発言に責任を持ちたい
先日の私は、彼との電話の中で「好きは理由にならない」と言ったらしい。後日その説明を求められて、ちょっと困った。なんとも無責任な発言である。なんでそんなこと言ってたんだっけ?
おそらく(あくまで今の私の予想だけれど)、彼に「好き」という感情を押し付けたくなかったのだろうなと思う。彼とやりとりをするたびに好きだなぁと何度も思っている。でもそれは感想であって、ひとつひとつの行動にはちゃんと別の理由が存在している。
例えば彼と会う約束をするのは、その時間が楽しくなると思えるからであって、好きだからではない。好きだから、で全てが肯定されているようなニュアンスを受け取ってほしくない。今、彼を好きなのは本当のことだけれど、彼を好きでいることは未来に約束されるものではないし、それを彼に対しても自分に対しても課してはいけない。あくまで独りよがりな感想。
発言に責任を持ちたいというのは、彼に好きだと言ったことについても同じである。好きだと言ったけれど、好きだからどうしたいという願望があるわけではない。あわよくば彼と共に時間を過ごしたいけれど、自分が彼を好きだからそうしたい、というほど「好き」にすべてを背負わせることはできない。好きだと言ったのはあくまで感想であって、これから先の行動への理由ではないのだよ、と言いたい。
自分の中で「好き」は勝手に発生する前後関係の曖昧なものである。彼に「好き」を押し付けたくないと書いたが、もしかしたら「好き」という一方的で脈絡のない感情を許されたい、という方が正しいかもしれない。