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家を建てる、買うと思ったら考えたほうがいいこと

家を建てる、買うというのはすごく大変なことです。僕自身、二軒の家を建てて、また父も兄も家を建てて、金銭的にも労力的にも、もう二度とやりたくないと思うくらいの大変さだと実感しています(なのに二軒目を建ててしまったわけですが)。
そんな大変なことなので、家を建てよう、買おうと思ったらまず考えてほしいことがあります。
※つぎに考えてもらいたくないことを書いたりしますので、具体的な話はまだ先ということになりますね。「早くとっておきの情報出せやコラ」などとお思いの方はしばらくお待ちくださいませ。


家を建てた後の暮らしに夢を見れるか

青臭いことを言うようですが、夢があるかというのは大事なことです。
家を建てる、買うことが夢ではないのです。その後、暮らしていく人生に夢が見れるかというのが大事です。
人は「これだけの買い物をするのだから、後悔の無いようにいま持てる全てを注ぎ込んで最高の家をつくろう」と思ってしまいがちです。しかし家を建てる、買うことは人生の中で通過点にしか過ぎません。大事なのは、その家に住んで夢のような暮らしができるのか、ということです。
普通に働いている人であれば、その収入の二割から三割くらいを住宅ローンの支払いに充てます。ずいぶんな額です。かく言う僕もそうです。例えば世帯年収が1000万円ならば、200万円から300万円くらいを充てるわけです。ならして月に17万円から25万円、これはずいぶんな額です。そして、金融機関から借りたお金を住宅メーカーや工務店などに最初に払ってしまいますが、金融機関への支払いはそのあと35年とかずーっと払い続けるわけです。つまり、家を建てるというのは、そのローンを払い終わるまでは月々いくらか(十数万から二十数万)のお金をかけて住むということになります。住宅用の資金を金融機関から借りて住宅メーカーや工務店に支払う、この時点で「払った」と思うのは間違いで、そこは「払い始めるスタート地点だ」ということなのです。
繰り返しますが、家を建てたり買ったりするのはものすごく大変なので、家を建てるまでの労力、時間などが膨大にかかりますが、あくまでも家が建って支払が始まるまでの部分は「向こう(住宅メーカーや工務店、金融機関など)がコイツは上客だと思って、タダで遊ばせてくれているんだ」という状態です。住宅展示場に行ったり設備メーカーのショールームへ行ったりいろいろ見積を取ったり、設計してもらったり模型をつくってもらったり……そしてお金の算段をしたり交渉したりと家が建つまではものすごく大変だけど面白い時間を過ごすことができます。だから、多くの人が、家が建つところをゴールだと思ってしまいます。新築ブログなどを読んでも、家が建つところまでにすべてのリソースを注ぎ込んで建った瞬間に力尽きているような人をよく見かけます。しかし現実はそうじゃないんです。家が建つまでは言わば助走であり、実際に走り出すのは家に住んでからなんです。助走で全力を使い切ってどうする、というのと、助走の期間だけを見て家を建ててどうする、ということです。多くの人がそこを間違います。お察しの通り、一軒目の家では僕も間違いました。住んでから後悔したところが多く、それは家を建てるところをゴールにしてしまったというのが最も大きな理由でした。
だから、これから家を建てる皆さんには、家に住んでからがスタートですよと言いたいです。
家を建てるのは、ひとつの「夢をかなえる」ではあると思います。しかしもっともっと大きな夢を、家に住んでからかなえて欲しいです。そんな大きな夢が見れるような家を建てて、買って欲しいと思うのです。

長く夢が見れるような家

では夢が見れるような家とは、どんな家でしょうか。
答えは人によりさまざまでしょうが、ひとつ正解と言えるものは「中の人の変化と時代の変化に家が対応できること」ということです。中の人は成長したり人数が変わったり老化したりと変化します。時代は言わずもがな変化していきます。対して家はどうでしょうか。その土地に建った家はそのままです。改築やリフォームをすることもあるでしょうが、それも十ウン年ごと、長ければウン十年ごとということになります。その間、その土地にある家は変わりません。それでは変化に合わせて時々は住み替えをしましょうか? 家族構成によってはそれが難しかったり、また資金的にも大変です。
家を建てた頃、家を買った頃と、その家に住み終える頃のあなたは果たしてどう変わっていますか? 予想もつきませんね。だから、家は変化をある程度吸収してくれるようなものが良いです。例えば、大きな部屋を区切れば小さな部屋が複数できますが、先に部屋を3つも4つも作ったあとに広い部屋にするのは大変です(構造上できないかもしれません)。例えば、田舎暮らしにあこがれて田んぼと小川にはさまれた自然豊かな人里離れた場所に広い土地を求めて、大きな古民家をリフォームして住んでみたら、年とともに日々の買い物にも不自由をして、家と庭の掃除やメンテも大変な負担になってしまうということにもなりかねません。
だから、家を作るとき、買うときには、もしいま30代なら、40歳になったら、50歳になったら、60歳になったら70歳になったら(ここで35年のローンの返済が終わります)どうだろうかということを考えたほうがいいです。

「夢のマイホーム」ではなく、夢を叶えるためのマイホーム

人生はひとそれぞれですので、どなたにも夢があると思います(無ければ夢を持ちましょう!世界一周したいでもアイアンマンレースに出たいでもエベレストに登りたいでも博士号を取りたいでも社長になりたいでもロックスターになりたいでも、夢を持つのは自由です!)。その夢を叶えるための生活の基盤として家がある、ということです。
家を建てよう、買おうという人は、さすがに定住しての人生をある程度決定していると思います。だから、家をあなたの夢の発射台にしてください。そのために、家はできるだけ快適で、住みごこちが良く、ストレスがなく、便利で、使い勝手がいい、手間のかからない、そのうえ胸を張って良い家だと満足できるようなものが良いです。そういう家で、自分の人生と家族の人生をより豊かにし、それぞれの夢に向かって進めるような人生が送れると良いです。

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