女性アスリートのための医学 その2
前回は,女性アスリートの三主徴について
ざっくりとまとめてみました.
今回は,もう一つの問題である月経随伴症状について
簡単にまとめたいと思います.
月経随伴症状とは
月経随伴症状とは,文字の通り
月経に関連して起きる症状のことです.
腹痛や腰痛,頭痛といった痛みをはじめ,
気分の落ち込みや情緒不安定など
その症状や程度は人によって異なります.
月経随伴症状の代表例として
①月経困難症(dysmenorrhea)
②月経前症候群(premenstrual syndrome:以下,PMS)
があります.
①月経困難症(dysmenorrhea)
月経困難症は,月経に伴い起こる病的症状で,下腹部痛・腰痛をはじめ,
頭痛,吐き気,腹部膨満感などが多いです.
・器質性(続発性)月経困難症
・機能性月経困難症
にわけられますが,器質性は20代半ば以降,
若年者には機能性に多い傾向です.
②月経前症候群(premenstrual syndrome:以下,PMS)
PMSは排卵後の黄体気に繰り返し出現する身体的,
あるいは精神的症状で,
日常生活に支障が出る重症なものをさします.
身体的・精神症状が苦痛であるだけでなく,
社会的機能や人間関係が傷害されます.
アスリートの問題
このような月経随伴症状を女性アスリートの多くは抱えており,
コンディションの変化などを感じています.
アスリート個人が試合や練習日程に合わせた
月経対策が必要になってきます.
現代では耳にするようになった,
低用量ピルやプロゲスチン製剤など,
医師と相談しながら服用してみてもいいかもしれません.
自身に合う対策を見つけるのもアスリートの仕事です.
このような女性アスリートの健康問題に関する研究・話題も
随時取り上げていけたらよいかと思っています.
参考文献
・相良洋子 月経随伴症状に対する心身医学的対応.心身医学49(11),1164-1170,2009
・Health management for female athletes ver.3 (The University of Tokyo Hospital)
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