採用カード解説(カスクラ)
対面でお会いした方含めて、使用したカスクラについていくつか質問をいただいたので、採用カードの解説として記載します。
長く使っているのですが、いまだにわからないことはたくさんあるため、個人の意見としてこんなのもあるんだな程度にお考えください。
カスクラは難しいギミックはないので、扱いやすいデッキだと思います。
興味がある方は是非使ってみてください。
ガチャガチャしたりはしないので、モダンを長くやってるモダキチ的には、あまり面白くないらしいですが、モダンを始めたての人には受けと攻めの両方が実感しやすいデッキだと思います。
見出しのカード名の後ろには一般的な呼び方も書いておきます。正しい発音かはわかりません。何かいい呼び方があれば教えてください。
断片無き工作員(工作員、シャードレス)
暴力的な突発(突発、アウトバースト)
衝撃の足音(サイ、クラッシュ)
デッキの根幹。
続唱の誘発により、衝撃の足音を踏み倒す。
エムラクールのようなエルドラージスペル同様に、続唱の方が先に解決されてサイが出て、その後に続唱を誘発させたスペルが解決されます。
火/氷(ファイア、アイス、FaI)
固定枠。
火/氷は火力として柔軟に使えるが、序盤に相手の土地を寝かせることで、nターン目にnマナのアクションをできなくさせたり、返しの自分のターンで続唱スペルを唱えた時に、ピッチではない打ち消ししづらくさせられます。
後半でも相手のアタッカーブロッカーを寝かせながらドローすることもできる燻銀です。
ラガバン、オークとトークン、ダウスィーの虚空歩きなど火力の使い道も沢山あり、序盤を凌げる良いカードです。
否定の力(ネゲーション、FoN)
固定枠。
相手のターン限定でのピッチスペルとはいえ、続唱の返しの除去、PWなどの打たれて困るスペルを弾けます。また相手のターンに暴力的な突発を唱えることで、相手が打ち消し呪文を持っていてもピッチモードで弾くことが可能です。
手札の消費は激しいですが、8点か10点分のクロックがあれば、2-3ターンで勝つことができますので、手札を消費することに躊躇しないようにしましょう。
他のパッチスペルにおいてもそうですが、どの青いカードを切るかは相手のデッキによって変わってきますので、人のデッキを知ることも大切です。
ロリアンの発見(発見)
最近できた固定枠。
序盤は土地詰まり(スクリュー)を抑えることができ、後半はドローにより手札の補充ができます。
基本島サイクリングではなく、島サイクリングなので、トライオームやショックランドも手札に加えられるのがポイントです。
また発見の登場以前は、自分で血染めの月を置く場合に事前にフェッチランドから基本土地を置く、都合よく手札に基本土地が来ている必要がありました。これのサイクリングコストは無色のため、トライオームやショックランドしか盤面にない時でも後から島を手元に持ち込むことができ、こちらに基本土地が多く並んでいるから血染めの月が置かれそうかも?というところを誤魔化せたらことがあります。
1tトライオーム、2t島か森と置いて相手の土地に氷を打ち込むのは、相手から月をケアされがちです。
リビングエンドとの対戦において、発見はかなり弱く感じるため、肉である森サイクリングでもいいかも?と思っています。誰か試して欲しいです。
死亡/退場(死亡、デッゴー)
続唱による踏み倒しというデッキのコンセプトから1-2マナの除去が取れないため、火/氷と共に取られている除去カード。
URコントロールやデスシャドウなどのラガバン、ハンマータイムの石鍛冶など2点で除去したいカードは沢山あるため腐りにくい。
2点で除去できない濁浪の執政などのカードには、3マナでバウンスのモードが刺さりやすい。
砕骨の巨人などを採用しているため私は減量しているが、一般的には3-4枚です。
神秘の論争
自由枠。
天敵のテフェリー、各種青い打ち消しやカスクラで止めにくい各種青い飛行に刺さる。
テフェリー自体が、サイドボードによく見かけるようになった徴用のおかげで使いにくくなり、メインから対策する必要がなくなってきたが、サイドボードの枠もあまり無いため、メインに1枚だけ採用。
たまにサイドにも欲しくなるので、環境によって枚数が変わってくるカードです。
覆滅/複製
自由枠。
覆滅はもみ消し、複製はトークン版のクローンもどき(自分のクリーチャーしかコピーできない)
覆滅が強い。
フェッチランド、廃墟の地の起動。
PW、爆薬の起動。
続唱の誘発。
待機後のキャスト時の誘発。
孤独などのCIPや力線の束縛の着地誘発。
虚空の杯の誘発。
自分が想起でキャストした生物の、想起の誘発。(墓地に落ちる誘発と場に出たときに何かする能力は別々の誘発)
消せるものは沢山あり、これが採用されているだけで2マナ揃っている時に相手がフェッチを切らないこともあり、かなり鬱陶しいカード、だと思う。
複製は除去合わせられると2:1交換と弱いため使うことはほぼありません。
カスクラではなく、複製のもみ消しを使いたいデッキならば、マナ拘束の緩い物語の終わりを使いましょう。
私が助言しました。
アノールの焔(アノール)
自由枠。
昔はプリズマリの命令だった枠。
プリコマのように2つのモードを選ぶには変わり谷を起動してウィザードをコントロールしている必要があるが、メインからアーティファクトを割れて、シェアルドレッドを倒せて、ドローにも回せるナイスカード。
プリコマは2ドロー2ディスカードのルーティングでしたが、手札が増える点で大魔導士の魔除け(あってるか?)に高いものがあり、マナ拘束が緩い点が良いです。
厚かましい借り手(借り手)
自由枠?
バウンスのモードが強いカード。
出来事カードは1粒で2度美味しく、相手のエンドステップに虚空の杯をバウンス、こちらのターンに続唱、打点が足りなければ借り手のクロックを追加とでき、大変使い勝手が良い。
オークの弓使いの影響で減量しているが、オークの弓使い自体はカスクラに刺さらずサイドアウトされがちなので、複数枚入れても良いかも。
緻密
自由枠。
テフェリーやシェオルドレッドなど、3ターン目に続唱でサイを出しても、これらのカードで台無しになるカードの着地をずらせます。
ピッチのモードで唱えて、相手にテンポをロスさせて、返しに8-10点入るのが良い形。
緻密の効果でトップに戻されたなら、引かれた後に唱えられてしまいますが、PWならFoNで打ち消す、クリーチャーなら更にバウンスで退けるなどのプランも取れます。
相手が緻密の効果でトップに置くか、ボトムに置くかで、相手がそのカードは今強いのか弱いのか、欲しいのかどうかを教えてくれるので、こちらがその後に取る行動が最適化されやすい。
打ち消しではないから、返しのターンでドローして唱え直しができることはデメリットですが、青なのに相手のハンドが少しだけ透けるのはメリットでもあります。
濁浪の執政(濁浪、マークタイド)
自由枠。
神秘の論争がメインに取られるようになった頃、サイとは別のフィニッシャーとして採用されるようになりました。
カスクラ自体がフェッチを多用し、火/氷でテンポをずらし、サイを続唱経由でキャストいう流れで墓地は溜まりやすく、神秘の論争を採用することでインスタントの枚数も増えて、カウンターがたくさん乗った状態でもキャストしやすくなりました。
サイ本体はFoNで対応できますが、濁浪も同時にいなせるカードは少なく、チャリスや爆薬の透けるマッチアップでも大きな濁浪がダメージレースを制してくれることがままあります。
飛行のデカブツはいつの時代でも強い傾向にはあるため、1-2枚が最適です。
サイド後に入れる忍耐を使うと、墓地にあるサイを山札に戻した時にだからあのインクのシミが誘発して、大きくなることも覚えておきましょう。
砕骨の巨人(砕骨、ボンクラ)
自由枠。
一昔前のカスクラでは、砕骨と借り手が4枚ずつ入ったサイ以外のアグロ戦術も強い形でしたが、独創力などの台頭により踏みつけも砕骨も微妙な立ち位置になってしまい、不採用となっていました。
指輪物語からやってきた一つの指輪の身を守る誘発型能力が強く、それに対する回答として採用され直しています。
工作員→指輪をFoNできない→次のターンに自分に踏みつけでダメージが軽減されなくなり、10点通ります。
同様の軽減を無効化するカードとして、探索する獣(クエビー)も試しましたが、カスクラ自体は4ターン目の4マナは担保されているデッキではなく、土地をフルタップで指輪を置いて"くれた"ターンの返しに4マナ揃っていないことで、3ターン目に出した10点をぶち込むことができなくなって負ける、ということが起こりやすいため、砕骨の採用にしています。
孤独や緻密がある場合は、探索する獣が除去されて1点も入らないのも問題点です。
相手にFoNがあるならば、踏みつけも通らないのですけれども…
火力としては及第点なので、1-2枚の採用が無難です。
徴用(徴用、コマンディなんとか)
忍耐(忍耐、エンデュランス)
自由枠。
プレミアム予選では黒単、トロン、コントロール、ミラーの指輪、テフェリー、サイを見越して徴用。
一般的な大会では汎用性から忍耐を入れています。忍耐はただ強いです。
自由枠という名の、環境の中にいるメタった方がいいデッキをメタるカードを好きに入れてくださいね枠なので、使いたいものを入れましょう。
ティシャーナの潮縛りとかも今後入れていきたい枠です。
宝石の洞窟
後手で先に土地を置けちゃうカード。
バーンなどの不利対面もこれがあればひっくり返せたりします。
相手より1つ多く土地を置けるのに初手のドローもある。マリガンしてまで探さないといけないデッキは少ないですが、2-3枚あると割と置けます。
伝説の土地なので重ねて貼れないこと、ロリアンの発見のために土地が5枚並ぶ必要があるため、現在はメインかサイドに1枚程度が主流です。
サイドに枠があるならもう1枚取るのもいいかもしれない、というご意見もいただいています。
変わり谷(谷、ヴォルト)
アノールの焔のウィザードカウント用、かつ全除去後のアタック要因。
アノールはウィザードをコントロールしている状態でキャストすると2つのモードを選べます。
これはキャストした時にコントロールさえしていればよく、呪文の解決時にはコントロールしているかをみないため、ウィザードをデッキに入れたくなります。
しかし妥当なウィザードがイクサラン実装前ではいないため、変わり谷で代用しているリストが見られます。
アノールの焔はサイド込みで2-3枚程度取られているので、変わり谷も2枚程度入っているリストがあります。
2枚の無色土地に加えて、宝石の洞窟まであるため、1枚が限界かなと思います。
2枚重ねて色マナの事故を起こしたので、変わり谷に頼らず、ウィザードのクリーチャーカードを採用したいところです。
冠雪の島、冠雪の森
サインの入った島と森がないため採用しているだけ。島と森でいいです。
基本土地に山があるとバーンなどでの失点を減らしてくれるそうですが、カスクラには山はいらないと考えているため、採用していません。
血染めの月を置いたときでも、FoNや忍耐を打てるように島と森を2枚ずつにしています。
焦熱島嶼域(青赤キャノピー)
上述の変わり谷2枚目だった枠。
たまに1ドローできて沁みる。
青緑よりは青赤のカラーリングが良さそう。
避け難い裏切り(裏切り、袖の下)
対戦相手のライブラリーからクリーチャーを奪えるカード。
サイドインするのは、相手がサイより強いクリーチャーを使っているか、相手がサイを引っこ抜いてくる場合。
サイより強いカードとは、独創力の執政官、想起の激情と悲嘆、アミュレットの原始のタイタン、クラガンシュートのエムラクールなど。
相手のクリーチャーを除去できるカードが強いです。
サイを引っこ抜いてくるのは、ヨーグモスコードの屍呆症、黒単やトロンの石の脳など。
サイが抜かれても相手のクリーチャーでなんとかすることができたりします。
徴用
テフェリーや一つの指輪、4マナのカーンを奪えるカード。
テフェリーを使う相手は打ち消しを採用していることが多々あり、徴用で奪われると大変なことになります。
徴用が採用されていることで、テフェリーの枚数は減ってきています。
それと同様にきついカードである一つの指輪や4マナのカーンを奪うことができます。
一つの指輪を奪った場合、アップキープに誘発するスリップダメージに気をつけましょう。自分で指輪をなんとかする手段はデッキにないはずです。また、指輪を始めとした置物の場合、その後にテフェリーで奪い返されることにも気をつけましょう。
FoN同様に、序盤にピッチでキャストする場合は工作員をコストに当てるよりも他のカードを優先して切りたいところですが、4カーンを奪う場合はその後にコストで追放した工作員をカーンのマイナスで回収できます。濁浪で追放した場合も同様です。
4カーンは奪っても自分では使い道が少ないと考えられますので、小テクで少しでも美味しく使い倒しましょう。
激情(激情、フューリー)
黒赤想起やハンマータイムを始めとしたアグロ対策として採用しています。
砕骨の巨人同様に以前はメインボードに2-4枚使われていましたが、今はサイドボードに眠っていることが多いです。
黒曜石の焦がし口(焦がし口、チャーマウ)
トロン許さないドラゴン。
緑や青のトロン、土地コンボデッキに有用です。
相手が先手の場合は3ターン目に7マナ出される可能性がありますが、こちらが先手なら3ターン目に土地を割れる可能性があり、割れないなら相手のテンポが良くないため、そのまま4/4飛行で締め上げられます。
3枚は過剰なので1-2枚程度で良いでしょう。
血染めの月(月、ブラッドムーン)
焦がし口同様に土地を咎めるカード。
土地コンボデッキだけでなく、オムナスデッキのような多色土地を多用するデッキにも効きます。
最近では母聖樹や力線の束縛で退かされやすいですが、覆滅やFoNで守りましょう。
こちらのデッキも3色なので、想起デッキなどに土地を咎められないように気をつけることも重要です。
活性の力(活性、FoV)
置物破壊の定番。
チャリス、虚空の鏡、罠の橋、ウルザの物語、FoNによる打ち消しを嫌がってサイが出る前に出した爆薬などを割ります。
サイが出た後も、力線の束縛による追放の誘発時に力線を割ることでサイを場に残すことができます。
チャリスだけのために入れるならアノールの焔でいいでしょう。
4枚固定が主だったカスクラの構築も、新しいカードへの対応によりカードを散らして採用することが目立ってきました。
サイドボードにおいては、3色のメリットを活かしたカードの採用が可能です。
対面して辛いと感じたデッキに刺さるカードを採用してみて、他のデッキへの有用性を含めて枚数を決めていきましょう。
月のように信頼性が揺らいでしまうカードも多いので、いろいろな構築を試してみることが大事かと思います。
私見ではありますが、疑問点はぶつけていただければ回答しますので、Twitter…Xなどでお声がけください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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