見出し画像

マハーバーラタⅡ

カルキ 2898-ADを観る。
開始5秒で「あ、これ細かいこと気にしてると置いてかれるやつだ」とわかったので思考を停止し、絵を楽しむことに専念した。
監督がまだ若くて経験が浅いのと、インド映画界においてこんなSF映画の製作自体が初めてということで、拙さや手つきのおぼつかなさも目につく。
特にVFXに関してはかなり改善の余地がありそうだ(それでもノーラン映画御用達のDNEGが関わっていることもあってか安っぽさは感じなかった)。
また、SF作品なのでほとんどの撮影がスタジオ内でのグリーンバックに頼らざるを得ないためか、画もかなり狭い。
だがそれを補ってあまりある面白さと楽しさがある。
特に俺が面白いと思ったのは神話の続編的要素で、言うなれば旧約と新約に続く「聖書Ⅱ」を作ってしまったということだ。
神話の二次創作なんざくさるほどあるが、それでもこれほどの大作映画で「神話時代に不死の呪いにかけられた戦士」が未来の暗黒世界で暴れまわる光景を見せてくれただけでもありがたいと思うのであった。
拝む。

2部作ということなので主人公の覚醒イベントは今作1部の終盤なのだが、そのせいかぐうたら系主人公の人非人な部分ばかり見せられるのも面白い。
こんな奴が主人公でいいのかと思うが、逆にここまで振り切れたクズも珍しいのでそれはそれでいいのやもしれぬ。戦い方も力押し一辺倒ではなく、意外と趣向を凝らしてくるジョセフ・ジョースタータイプなので楽しい(その分アシュヴァッターマンおじいちゃんが暴れ回るのだが)。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集