音符がつなぐ未来
小学6年生のリオは、ピアノを弾くのが大好きでした。家には少し古いピアノがあり、リオは学校から帰ると毎日その前に座って弾いていました。最初は教科書に載っている曲を練習するだけでしたが、次第にリオは自分でメロディーを作る楽しさに気づきました。
「リオ、すごいわね!自分で作った曲なんて!」
お母さんが褒めてくれるたびに、リオは胸が弾みました。
でも、そんなある日、学校の音楽の授業で先生が言いました。
「音楽家になるのは、とても大変な道です。たくさんの努力と才能が必要です。」
その言葉に、リオの心は少し沈みました。「私みたいな子が、本当に音楽家になれるのかな……?」
その夜、リオは不思議な夢を見ました。
夢の中で、リオは巨大な楽譜の上に立っていました。そこには無数の音符が並んでいて、その間を飛び跳ねる小さな妖精がいました。
「こんにちは、リオ。私は音符の妖精、メロディアよ。」
妖精は、音符の杖を振りながら話しかけてきました。
「メロディア……?ここはどこ?」
リオが尋ねると、メロディアはにっこり笑って答えました。
「ここは、君の音楽の未来がつながる場所。君の気持ち次第で、この楽譜がどんな曲になるかが決まるの。」
リオは楽譜を見回しましたが、まだ完成している部分はほとんどありませんでした。
「これが私の未来の音楽なの?」
少し不安になりながら尋ねると、メロディアはうなずきました。
「そうよ。でも、大丈夫。音楽は一瞬で完成するものじゃない。君が感じたこと、見たこと、経験したこと。それを一つひとつ音符にしていけばいいの。」