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designing plus nine2019年度新歓ビラのデザインの話

こんにちは!designing plus nineのKeiです。絶賛進行中のdp9 Advent Calendar、12日目は僕から今年度の新歓ビラの話をしようと思います。

dp9の新歓ビラの宿命

すでに入学された皆さんはご存知だと思いますが、藝大の新入生は合格発表時に合格袋を受け取り、その中にサークルの新歓ビラが入っています。また、東大の新入生はテント列を回る前に全てのサークルのビラが詰まった「ビラ袋」を受け取ることになります。

なので、これはサークルの数が多い東大で特に顕著になりますが、新歓ビラというものは常に他の団体の新歓ビラと比較されることになるのです。

designing plus nineという団体はデザインサークルです。僕の知っている範囲ではDTP(紙媒体をソフトウェアでデザインすることです)やWebデザイン専門にしているサークルというのは両学でうちだけですし、他にあったとしても知名度・実力ではトップだと自負しています。

別にそれでドヤ顔をしたいのではなく、そのように自負している以上dp9の新歓ビラは他のどの団体のものにもクオリティで劣ってはならないのです。(dp9が他団体の新歓ビラをデザインすることもあるのでそれは同レベルになってもいいのですが、とにかく劣ってはならないのです。)

ということでdp9の新歓ビラはそのような宿命を背負っているのでとにかく本腰をすえてデザインします。今回の僕のように上級生メンバーが取り組むことが多いです。

今年度のビラでやりたかったこと

さて、このような前提が毎年存在するのですが、僕が今年の新歓ビラでやりたかったことは以下の3つです。

- トレンドを適切にグラフィックに取り入れる。
- これまでにない手法を取り入れる。
- 団体内部の雰囲気がこれまでのビラではわかりづらいという課題があったので、それを解決する​。

この要素を順番に見ていきましょう。

トレンドを適切にグラフィックに取り入れる

グラフィックデザインで世界のトレンドを生み出し続けている企業の一つがみんな大好きAppleです。特にiPhoneの新モデルの画面に採用させるグラフィックはトレンドを如実に反映してると考えており、いや仮にそうでなくても莫大なマーケティング費用で世界中に掲載されればそれはトレンドになるのですが、僕はその要素を取り入れたいと考えました。

スクリーンショット 2019-12-12 22.12.57

Apple公式サイトより

この画像はiPhone XSとiPhone Xですが、iPhone Xの時点ではよくある抽象的な流体っぽいグラフィックだったものが、iPhone XSでより具体的な存在感を持った流体としてあらわれています。

これはもちろん目的としてはディスプレイの高解像度をアピールするためのものであるでしょうし、無思考にDTPに取り入れることは危ういということは理解しつつも、我々はデジタルツールを用いたデザインを主とするサークルであり、その点をきちんと伝えるためにもこのきめ細かな流体のグラフィックを取り入れることは十分にアリだと考えました。

取り入れたトレンドはもう一つあります。色見本大手のPANTONEが毎年発表している "THE PANTONE COLOR OF THE YEAR" というものがあります。要は「今年のトレンドの色はこれだ!」というものですね。

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PANTONE公式サイトより

2019年の色は Living Coral 、つまり上の画像のような生き生きとしたサンゴの色でした。別に僕は毎年このPANTONEの選んだ色を使いたいわけじゃないのですが、この色は非常に雰囲気が明るく新歓というイベントにもマッチしそうだったので使用することにしました。

これまでにない手法を取り入れる

正直新歓ビラって毎年要求・要件は同じです。クオリティが下がるくらいなら過去のものを使いまわしたっていいです。しかしやはり作るとなると新しい挑戦を諦められないのが我々クリエイターの性。これまでにない手法を取り入れようと思って考え始めました。

色々選択肢はあったのですがその議論はここでは省いて、結果的にポーリングという技法で流体のグラフィックを作ることにしました。

この動画がわかりやすいですが、端的に説明すると複数の流体を混ぜ合わせてキャンバスの上に流し模様を作るというものです。

東急ハンズでliving coralに近い色と、その他相性が良さそうな色の絵の具を買い込み、チャレンジしてみました!

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すみませんちゃんと写真撮ってなかったので別の回の写真なんですがコップをあげるとこんな感じに絵の具が広がります。

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これが固まると...

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...

...

...汚い......

難しいですね。諦めずになんどもチャレンジします。

最終的にこんな感じでできました!この画像は完成し乾燥させたものをスキャナーでスキャンしLightroomで色味を調整したものになります。珊瑚色と右の方の水色、そしてベースのベージュ色が砂浜を思わせる色合いで美しいですね。

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こんな感じで「トレンドを取り入れる」「これまでにない手法にチャレンジ」のふたつが達成できました。やったね。

団体内部の雰囲気がこれまでのビラではわかりづらいという課題があったので、それを解決する​。

デザインというものは課題解決です。見た目だけオシャレでも中身が伝わりにくいものになっていたらそれはデザインではありませんよね。

これまでのdp9の新歓ビラは、変形用紙を使用して小さいけど分厚い紙にシンプルにまとめるものが多かったです。実際どのような形がいいのかはわかりませんが、僕の中には「サークルの雰囲気が伝わらないのでは?」という課題の認識があり今回はそれを打破できないかと内容を追加することにしました。

採用した手法としてはシンプルで、「メンバーの紹介を載せる」というものです。人は城、人は石垣、人は堀です。サークルを何より端的に表現するのはその中にいる人なのだと考えました。

実際、dp9の何よりの強みはデザインを軸にして多様な人間が集まっていることなのです。それを一部でもいいから新入生に感じてもらいたいなと思いました。

さて、メンバーを載せるわけですがもちろん一切妥協は無しの新歓ビラ。カメラマンまるそうにバッチリ写真を撮ってもらいました。

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僕です

完成品

さて、長々と書きすぎた気もするので完成品を載せてこの記事を〆たいと思います。個人情報そこそこ多めなのでモザイクかけますゴメンナサイ。

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アセット 1

どうでしょう?なかなかいい感じじゃないですか?

ちなみに、藝大のビラは納期が早かったので中のメンバー紹介はないです。。すみません。

以上、dp9の新歓ビラはこんな熱意でデザインされてるよ!という話でした。おしまい。

おまけ

このビラ、二つ折りにしたらA4以下に収まるサイズなので問題ないと思ってたんですが、実はビラ袋に入れるのはA4ぴったりでないといけない決まりだというのがビラ詰直前に発覚しこのように急遽別verを作ることになりました。。。

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やべえやべえどうしようレイアウト組み直してるような時間ないよってなってる時に、このようにするアイデアを10分くらいで思いついた自分を褒めてあげたいです。

ちなみに二つ折りビラは説明会で配布したのでちゃんと活躍しましたよ。

本当におしまい。

文:Kei(東大, 2015入部)

designing plus nine / 公式Web: http://designingplusnine.com / Twitter: https://twitter.com/dp9_official / お仕事のご依頼や入部希望は公式WebもしくはTwitterよりお願いします。

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