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思い出の品、一気捨て

姉貴が一人暮らしをギブアップして実家に帰ってくるらしく、たまたま帰省していた時に母親から「勉強机とかもう捨てるから、暇だったら片づけといて」と言ってゴミ袋と段ボールを押し付けてきた。
姉貴のだった部屋にはエアコンがない。そこで、もともと兄貴と俺の共同部屋だった所を片付けて、そこを姉貴の新しく暮らす部屋にしようという魂胆らしい。確かにその部屋には俺が高2の時親に頼み込んで設置してもらったエアコンがあるが、わざわざ姉貴の為に俺がこれから労力を割くのが非常にうざったい。ま、勉強机などずっと取っておく物でもないし、いつかは棄てる物なのでそれが早まっただけだと好意的に解釈しよう。やれやれ。

部屋に行くと、兄貴の学習机はもうなかった。他県に住んでいるあいつはわざわざそのために帰るのが怠いようで、親に卒アル以外全部捨てさせたらしい。あいつの机の中にはAVとオナホがいくつかあったはずだが、それも母親が捨てたのだと思うとなんだか胸が痛くなった。どっちも嫌だろ、それ。

そういうわけで、慣れ親しんだ子供部屋の片付けに取り掛かった。自分の思い出の品を次々ゴミ袋に突っ込んでいく作業は思ったより嫌な気持ちではなく、ただ面倒なだけだった。なんとなく捨てられなかったごちうさのフィギュアとか、中学ん時のプリクラとかも意外と躊躇なく捨てられた。ジャンボリーのとき情熱を注いで集めまくったボーイスカウトのチーフリングとか、映画でもらった妖怪メダルとかはなんとなく取っておこうかとも思ったが、一階から段ボールを持ってくる作業が面倒すぎてやめた。こんなものあったところで、精々親の遺品整理の時に今と同じ気持ちになるだけさ。

机の下のラノベを読んだり、ハイパーヨーヨーをくるくる回したりと、テスト前と同じ集中の切らし方をしていると、涼宮ハルヒシリーズがさっぱり無くなっていることに気づいた。取っておきたい物のひとつであったのだが、そういえば兄貴の机の上に置きっぱだった。ゴミ兄貴さあ、こういう作業を他人に任すなよマジで。俺も嫌な気持ちになっちゃったじゃんか。


思い出の品の断捨離をするということで、noteに書いたらエモくなると思ってスマホをポチり始めたが、なんか感情がそんなに揺さぶられないまま終わってしまった。このままじゃあんまりなのでこいつらの供養の意味も込めて、気になったゴミを箇条書きしておこう。いつか見返した時に懐かしい気持ちになれよ。


・昔USJで買ってもらったジュラシックパークデザインの、やわいボールにゴムがついてて、ぶん投げても帰ってくるやつ。ほとんど遊んだことなかったが、今やるとバカおもろい。でも捨てた。

・500円硬貨を入れる人生貯金箱。兄貴に中身抜き取られる程の安心セキュリティ。

・塾のテキストと受験生がんばれ鉛筆。受験勉強なんて全くやってなかったと思ってたけど、割と量こなしてたぞ当時の俺。

・「和〜a spirit of unity〜」と書かれた薄ピンクのゴムバンド。どーだ、あの夏が蘇るだろ。

・火起こしする時に摩擦させて使用する、先っぽの焦げた弾丸みたいな木。ガチのゴミなのになんか2つもあった。

・ココアちゃんパジャマタペストリー。中学ん時、一回抜いたことがあった筈。

・机の横に飾ってあった太秦の提灯。落ちないように針金で巻いてあり、当時の俺のインテリアへの拘りが見てとれた。

・村上に貰ったピンクの豚のクリップ。中坊の時名札によくつけていた気がする。

・中1のクリスマス、告白する時一緒にプレゼントとしてあげようとしていたネックレス。結局成しえなかったけど、今見たらクソダサかったから逆によかったよ。たぶん。

・小6の入院時、マルモト兄弟と太陽から貰った色紙。スギちゃんの写真が貼ってあって時代を感じた。

・RGシャアザクとSDの Hiν、それとエアブラシやら塗料やらのプラモセット。母親が掃除機を乱暴に扱うせいでそれらが飾ってあった棚を揺らしてしまい、多くのガンプラが倒れてぶっ壊れたのを思い出した。その生き残り。

・その大学に何をしに行きたいか、将来何になりたいかなどを書かされた高2の時のプリント。「このようなことを考えた所で入試の点数は上がらない。」と記述されており、死ぬほどキモかった。


まあ、ゴミだわな。

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