紙の魅力を伝える展示をデザインする-オンラインでも触って楽しむ-
はじめまして!東大×藝大のデザインサークル、designing plus nine(以下dp9)です。
dp9では、「紙Festa.」という紙と触れ合ってその魅力を知ってもらう展示をオンラインとオフラインの両方で開催しました。
今回は、「紙Festa.」について、サンサンとういからお話しさせていただきたいと思います。
紙Festa.とは
紙Festa.は、スマホ世代、デジタル我々にとってどこか遠くなってしまった紙という存在を再び身近に感じてもらうため、紙に触れてその良さを思い出してもらうという、紙のお祭りです。
2021年の2月が企画がスタートし、約3ヶ月の準備期間を経て、5月にWebサイトを公開。9月にLab-Cafeさんのご協力のもと、オフラインでの展示を行いました。
まず、テーマの決定のお話からWeb展示まで、私サンサンが説明します!
私は、デザイン、映像、お描きなど目を楽しませるものが好きで、dp9内ではヴィジュアル関係の制作(グラフィック、イラストやウェブデザインなど)をメインにやってきました。ポートフォリオサイトもぜひご覧ください。
[テーマ決定まで]オンラインでも紙に触れてもらいたい
コロナで何もかも未定の状態で誕生した「紙Festa.」
2021年2月、東京大学の学園祭「五月祭」に出店することを想定して、責任者の私と副責任者のういは企画を考えはじめました。
しかし、コロナで2021年の五月祭はオンラインかオフライン開催のどちらが決まるのが3月下旬になるとのお知らせが届きました。
お知らせが届いてからテーマ選定するのでは遅すぎます。そこで、オンラインでもオフラインでも柔軟に対応できるテーマにすることを決めました。そこで挙げられたのが「紙」です。
紙、いいですよね、みんな大好き。
紙を扱う展示を行うことが決めたら、次はタイトル等の案出しを行います。紆余曲折の末、楽しい雰囲気を伝えられる「紙Festa.」というタイトルが採用されました。
同時に決定されたのは、ブランディングストーリーと、
3つのコンテンツである「紙を知る」、「紙に触れる」、「紙を楽しむ」です。
土台となるものが決まり、五月祭の企画登録も無事に済んだ頃、今年もやはり去年に引き続きオンライン開催に決定したとのお知らせが届きました(涙)。ふむ、本当は1ミリぐらい期待していたんですよ。
「紙」を掘り下げていく
テーマが決まってから、早速Branding班のメインビジュアル制作と「紙を知る」「紙に触れる」「紙を楽しむ」の3つのコンテンツの班分け作業の同時進行に入った、怒涛のような4月でした。
なぜそんなに急ぐ必要があるのか?
一つは、4月末に正式にdp9に入る新入生たちに、「紙Festa.」で実際手を動かしデザインする楽しさを早速体験してもらいたいから、
もう一つは、早めに具体的な制作内容を決めないと間に合わないからです。
大量のムードボードによるブレインストーミングを経て、メインビジュアルが新入生が参加してくれた日の直前ぎりぎりに仕上がりました。
さて、3つのコンテンツがどういう感じになったかを、それぞれ紹介させてください。
紙を知る
「紙を知る」班では、新入生に身の回りのデザインを意識させるように、既存の紙製品の研究が行われました。そこで新入生が選んできたデザインを「伝統」、「機能」、「演出」という3つのジャンルに分けて展示しました。
紙に触れる
「紙に触れる」班では、サイトへ訪問した方が自宅で印刷できる「一枚小説」の作品が作られました。オンライン生活で失われつつアナログな材質を再び手に取っていただくのが目的で、最終的にバリエーション豊かな作品が並ぶようになりました。
紙を楽しむ
「紙を楽しむ」班では、普段慣れている紙の質感と用途の組み合わせをちぐはぐにした作品がたくさん作られました。この紙にこんな使い方をするの..!?でも意外とありかもしれないというわくわく感をぜひ体験してみてください。
もちろんオンライン展示だから何かしら媒体が必要で、「紙Festa.」は去年と同じくウェブページで展示することになりました。
アナログへのバトンタッチ
制作も実装もスムーズに進んでいたごろ、急なお知らせが大学中を動揺させましたーー五月祭が延期開催されるらしいです。
しかし、せっかくみんなが熱意をもって制作したものが半年後に延ばして公開するのが悲しすぎるので、五月祭ではなくdp9独自のオンラインイベントとして予定通り開催することにしました。
よって5月15日、「紙Festa.」が正式にアクセスできるようになり、みんながホット息をついて休養を取ろうと思ったところ、あるリクエストが届いて静まったばかりの心をまた沸かせました。それはLP制作で仲のいいLab-Cafeさんから、ぜひ「紙Festa.」のオフライン展示をLabCafeにて開催してほしいという声掛けでした。
ものからオフライン展示を望んできた我々がもちろん快諾し、9月を目当てに準備を始めました。
さて、これからはオフライン展示の正責任者であるういちゃんに紹介をお任せします~
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ご紹介に与りました、2020年度入会のういです。サンサンからバトンを引き継ぎ、ここからはLab-Cafeにて行ったオフライン展示についてご紹介します。
早速ですが完成形をちらり。
これに至るまでの過程を書いていきます!
6月後半 下見
5月下旬からLab-Café運営の方と展示場所や展示日程を大まかに決めていきつつ、まずは下見に行くことに。4日程に分かれてLab-Caféへ。展示場所を目で確かめたり、バー営業時の雰囲気を感じ取ったりして、展示のイメージを膨らませていきます。
8月前半 案出し
展示の案をひたすら出す作業。イメージする文字や画像を各々貼っていきます。
8月後半~作業
展示全体の配置などを担当する「空間デザイン班」とLab-Cafeのバーとのコラボ作品を担当する「バー班」の2チームに分かれて作業を進めていきました。
①空間デザイン班
作品の配置や空間設計を考えます。
ウェブサイト上での展示との大きな違いは、一つひとつの作品が集まって一つの空間になること。作品の特徴に合わせて展示方法を工夫することができるのもリアル展示ならでは。それぞれの作品を際立たせつつ、空間全体の調和や、俯瞰して見たときの見栄えにもこだわることができます。
例えばこちらは大テーブル周りの展示。
ウェブサイト上では平面的な画像だった作品を立体的に。木片とウッドボードで作った台座がテーブルと馴染み調和の取れた空間に。
紙を折ったり切ったりすることで一つの小説になる「紙に触れる」の作品は、実際に手に取ったり作品が出来上がる工程を見たりすることができるように展示しました。
②バー班
Lab-Cafeに制作していただいたコラボドリンクの装飾やメニュー、マスクケース、伝票として使われるトランプを作成しました。
9/12~25 「紙festa.」展示本番!
「紙Festa.」はWebページ、LabCafeでの展示ともにたくさんの方に見ていただきました。これからもdp9の活動の応援よろしくお願いします。
文:サンサン,うい(東大, 2020入部)
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