に戦えるレベルにあり、1つめの”居酒屋から焼肉屋への業態転換のシフト”はそこそこうまくできていると思います。

【店舗のデジタルシフト】
コロナ禍の中ではメリットになる機械化、無人化接客

今回の体験を通して「焼肉の和民」では決して最先端のハイテクを駆使したデジタル化ではありませんが、汎用的なデジタル技術を使って徹底的な省人化を図っていることがわかりました。その背景には、
1. 人的なサービスをデジタル化、機械化することで人件費カット
2. コロナ感染対策としで店員とお客との接触機会を大幅に削減する
の2つの目的があります。人的なサービスカットは、コロナの無い時代では、客に対するサービスダウンになりがちですが、コロナ禍ではむしろ接触機会を減らすための感染対策にもなり一石二鳥です。接触機会の削減では、なんと客と従業員との接触率を80%も減らしているそうです。
こうして、人件費をカットし、固定費を下げることで高いコスパを実現しているのです。

今後の焼肉屋は更にデジタル化が進行し競争が激化

大手回転寿司チェーンは店舗のデジタル化、機械化で人件費を大幅にカットして低価格で寿司を提供し、寿司=高級のイメージを一変させた。しかし、ネタの質にこだわり、寿司職人が握る高級店も共存し寿司屋業界では差別化ができている。しかし、焼肉でこのような差別化はできるだろうか?肉の質が同じであれば、あとは客が自分で焼くだけ。寿司のような差別化は難しい。最高級の肉ををデジタル化した店舗で人件費をカットして低価格で提供する高級デジタル焼肉屋も現れるかもしれません。いずれにせよ、コロナ禍の中でも比較的好調で客単価が高く、省人化がしやすい焼肉屋への新規参入、店舗のデジタル化は「和民の焼肉」の後を追って増え、競争はますます激化すると思われます。

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