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【48】高知日曜市を視察して
こんにちは。
7月某日、恩師であり、私にとって久留米のお兄ちゃん、お姉ちゃんのような存在のたけしさん、はなえさん、そしておふたりの愛息しんちゃんの4人で高知の日曜市を視察に行きました。今回は、その体験記を綴ります。
どうして高知に?
はじめに、なぜ高知に行くことになったのかの経緯をお話します。
私は、くるめ日曜市というNPO法人のボランティアサークルの理事を務めています。
くるめ日曜市
「私たちが誇れる街を100年先の子どもたちに届けたい」のコンセプトのもと「この土地でとれるもの」、「この土地で作られるもの」、この街に住むひとの「想いのこもったモノゴト」を集めて、毎月最終日曜日に福岡県久留米市の商店街アーケードでマーケットを開催。
そもそも、日曜市のメンバーに入ったきっかけは、”誰かのために”という慈善の気持ちではなく、地元のことについてもっと知りたい、人と知り合いたい、という”自分のため”のものでした。
日曜市は、久留米の新しい発見があるのはもちろん、普段なかなか聞けないことを直接その道のプロにお話を聞くことができる点、そして何より愉快な仲間たちと出会える場として、私にとっていいとこづくしの場でした。
しかし、コロナによって開催が困難に。
さらにメンバーの家庭の事情など、色々なことが重なり、現在も活動休止の状態が続いています。
NPO法人として継続するには、このまま休止状態が続くわけにもいかず、何度も話し合いが重ねられました。
私としては、存続はさせたいという気持ちと、これから久留米を離れる身として、いい加減なことはしたくないという気持ち、引き継ぐなら自分しかいないんじゃないかという気持ちと・・・
これまで大切に築いてきた日曜市だからこそ、色々な気持ちが錯綜して答えを見つけられずにいました。
そこで、なにかヒントがあるかもしれない!と思い立ち、理事長のはなえさんに無理をお願いして、くるめ日曜市のモデルとなった高知県の日曜市に連れていっていただきました。
高知 日曜市
元禄3年(1690年)以来,300年以上の歴史を持つ土佐の日曜市。年始(1月1・2日)とよさこい祭り期間(8月10~12日)を除く毎週日曜日開催されています。午前6時頃から午後3時頃まで,高知のお城下追手筋において,全長約1kmにわたり,約300店が軒を並べています。新鮮な野菜や果物はもちろん,金物,打ち刃物,植木なども売られており,市民と県外からの観光客などもあわせると1日に約17000人が訪れる生活市です。
高知へ。いざ出陣!
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当日の朝、目が覚めると、右目がとてつもなく腫れていました。家に目薬はなく、どうしようかアタフタしていたところ、アイディアの天使が囁きました。「涙で洗浄すればいいのよ」
ってなわけで、ムヒを目の周りに垂れ流れるほど何重にも塗りまくり、大量の涙を流しました。おかげで腫れはほとんど引き、化粧をすることができました♪
朝からプチハプニングはありましたが、少し早めに集合場所に向かいました。
車で約8時間・・・
道中は、SAがある度にノンアルビールとご当地のグルメを楽しみました。教科書でしか見たことのない、かの有名な瀬戸大橋を渡ることができて大興奮!!長い長い道のりでしたが、とても楽しい移動でした。
1日目は、高知観光&高知の名物料理を堪能しました。
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いよいよ高知日曜市へ!
毎週日曜日(地元の方のお話によると、木曜日もあるそうです)、市街地の大通りの一部が歩行者天国となり、そこには300店以上の露店がずらりと並びます。
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高知の日曜市は歴史だけではなく、300店の出店があるだけに距離も長い!!その距離およそ1.3㎞。観光客だけではなく、地元の人もたくさん来られていて、大変にぎわっていました。一日に1万7千人が訪れているのだとか。
出店者さんは老若男女様々で、みなさんとても温かい接客でした。ほとんどのブースがテーブルの高さを低く設置していた点が印象的でした。腰を屈めて商品を選び、お店の人と同じ目線でお話するのは、素敵な光景だと思いました。多分この絶妙な高さは、購買力を上げ、グッと店と客の距離を縮める法則のようなものがあるように感じます。
視察を経て
正直、高知日曜市へ行くまで、くるめ日曜市の存在意義って、なんなんだろうと疑問に感じる部分がありました。土曜夜市をはじめとする、出店ブースがずらりと並ぶイベントは久留米でも多数開催されています。年に1回~数回だけの方がお客さんもイベント感覚で集客が期待できるし、出店者や運営側の負担は格段に減るのではないかと思ったからです。
くるめ日曜市の「私たちが誇れる街を100年先の子どもたちに届けたい」というコンセプトを重視するのであれば、SNSやオンラインショップを活用すれば、オフラインにこだわる必要はないのではないかと思っていました。
しかし、今回の視察によってその考えは大きく変わりました。くるめ日曜市が大切にしていたこと、そして大切にされていたことは、なんだったのか。
きっとそれは、行ったらきっと誰かに会える、そんな集いの場が日曜市の役割だったのではないかと思いました。
知ってる人、知らない人、知り合いの知り合い、普段だったら絶対話すことのない人たち・・・
久留米の色んな人が集い、たくさんの「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」の言葉が行き交う。周りを見渡せば、久留米の恵がたくさんあって。
くるめ日曜市は、ふるさとを愛する心を育む環境の場を提供していたのだと思いました。
これまで、私は日曜市は「地元の恵を知ってもらう場」の手段だと思っていましたが、実際は逆だったのだと思い知らされました。
私は日曜市の活動が軌道に乗ってからメンバー入りした身なので、くるめ日曜市を発足させたときの苦労はわかりませんが、とてつもない時間と尽力を注いだ話を何度も耳にしました。
今回の視察で感じることができたことや、ここまで築き上げてきたみなさんの努力を、これからどうやって再興していくのか。
そもそも、久留米を離れようとしている私ができるのか。
一緒にまた日曜市を盛り上げる志のある人が、果たしているのか。
どこから手を付けていけばいいのか、わからないほど課題はたくさんあります。
正直、今は自分のやることで手一杯なところもありますが、いつの日かまたくるめ日曜市が返り咲く日をお待ちいただけたら幸いです。
たけしさん、はなえさんへ。
今回、お忙しいところ、私のわがままを聞いてくださり、本当にありがとうございました。
高知での夜、酔っぱらって話したような気がしますが、私は昔から「地元の恵を大切にしたい」という気持ちを大事にしてきました。
おふたりのご支援のおかげで今日までたくさん経験をすることができました。
おふたりに出会えたことは、運命じゃなくて必然なんじゃないかと思っています。3人とも久留米出身じゃないのに、出会えたなんて本当に奇跡でしかないです!
きっとこのご縁は、自分の信念を具現化しろという神様のお告げだと思っています(笑)
そういうわけで、これからも毎年クリスマスイブの日はケーキを食べに伺います。今後ともどうぞよろしくお願いします!
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