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芸術とは、世界と自分の間の生じた不和の吐露である。

どの芸術家も、小説家や戯曲家も、世界との違和感に苦しんだ結果を、芸術に昇華するのだ。

誰かに共感してもらうために。自分の生きた証としての爪痕を世界に残すために。


私がそれを知ったのは、ある演劇を見たときからだった。


その演劇から、私が何かを読み取れたわけではなかった。

しかし、その演劇が、何かを訴えていることだけは分かった。


私は、その芸術家が、「私はこの世界から切り離されている」という孤独を感じているのではないかと思った。

自分の理想があって、世界はその理想は似ても似つかない姿で。
自分の理想や自分自身が世界に”わかられない”という感覚。

伝わらないと分かっていながら、それでも発し続けるのだろう。

三島由紀夫は述べた。

作る者と作られる者との乖離に、芸術家の孤独と倒錯した矜持を発見したときに、近代が始まったのではなかろうか。

三島由紀夫「果てし得ていない約束ー私の中の二十五年間」

自分の中にある強烈な矛盾。世界と自分の間にある不和や違和。
絶対に、世界と同じにはなれないという孤独。

孤独だけじゃなくて、そこには理想や、プライドが存在するのかもしれない。

自分の理想を、世界がわかってくれない。そして自分すらも、その理想を実現できないという矛盾が、自分を苦しめるのだ。


ともかく、私は芸術がしたい。


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