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高気密高断熱住宅の冬のリアル

我が家は高気密高断熱の家です。建てた工務店がそこに情熱を注いでいるので、そうなってしまいました。
もちろん、快適な住まいのほうが良いに決まってますので、冬も寒くない家がいいです、という注文は出しましたが、想像以上に冬にあたたかい家が出来上がりました。では、今日(12月20日)現在、どのような暮らしができているかレポします。


ざっくりと断熱の仕様を紹介します

床はベタ基礎の上に断熱材の上にモルタル、床下はありません。空気層を作らずにモルタルの上に床があります。
壁は内断熱と外断熱のハイブリッドのような仕組みで、柱の間に断熱材を詰めた外側にまた断熱材を貼っているようです。外壁と屋根の内側には空気が流れる層があり、夏の直射日光による熱が直接伝わらないことと、結露の防止になっているようです。
窓はほぼトリプルガラスです。以前にも書きましたが開く窓が少なく、フィクスが多いです。開く窓は縦滑り出しと上げ下げ窓です。ドアも一番断熱性能の高い、厚いものです。窓のガラスもダブルです。
熱交換の第一種換気です。
壁材はセメント系、屋根は瓦です。

屋内の工夫を紹介します

フロアをひとつの大きな部屋として、納戸以外はすべて一筆書きで通れるようになっており、空気が循環できる仕組みです。フロア内の扉はすべて引き戸になっていて、開けておけば全ての場所に空気が流れるようになります。天井のファン、換気システムからのダクトによる空気の流れ、そして加湿送風機(冬はこれがないとカサカサになるので)を必要に応じて使用し、空気を回しています。
これで、エアコンはフロアごとに1台でまかうとしました。
床はすべて杉板30mm、壁は一部が杉板ですがほとんどが一般的なクロス材です。

冬の晴れた日なら

陽がさしてきて、窓から日射が取れるようになれば室温が上がってきますのでエアコンを切ってありますがあたたかです。そのまま夕方まであたたかく、陽が落ちるころにエアコンが入ります。エアコンは朝方に切れるように設定してあります。12月後半は気温こそ極寒とは言えませんが、日照時間が短いので、17時にエアコンを入れて4時に切れるように設定してあります。なおエアコンの設定温度は24度です。
朝方にエアコンが切れますが、家自体が温まっているのと、空気の出入りが無いので、これで陽が射してくるまで室温がそう下がることはありません。念のため、switchbotのログを見てみましたが、一昨日は23時頃にもっとも室温が高く24度(これはその直前にお風呂に入ったことによる影響だと考えられます)、そこから6時頃までかけて23度になり、日射を取り入れながらも室温がゆるゆると夕方に向けて下がり(昼間は無人です)17時に21度まで下がりました。そこからエアコンが働き、また人間の体温も入るため20時には22度まで上昇した室温は22時頃にピークの23度を指し、次の日は6時が最低となり20.5度でした。
おおまかには、晴れていれば毎日このような室温の上下を繰り返しています。曇りや雨だと、日中の温度の低下がもうちょっとあります。
エアコンはこの時期、設定温度24度で11時間の稼働です。
それで、室内で人間はどのように暮らしているかと言えば、床が無垢材で30mmと厚みがあるので、裸足です。室内着は、そう厚手でもない長袖一枚で十分といった感じです。たとえばこのくらい。

参考:無印良品 https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550583233105

かけ布団は夏冬共通

寝具ですが、かけ布団は、各メーカーで温かさが中くらいのものを1枚かけているだけです。基本的には、寝具ではなく室温で調整しています。これは夏も兼用で、夏は冷房で室温を下げるので、同じかけ布団をかけて寝ています。基本的には、かけ布団一枚だけです。毛布、タオルケットのようなものは使っていません。
一年中、家の中はまあまあ同じような気温に調整できるので、家の中ではルームウェアと同じで、寝具もあまり夏冬と模様替えをするということはありません。

窓の結露に驚き

お風呂の窓以外、内窓に結露したことがありません。これはビックリでした。加湿器を稼働させても、結露しません。と言っても我が家にある加湿器はダイソンの気化式のものでそう加湿性能が高いわけではありません。しかし、鍋をやっても結露したことがありません。お風呂上りにお風呂の戸を開けておいても、窓が結露しません。不思議です。
その代わり、窓の外側には結露します。断熱性能の高い窓では外側に結露が発生すると聞いていましたが、本当に結露してこれもビックリしました。

体感で「寒い」と感じることがないし、なんなら暑い

断熱に執念を燃やす工務店が建てたおかげで、いったん室内がしっかりあたたまればそのあとずーっとあたたかいままです。まるで魔法瓶の中のような感じです。ですので、基本的にエアコン(暖房)は気温の低下をなるべく抑えるように稼働させて、日中の、放っておいても室温が上がる時間帯には日射による熱で保温させるようにします。一日を通してなるべく一定の室温になるようにしておくというイメージでコントロールしています。
魔法瓶みたいな感じということは、冬場でもいったん暑くなってしまうと、なかなか冷めないということにもなって、ちょっと設定を間違うと室内が暑くなってしまい、なかなか冷めなくて困る、ということになりかねません。実際にときどきやらかします。暖房しながら調理もしつつお風呂も誰か入ってる、というようなときに、一気に室温が2度、3度と上がると大変です。窓を開けて冷気を入れないと汗をかく羽目になります。

困ったことにアイスが美味い

以前は「アイスは夏の食べ物」と思っていたのですが、福井出身の友人が「冬にこたつで食べる、冷やした水ようかんが最高」と言っていて(これは福井の皆さんはそうするそうです)、札幌出身の友人も「アイスは冬の食べ物」と言っていたので、なるほど地域によってはそんなもんかなと思っていたのですが、いまでは冬場に一定の室温、それもやや暖かい室温になっていますので、やたらアイスが美味しいです。箱で買って冷凍庫にいつも入れています。お風呂上りなどつい食べてしまいます。

外出時はかならず天気予報をチェック

天気予報というか、気温ですね。家の中では外気温がまったくわからないので、見た目で窓からの景色が晴れているからあたたかいだろうなんて思って薄着で出て失敗、ということがよくあります。室内にいて「今日は冷えるなあ」ということが無いため、起こる失敗です。

余談ですが雨も風もわかりません

我が家では屋根に瓦を採用していまして、その下に分厚い断熱層があるため、雨の音が聞こえません。窓の外を見て「あ、今日雨降ってるんだ」と気が付くことが多いです。夏のころには、台風の日も風がビュービュー吹いているのに気が付かず「台風まだかな」と思ったことがありました。断熱と気密がしっかりしていると、風雨の音も聞こえないんだなあ、と初めのころは驚いたものです。

高気密高断熱の家の中は一年中適温で快適でした

春と秋は、なんとなく日中の日射で得た熱だけでいい感じに過ごせます。夏は冷房を点けっぱなしにしています。冬は日中だけ暖房を消す感じです。これで、春と秋はだいたい25度くらい、冬は22度くらい、夏は27度くらいの平均気温になっているようです(夏のエアコンの設定温度は26度くらいです)。
冬は長袖でしっかりとくるぶしまであるルームウェア、夏はTシャツにハーフパンツ、春と秋は、薄手のロングスリーブTシャツに七分丈のパンツ。
一年間、窓を開けることなく、フロアに1台のエアコンだけで快適に暮らせる家となっています。高気密高断熱の家は素晴らしいです。


次回、高気密高断熱と言えばお馴染みの「C値」についてちょっと書いてみたいと思います。

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