常に曇天
小学校夏休みの日記宿題、天気を書く欄があって、そこはいつも「晴れ」と書いた。
なんのことは無い。何日か貯めて書くから、後で思い出そうとすると、よほどの大雨以外は記憶では晴れなんだ。
曇ってても、ちょっと小雨の降る時間があっても、
でも思い返してみると晴れ。
そんな幼少期を、送った。
それから30年。
この30年間はずっと曇天だ。
大雨が降ったことも多くあるのに、ショック過ぎて詳しく思い出せない。
ずっと晴れを祈って生きてきた。晴れが来ると信じてた。
とにかく男運が悪かった。
男運と言うと、運に押し付けてる感じが嫌だけど。
何せ変な男に好かれた。
来るもの拒まずの性格が災いして、好いてくれる人を好きになった。
どんな人も都合よく私を扱った。
一度も、大事にされてると思った記憶が無い。
もしかしたら、「大切にされる」の定義が贅沢なのかも知れないけど。
相手の、私が悲しむように、泣くようにと心を込めて紡ぎ出された言葉が、心をエグって壊していく。
一体、私は何をしたのだろう。
こんなにされるまでのことをしてきたのだろうか。
浮気され、連れ子を蹴られ。必死に守れば彼は彼をも傷つけた。
さっさと別れれば良かったし、一度距離を置いた時に戻らなければ良かったのに。
それも後の祭りとなり、今度は両親を傷つけられる。
いったい、どんな前世を送ったらこんな仕打ちを受けるんだろう。
もしかして、今死ねば、現世で詰んだ得で来世はまともに生きられるかもしれないね。
親に
「もう辞めよう。お母さんもすごく辛い」
と言われた私の心が壊れる音が聞こえてくる。
いったい、どんな子供として生きれば、親をこんなにも傷つける事が出来るんだろう。どう生きていけば平気になれるんだろう。
どうしてあの人は平気なんだろう。
床の上に寝そべった。
もう起きたくない。
このまま地面に埋もれてしまえばいいのに。
ずっと、ずっと、このまま死んでいきたい。
そう思った。