【耳は独身】【青山10】 夏の夜限りのマジックで
君を思い出す夜
身を焦がす夏の夜に
君だけをいっぱいにした夜
明日にはお別れ
また続くといいなと、
思う事はあっても
言う事はない二人
指先がずっとくすぐったい。
いつも、孤独だとは限らない。
たまには二人になる事もあるけど、
結局、僕はまたいつも一人。
それがずっと自然な二人だから
それを知るから
君と身を任す今が
全ての答え。
朝が来る前に
二人は別れの歌通り
それぞれの家路とつく
君は別の誰かが待つ家に続く道をゆく
種明かしがなされる前に。
僕は一人、
朝焼けに聞くデュポンの音と、
煙草の湿気った煙で
昨日を隠した。
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