【動画台本あり】『向上心とは?』というガチ解説動画を作っているVtuberの導師真ショウ(どうしましょう)です
お久しぶりです、
導師真ショウです
やっと
台本の下書きが終わりました!
(PS.修正も終わったので更新しました)
今回も前回に引き続き
クソでかテーマだったので
どうなるかと思いましたが
ドロドロに濃いものになってると思います
自分の中で「向上心」というモノについて
すごく整理が出来たので、
いい動画に仕上げられたらと思います
(これだけ長尺だと編集がヤバいよね…)
自分の文章力では
うまく伝えきれていない部分があるかもですが
きっと読み上げの時には
気付いて修正されているでしょう!
頑張って、あしたのじぶん!
PSPS
完成!結局まる一か月かかった…
まあ良いモノ出来たしいいか
以下台本です
(下書き16850字→修正後18800字)
はいはじまりました~
モチベーション解説動画シリーズ「モチベの祠」
今回のテーマは「向上心」です
この「向上心」という言葉は
一般的にも広く使われる言葉かと思います
「もっと上達したい、もっと良くなりたい、もっと成長したい」
そういったイメージを含む言葉である「向上心」ですが
実際のところ
何となく使われている言葉というか
あまり理解が進んでいないテーマだと感じます
かくいう私も
今回の動画を作るにあたって
「向上心」について色々と理論や考えを整理しました
なお、
一般的に知られている言葉として
「向上心」という言葉をタイトルに持ってきましたが
実際に取り扱う概念は
モチベーション理論における
「マスタリー動機」と呼ばれるモノが中心になります
「マスタリー動機」
あまり聞き慣れない言葉だと思いますが
意味合いとしては
「人間の持つ、上達や習熟への動機」です
他の表現をするなら
「もっと良くなりたい、というモチベーション」
というのが分かりやすいですかね?
人はそういった
習得や上達に対して
自然とモチベーションが沸いてくる生き物です
なので
この「マスタリー動機」を理解することが出来れば
自分のモチベーションを上げるのはもちろん
チームメンバーや部下など
周囲の人たちのモチベーション向上に
活用することが出来るかもしれません
この動画では
そんな「向上心/マスタリー動機」に焦点を当てて
「そもそも人はなぜ上達したいと思うのか??」
「向上心の阻害要因は何か」
「向上心を発揮するには一体どうしたらいいのか」
これらの内容について、
順を追って詳しく説明していきます。
(アイキャッチ)
まずは
「マスタリー動機」の
言語的な意味を確認しましょう
まず
「マスタリー(Mastery)」は
英語で「熟達」や「習得」を意味する言葉です。
同じような意味の「マスター」の方が馴染みがありますね
今回のテーマにおいては
「マスターする」という表現も分かりやすいでしょう。
英語をマスターしたとか、
難しい技をマスターした、という風に
一般的にも使われる表現ですね
「マスター」は
習熟や習得に加えて、
先生や師匠などを差す言葉でもあり、
アニメやゲームなどでも、
上達者/熟達者に対して
「○○マスター」とか「マスターランク」というように
称号がつくこともありますね。
「習得」や「習熟」
これが「マスタリー」という言葉のイメージです
それから「動機」
動機、という言葉も解釈が色々あるのですが
「モチベーション」と言い換えるのが分かりやすいでしょう。
そうすると、
「マスタリー動機」という言葉の言語的な意味は
「上達や習得に対するモチベーション」と定義できそうですね。
そして、
この「マスタリー動機」は、
われわれ人間が
生まれながらに持っているモチベーションです。
というのも
われわれ人間の脳内では、
達成や上達を感じた時に、
快楽や報酬に関わる物質、ドーパミンが発生するそうです。
分かりやすくいえば
「上達したら、嬉しい!」
「出来るようになったら、気持ちいい!」
という感情が生じるということですね
これは皆さんにも経験があるかもしれませんね
そういった点から、
「我々人間は、上達したい生き物だ」
「上達したいという欲求は自然なものだ」
と言えるかもしれません。
そういえば、
モチベーションにおける
基礎的な理論として
「自己決定理論」がありますね
これは
人間のモチベーションを理解するうえで基本的な理論と言われていて
その内容は3つの要素から構成されています
自律性、自分の行動を自分で決めること
有能感、自分の能力や知識を発揮すること
関係性、他者との関係を築いていくこと
これらの要素が
個人の幸せやモチベーションに大きく影響しているよ~
という理論です
そして
この自己決定理論で扱われている要素の1つである
「有能感」
これが
本動画で説明する「向上心/マスタリー動機」と
大きく重なる概念になります
モチベーションの基礎理論である「自己決定理論」
その中にも「向上心/マスタリー動機」が含まれているということですね
言いたいことは
「向上心、マスタリー動機」は
われわれ人間のモチベーションアップ
ひいては人間の幸せにとって
すごく重要な要素だよ!ということです
(アイキャッチ)
さて、
ここで1つ疑問が浮かぶかもしれません
それは
「そもそも、
なぜ人間は上達や習熟にたいして、
モチベーションが沸くのだろう?」
ということです。
他のモチベーションの源として、
食欲や睡眠、性欲などの欲求については
それらが人類に備わっている理由をイメージしやすいかもしれませんが
「上達したい、良くなりたい」という欲求については
どうして「その欲求が備わっているのか」
これが、少しイメージしにくいかもしれません
では、
一体その理由は何でしょう?
この
「なぜ人間には上達したいという欲求が備わっているのか」
については、
いくつかの理由が考えられます
まず1つは
「生存のために必要だった」という考えですね
人間が自然環境で生き抜くためには
上達することや習熟することが必要だった、という考えです
例えば
狩猟採集の時代に、
高い狩猟技術を身に着けること、習得することは
人間という種の生存に直結したかもしれません
学習能力の高さが
生存のために有利に働いた、という考え方は
「好奇心が人間に必要だったこと」と近いかもしれませんね
そうした
原始時代に生きていた人類から
いま現代社会を生きる私たちまで
上達することが重要でありつづけた
「学習の重要性」が続いてきたことによって、
そこにモチベーションを感じるようになった
という考えも出来るでしょう
もう一つの考えは
「社会的動機があるから」という考え方です
社会的動機というと
ちょっと言葉が難しいかもしれませんね
少し説明しましょう
まず
人間は長い間、社会の中で生きてきた生物です
なので
人間がそんな社会で生き抜くために
様々な喜びやモチベーションを感じるように出来ています
いくつか例を挙げてみましょう
例えば
「承認欲求」、
誰かに承認されることで、
人間は喜びを感じるように出来ています
「貢献」や「自己超越」なんかも近い感覚ですね
他者のために力を発揮する
自分以外の何かに影響を与えること
それが自分の喜びになることもあるでしょう
あるいは「帰属意識」
組織やグループに所属することで、
人間は安心感を感じる
関連するものだと「模倣」もそうでしょう
周囲の人の真似をすることで
自分はこれでいいんだという風に
帰属意識や安心感を感じることができます
ほかには
「勝利や地位」も社会的動機の一つでしょう
集団の中で抜きんでること、
誰かに勝利すること
周囲より優位な状態にいることが安心や喜びに繋がるでしょう
こんなふうに
社会の中で長らく生きてきた我々人類には
社会の中で上手く生きるために
様々な欲求が備わっています
あるいは
そうした欲求が強い人間が
長い人類の歴史を生き残ってきたのかもしれませんね
そして
この社会的動機に大きく重なる欲求が
「向上心、マスタリー動機」である
という考え方が出来るでしょう
高い技術を習得することによって、
周囲から認められる、
承認欲求が満たされる
高い技術をてにすることによって、他者に貢献することが出来る
グループでの存在意義を確立することで、
自分の居場所を確保したり、地位を確立して安心感を得る
具体的な例を挙げるとすれば
狩猟時代のマンモス狩りをイメージしてみましょう
マンモスを狩るのが上手であれば
集団へも貢献が出来る
周囲から認められる
自分は優秀だから周りから大事にしてもらえる、安心だ
というような状況があったかもしれません
現代で言えば、仕事やスポーツなどはイメージし易そうですね
こんなふうに
「より上達すること」
「より良くなること」によって
社会の中で生きやすくなる
社会の中で喜びを感じられる
それを受けて
「さらに上達することを目指す」
「もっと良くなろうと思う」
こんなふうに
社会的動機がある種の報酬になることで
マスタリー動機も高まってくという補完関係があると言えるでしょう
ともすれば
社会性動物である人間にとって
上達したい、もっと良くなりたいというマスタリー動機は
必要不可欠な欲求、
モチベーションの1つなのかもしれませんね
そんな
人間にとっても重要なモチベーションの源の1つである
「マスタリー動機」ですが
人によっては、
この「マスタリー動機」あるいは「向上心」が
上手く発揮されていない、
そういった状況にある人もいるかもしれません
中には
昔は「もっと良くなりたい」とか
「もっと上達したい」って思っていたけど
最近はそう思わなくなったという人もいるかもしれませんし
「向上心を感じる時もあれば」
「全然モチベーションが湧かないこともある」
そんな人もいるかもしれません
そんな「マスタリー動機が発揮されない状況」には
いくつかの理由があるかもしれません
ココからは
「マスタリー動機や向上心が阻害される状況について」
それから
「どうやってマスタリー動機や向上心を高めるのか」
について
さらに詳しく説明していきます
(アイキャッチ)
まずは
「向上心やマスタリー動機が阻害される状況について」
考えられる状況を整理してみましょう
思い当たる要素を4つにまとめたので
順に見ていきますね
まず1つ目に考えられる現象が
「学習性無力感」です
「学習性無気力」という言葉を聞いたことがない人もいるかもしれませんが
「学習性無気力」とは簡単に言うと
「頑張っても無駄」という感覚のことです
人間は学習能力が高く賢い生き物です
無駄なことはせず、効率よく行動をします
そして
その高い学習能力によって
「頑張っても無駄なんだ」ということを身に着ける、学習する
これが「学習性無気力」と呼ばれる現象です
この「学習性無気力」が生じる要因には
「自分では結果を変えることが出来ない」
という状況を経験したこと、
そして、それを学習したことが挙げられます
どれだけ頑張っても
「なんの変化がない」
「結果に違いがない」という状況であれば
「頑張っても無駄だな」と学習するのも仕方ないでしょう
例を挙げてイメージしてみましょう
例えばダイエット
食事制限や運動をしたけれども
全然結果が出ないとしましょう
そうすると
「なんだ、やっても無駄じゃないか」
と思って、途中でダイエットを止めてしまうかもしれません
あるいは勉強
勉強したはいいものの、全然点数が良くならない
そうすると「勉強なんてやっても無駄だ」と思ったり
「自分には勉強の才能がないんだ」と思ってしまう、
その結果、学習意欲は低下するでしょう
そして恐ろしいことに
「やっても無駄だ」という経験は積み重なっていきます
人間は賢い生き物なので
「頑張っても無駄なんだ」ということを学習していきます
努力には意味がない、
頑張ることには意味がない
そして、それを繰り返し学習した結果
人生のどんなことに対しても
「努力すること、上達すること」を避けるようになるかもしれません
これによって
「上達しよう、良くなろう」というマスタリー動機が活性化しなくなる
向上心を持てなくなる、ということですね
これが
1つ目の要素である「学習性無気力」です
そして2つ目の要素
それは「自己効力感の低下」です
自己効力感は一言で言えば
「自信」あるいは「やれそう感」です
何かの行為について
「自分にもこれは出来そうだな」とか
「これなら自信があるぞ、やれそうだ」と思う感覚
たとえ失敗しても困難に挑戦できる
過去に成功した経験があるから、
きっと今度も成功するだろう、
そういった感覚を「自己効力感」と言います
カタカナで「エフィカシー」とも呼びますね
そして
この自己効力感が低下している状態
これが
マスタリー動機が損なわれる状況に関わっているかもしれません
この「自己効力感が低下する要因」もいくつかあります
まず
自己効力感は成功を積み重ねることで高めることが出来ます
これは、逆に言えば
失敗が続くことによって自己肯定感が損なわれるということでもあります
失敗のリスクが小さかったり、失敗が怖くないうちはいいですが
周囲の期待からプレッシャーが大きくなったり
高すぎる目標によって成功体験を積み重ねられない状況だと
自己効力感や自信は損なわれていくでしょう
成功体験は「自己効力感」を高めるために非常に重要で、
それはつまり
「向上心」「もっと良くなりたい、上達したい」という
マスタリー動機にとっても重要であると言えそうですね
それから
現代社会で自信を失う原因の1つになっているのが
他者との比較ですね
SNSやネットが普及している現代社会においては
ネットにより
社会と繋がりを持ちやすくなりました
先に説明した「社会的動機」の増大にも繋がるので
モチベーションが上がることもあるかもしれません
ですが
それと同時に
「他者との比較」も容易になっています
この
「他者との比較」は
自信を失う、
自己効力感を損なう大きな要因の一つです
例えば
アナタがイラストレーターだとしましょう
そんなアナタがSNSを開いたときに
巷でウワサの若い天才絵師が目に入ったとしましょう
そして
それを自分と比較してしまうかもしれません
「ああ、こんなすごい人がいるんだ」
「それに比べて自分は全然だめだ」
「自分は失敗しているんだ」
そう思ってしまうと、
自己効力感は低下するでしょうね
同じような例で言えば
会社や部活に有能な後輩が入って来た時にも
同じことを感じるかもしれませんね
「自分よりもすごい人」が目に入り
それと自分を比較することで
「ああ、自分はダメだったんだ」
そう思ってしまう
そうして自己効力感は低下するでしょう
そして、
これは先ほどの「学習性無気力」とも重なるでしょう
先程のイラストレーターの例で言えば
自分はすごく絵の勉強をした
でも世の中にはもっとすごい人がいるんだ
そこで「ああ、これ以上頑張っても無駄なんだ」
そう思ったところから「学習性無気力」に陥ってしまうでしょう
こうしたことは
残念ながら社会の中で生きていれば
良くあることなのかもしれませんが
それゆえに
対処が必要とも言えそうですね
自己効力感は「マスタリー動機」に大きく関わる要素であり
自己効力感が損なわれるような状況では
マスタリー動機、つまり向上心も発揮されないでしょう
これが2つ目の要素、自己効力感の低下です
そして3つ目
それは「成果主義」です
少し専門的な言葉を使うとすれば
「パフォーマンス目標」も同じような概念でしょう
マスタリー動機は
「上達や成長、もっと良くなること」に焦点を当てるものですが
この「成果主義」あるいは「パフォーマンス目標」は
それとは逆の性質を持つ考え方です
内容としては
「勝利や成果などを重要視する事」
「他者と比較して優れている事をヨシとすること」
「結果を出すことが求められる状況」
こうしたことが成果主義にあたるでしょう
こういった「成果主義的な価値観」は
生まれてすぐの赤ちゃんは知りません
ですが
子供の頃から社会の中で過ごしていく内に
徐々に刷り込まれていきます
テストの結果やスポーツの勝敗
クラスメイトとの比較など
学校という社会の中でも
「成果主義的な価値観」は育まれます
ほかにも
親や先生に褒められた経験があったり
褒められている周りの子を目にすることで
「自分も頑張って、もっと褒められたい」
「そのために成果を出すんだ」
そんな風に考えるかもしれませんね
もちろん
社会の中で生きる生き物である人間にとって
成果や結果、あるいは勝利などの社会的動機は
モチベーションの源になる
そんな価値あるものかもしれません
ですが
この「成果主義」が強くなりすぎると
「もっと良くなりたい、成長したい」というマスタリー動機を
阻害してしまう可能性があります
というのも
この「成果主義」
つまり「結果を出すこと」に囚われてしまうと
多くの悪影響が出てしまうと言われています
例えば
「失敗への恐れ」が生じる事が悪影響の1つとして挙げられますね
成果や勝利が最優先事項になると
「結果が出なければ意味がない」
「勝利しなきゃ意味がない」
という考え方になってしまい、
そこから失敗を恐れてしまうようになるかもしれません
もちろん
適度であればいいプレッシャーになるかもしれませんが
成果を求められるあまり、
本質を見失ってしまう、というのはよろしくないですね
より具体的な例を挙げるとすれば
スポーツでのドーピングや違反行為
あるいはゲームでのチート行為などが分かりやすいですかね
こうした行為については
選手やプレイヤー自身も
もちろん悪い行為とは分かっているはずです
ですが
それでも悪い手段に手を伸ばしてしまうのは
勝利や成果が最優先になっている状況に置かれている事
あるいは
そこから来るプレッシャーによるものかもしれません
もしも
「負けてもいいんだ」
「失敗から学べばいいんだ」
そうした状況であれば
「もっと上達したい、というマスタリー動機は促進されます
後でまた詳しく説明するのですが
上達したい、成長したいというマスタリー動機にとって
「失敗」は非常に重要なものです
ですが
先程の例でも挙げたように
成果主義にとらわれてしまうと
負ける事、失敗することが大きなマイナスになってしまいます
その結果
失敗を恐れるあまり、挑戦することが怖くなったり
失敗しないように、出来ることにしか挑戦しなくなる
挑戦が減るということは、経験値も積めなくなるので
そうなると今度は
上達もしにくくなる、
最終的には成果にも繋がらない
そんな負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません
また
「成果や勝利、あるいは評価」といったものは
「外部から与えられる」ものであることも多く、
そうした外部評価への依存がモチベーションを損なうこともあります
周囲に褒められないとやる気が出ない
成果が得られないとやる気が出ない
という状況は
「自分のモチベーションの手綱を他人にゆだねている」
そんな状態だと言えるでしょう、
これは健全とは言えなさそうですね
自分のモチベーションの手綱は
やはり自分で握る方が良いでしょう
それに
勝利や成果は
ある種の椅子取りゲームでもあります
だれかは勝利するけれども
その裏には敗者がいるはずですからね
そういった椅子取りゲーム中で
運悪く負けが続いてしまうと、
「ああ、自分は頑張っても無駄なんだ」
というふうに学習性無気力に陥ってしまったり
「自分には能力がないんだ、自信が持てない」
という風に自己効力感が低下してしまうかもしれません
もちろん
「成果主義」を掲げて生きる
激しい競争の中で生き抜くというのも
一つの戦略かもしれませんが
もっと上達したい、という向上心、マスタリー動機を発揮するという時は
「成果主義」には注意が必要かもしれません
最後に4つ目の要素
それは「リソースのゆとり」です
これは他のすべてにも関わりますが
そもそも「上達すること、良くなること」には
ある程度のエネルギーが必要です
後ほど
「正しい練習方法」の項でも詳しく説明するのですが
もっと良くなりたい、という時には
少し高めのハードルを設定して
それを越えるために努力する、
そんな「挑戦」が必要になることが多いです
そして
それは簡単なことではありません
「上達する」という行為は
心身ともにエネルギーを使う
そういった性質を持つ取り組みだと思いますが
ともすると
リソースが必要になります
リソースは資源という意味ですね
人間が生きる上では
必要なものが沢山あります
先に話した体力や気力などの活動エネルギーもそうですし
何にでも必要なもの、と言えば時間もそうでしょう
時間と同じように、お金も重要なリソースですね
こういった
時間や気力などのリソースに余裕がある
他の言い方をすれば「ある程度のゆとりがある」
そういった状況であれば、
向上心やマスタリー動機も発揮されやすいでしょう
逆に
リソースに限りがある状態では
「もっと頑張ろう」「もっと上達しよう、良くなろう」
という考えは持ちにくくなるかもしれません
これについては
先ほど話した「成果主義」とも大きく関係します
というのも
リソースの限られた状態では
「成果を追わざるを得ない」
そういった状況になるかもしれないからです
具体的な例で考えましょう
分かりやすいのが、仕事ですね
毎日の仕事が忙しく、1日のほとんどを仕事に使っている
気力も体力も必要で、仕事が終わると余力もない
それでも稼ぐためには成果を出さなければならない
そういった状況では
リソースに「ゆとり」がありません
こうなってしまうと
「よし、上達するために頑張るぞ」という気持ちも起きにくいでしょう
同様に
職場内で「スキルアップの研修」が導入されたり
「自己研鑽の仕組み」が取り入れられることがあるかもしれません
従業員に良くなってもらうための施策(しさく)としては良くあるものですよね
ですが、
これについても
「上達するためのゆとり」や
「成長するための環境」が整っていない事には
しっかりとした効果を発揮できないかもしれませんね
忙しく日々の業務にあたっている中で
どうやって自己研鑽の時間を取ればいいんだ!
仕組みはあるとしても、そんな余裕ないよ!
という声もあるかもしれません
こんなふうに
忙しい現代社会や毎日の仕事の中では
「ゆとり」を確保するのも難しいかもしれません
ですが
この「リソースのゆとり」というものが
「向上心やマスタリー動機」にとって重要だ
ということを押さえておきましょう
再度確認しましょう
「学習性無気力」
「自己効力感の低下」
「成果主義」
「リソースのゆとり」
これら4つの要素について話していきました
ある程度まとまっているとは思いますが
「向上心やマスタリー動機が発揮されない」状況には
これ以外の要因もきっとあるでしょう
もしも
「自分の向上心が衰えているかもしれない…」
という時には、
一度立ち止まって
心当たりがないか確認してみるといいでしょう
ココまでの話で
「向上心が発揮されない要因」については
ある程度分かっていただけたかと思います
ココからは
そこから一歩踏み込んで
「どうやってマスタリー動機や向上心を高めるのか」
について詳しくお話ししていきます
(アイキャッチ)
ココからは
「どうやったら向上心を高めることが出来るのか」について
いくつかの要素ごとに説明していきます
まずはじめに
「向上心やマスタリー動機を発揮したい」という時に
取り入れてほしい考え方、あるいは思考法があります
それは
「成長マインドセット」と呼ばれるものです
マインドセットと聞くと、なんだか難しそうですが
日本語に言い換えるとすれば
「考え方」という風に置き換えると分かりやすいでしょう
この「成長マインドセット」は
「キャロルデュエックさん」という心理学者が提唱した考えで
内容としては
「人間の能力や知識は、固定的で変化しないものではなく、
努力や経験を通じて成長・発展させられる」という考え方です
もっと端的に言えば
「人間は成長できるんだよ!だから成長が大事!」
という感じでしょう
この「成長マインドセット」は
先程お話しした阻害要因の1つ
「成果主義」とは正反対にある考えでしょう
「成果」を求める「成果主義」と
「成長」を求める「成長マインドセット」
という感じですね
この2つの考え方は
「何を成功と捉えているのか」あるいは
「何に価値があると考えているのか」が異なります
具体例も交えながら説明しましょう
まず「成果主義」にとっては
成果を出すこと、
勝利することや、評価されることが「成功」であり、
それが素晴らしんだ、という考えがあるでしょう
スポーツで言えば、
試合での勝利が最も重要である、
そこからの成長は二の次だな
仕事や勉強では、
成績が優秀であること、
評価されることこそが最も素晴らしんだ、
そんなイメージでしょう
一方で
「成長マインドセット」は
成長こそが大事なんだ、という考えです
成果や勝利は後からついてくる、
成長することが素晴らしいんだ
という考えですかね
スポーツで言えば、
試合の結果も大事だけど、
大事なのはチームや選手の成長だよね、
勝っても負けても成長していけば
次第に良いチームになっていくだろう、
というような考え方でしょう
同じことは、仕事や勉強でも言えそうですね、
テストの点を取ることよりも、
頭が良くなることの方が大事
仕事で成果を出すことよりも、
成果がついてくる人間になる方が大事、こんな感じですね
もちろん
この成長マインドセットと成果主義は
バランスよく両立することも出来ると思います
成果主義的な考え方もうまく使えば
大きなモチベーションの源になるでしょうからね
何事もバランスが大事、ということでしょう
また
この「成長マインドセット」の裏には
「失敗やミスを学びに変える重要性」も込められています
失敗やミスは悪いもの、マイナスではなく
自分を成長させる素晴らしいモノ、プラスになるんだ
というか
そう考えるようにしましょう、というメッセージですね
日本でも良く聞く格言に
「失敗は成功の基」
あるいは
「失敗は成長の元」という言葉があります
失敗は学びで在り、
そこから成長するのが大事、という意味でしょう
かのゆうめいな
ウォルトディズニーも
「「失敗したからって何なのだ? 失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか」」
という言葉を残してくれています
失敗は、ただ失敗したということでは無く、
それが学びや成長であるということ、
そして失敗を引きずらないで、そこから成長を遂げて、また挑戦すればいいんだ
というようなメッセージでしょう、
とりわけ現代社会においては
この「失敗から学ぶ」ということが重要かもしれません
というのも
変化の激しく、多様性に溢れる現代社会は
先が予測しずらく
成功への確証が持ちにくい時代かもしれません
決まった正攻法はなく
トライアンドエラーの中で活路を見出す
そんな取り組みが求められるかもしれませんね
そして
そんな現代社会でこそ
「失敗から学ぶ」という考えは重要でしょう
成果を第一に考えるのではなく
失敗を繰り返す中で成長していく
そうやって自分のレベルを上げることで
変化の激しい環境にも適応できるようになる
なので
失敗を恐れずに、成長の糧にしていきましょう
そんなふうに
失敗を経験値と考える「成長マインドセット」は
現代にこそ重要であると言えるかもしれませんね
(アイキャッチ)
それからもう一つ
「どうやったら向上心、マスタリー動機を高めることが出来るのか」
を考える時には
ココまでにも扱ってきた概念
「自己効力感」が大きなカギになるでしょう
自己効力感の低下が、向上心の低下に繋がるのであれば
自己効力感を上げることが、向上心を高めることに繋がるはずですからね
自己効力感について簡単に説明すると
一言で言えば
「自信」あるいは「やれそう感」です
何かの物事や行為に対して
「ああ、これは自分にも出来そうだぞ」
「それなら、自信をもってやれるぞ」
というような感覚ですね
そしてこの自己効力感の向上には
「経験値」が重要になります
一度やったことがあれば、
「それは、一度やったこともあるし、出来るだろう」と自信を持てるでしょうし
仮に自分がその行為を直接経験していなくても
「似たような経験があるからできそう」とか
「Youtubeで動画は見たことあるから、やったことないけど出来るかも?」と思えるかもしれません
少し例を挙げましょう
例えば
子どもがワインの栓を抜く、という例ですね
過去にお手伝いでワインの栓を開けた経験があったり
レストランやドラマでも良いので
誰かが簡単にワインの栓を抜く姿を見ていれば
「あ、自分にも出来そうかも」と思えるかもしれません
「初めてやることだけど、
Youtubeで動画を見れば出来そうだな~」
と思えれば
実際にやってみる一歩が踏み出せるでしょう
そうやって
「実際にやってみる」
経験値を積むことが自己効力感の向上には欠かせません
このように
「できそう」「やれそう」という感覚を高める
つまり、自己効力感を高めるためには
「できた」という経験を積み重ねること
そういった成功体験を得る事、
あるいは
「成功したと実感すること」
これが重要になります
成功したかどうか、
「やれた!」という感覚はその人の中にあるものですからね
大事なのは、
実際に出来ているかどうかではなく、
その人が成功を実感できるかどうかです
そして
これは向上心、マスタリー動機とも重なります
マスタリー動機は
「良くなりたい、できるようになりたい、成長したい」という感覚ですが
ここで大事なのが
「成長の実感」です
他の言葉で言えば
「成長を認識すること」と言い換えてもいいでしょう
向上心やマスタリー動機は
ドミノ倒しのように連鎖するモノです
なので
一度成長を実感することが出来れば、
更に成長したい、もっと良くなりたいと、自然に思うようになるでしょう
そして
そのカギになるのが「成長の実感です」
ただ
ここで注意が必要なのが
「成長の見えにくさ」です
「成長」というのは簡単に使われる言葉ですが
場合によっては
この「成長」あるいは「良くなる」ということが
実感しにくい、
成長が見えにくい、
そういったケースもあるでしょう
少し例を挙げて考えてみましょう
例えば
「植物の成長」であれば目に見えて分かりやすいですね
水を上げて、肥料を上げて、
日を浴びて、時間がたつと大きく育つ、
今週は3センチ伸びたな~など、
目に見えた成長の基準があるかもしれませんね
では
「人間の成長」はどうでしょうか、
ココでの成長は、身長が伸びた、ということではなく、
「一人の人間としての成長」だと思ってくださいね
人間の成長は、植物の成長と違って
とても分かりにくいものかもしれません
例えば
仕事を例に考えてみましょう
新入社員であれば覚えることも多く、
最初の内は成長が分かりやすいかもしれません
出来ることが増えれば
それが成長だと実感しやすいでしょう
ですが
ある程度仕事にも慣れてくると
「今の自分は成長しているのだろうか」
「いい方向に向かっているんだろうか」
そんな風に思うこともあるかもしれません
このように
「人間の成長」には分かりにくいことがありますが
それにはいくつかの理由があります
まず
人間の内面的な成長は
一目で分かるものではないかもしれません
中には数値やデータで図ることの出来る成長もあるかもしれませんが
数字では測れない良さ、
あるいは「豊かさ」のようなものもあるかもしれません
同じように
目に見えにくい成長と言えば
「プラトー」という考え方も大事ですね
「プラトー」は「平らであること」や「平行線」を意味する言葉で
ココでは
「成長や上達が一時的に停滞する現象」のことを指します
「停滞期」や「伸び悩み」、「踊り場にある」なども近い言葉ですかね
ずっと右肩上がりで、成長してきたのに
ピタッとと成長が止まってしまった、
平行線をたどってしまう、
そう感じる時期を「プラトー」あるいは「プラトー期」と言います
この
「プラトー」が生じるのは
今の方法ではこれ以上成長できない
頭打ちになってしまっていることが大きな要因の一つですが、
プラトーが生じるもう1つの要因として
先程お話した
「目に見えにくい成長」があります
実際には
目に見えないところで経験値が溜まっている
認識できないだけで内部的には成長しているとしても
それが表に出ない、変化を感じ取れない
そうなってしまうと
「伸び悩み」や「停滞感」を感じるでしょう
これが長く続くと、
「ああ、自分は成長できないんだな」という風に
感じてしまうかもしれませんね
「成長が見えにくい」
というのは解決したい課題ですが
中でも厄介な要素が
「成長の基準」です
先程の
植物の例であれば
成長の基準は分かりやすいかもしれません
ですが
人間の成長を考える際には
「成長の基準」が分かりにくいこともあるでしょう
「何をもって成長しているのか」
「どうなれば良くなっているのか」
ということが分かりにくい
もっと言えば
「それは本当に成長なのか」
「本当にこれは良い方向に向かっているのか」
というように
成長の確信が持てないこともあるでしょう
これが
「成長の基準が分かりにくい」という大きな課題です
なんとも厄介そうですね
ただ、これが突破口にもあります
「成功の基準が分かりにくい」というのは
裏を返せば
成長の基準がしっかりしていれば
成長の実感が持てる
ということでもありますからね
「ああ、自分は良くなっているぞ」
というふうに成長を認識できれば
「良い感じで来てるから、もっと頑張るぞ」
という気持ちも起きやすいでしょう
こうして向上心が高まる、
マスタリー動機が発揮されるということです
そうです
これが大事な戦略の1つ
「成長の基準を確認する」です
向上心を高めるためには
まずは
成長の基準を明確にしましょう
自分にとって、
あるいは取り組んでいる活動にとって
「良くなる」というのはどういうことなのか
それを
一度しっかり考えてみましょう
もちろん
そう簡単なことではなさそうですが
考え方の方針もいくつかあります
例えば
自分が取り組みたいことにおける「良さ」
あるいは
「理想」や「成功」を明確にすること
これが方針の一つですね
理想の状態やゴールがはっきりしていれば
そこに向かっている状態が成長と言えるでしょう
ゴールに1歩1歩近づいているという感覚は
「成長」や「上達」として分かりやすいでしょうからね
あとは
「数値化」も手法の一つでしょう
これには
「表面上の数字に惑わされる」という危険性も伴いますが
一方で
「数字は目に見えるので分かりやすくなる」
というメリットもあります
ここは一長一短ですね
せっかくなので
例を挙げて考えてみましょう
まずは仕事ですね
アナタの仕事にとって
「成長する」あるいは「上達する」というのはどういうことでしょう
もしも、
「自分が良くなっていった先にどんな姿があるのか」
そんな「理想の状態」が分かっていれば
「成長している」という実感も得やすいでしょう
もちろん
会社やチームとして
「これが正しい方向だよ」と提示してくれたら分かりやすいのですが
それがないこともあるでしょう
あとは
他者や会社、チームの掲げる理想が、
自分の思う理想と違うこともあるでしょうからね
であれば
自分なりに
「これが理想、これがいい状態」
「だから、成長はこう、上達はこう」
と考えてみるといいかもしれませんね
他にも
スポーツやゲームの上達においては
特に向上心が重要かもしれませんが
そうした分野においても
「理想の明確化」
それによる「成長の明確化」が有効でしょう
理想の選手やプレイヤーを参考にして
自分の理想像を明確にしてみる
何がいいプレーなのかを確認する
そうやって理想がはっきりしていれば
そこに向かう成長も分かりやすくなるでしょう
こうなれば
日々の練習の中でも
「ああ、これで理想に近づいているな」
「自分は成長してるんだ」と感じやすいでしょう
こんなふうに
まずは
「成長の基準を確認する」あるいは
その先にある
「理想やゴールを明確にする」
これを大事にしましょう
「成長の基準」がある程度明確になったら
次に注目するポイントは成長のために欠かせないもの
「練習」です
「良い成長」のためには「良い練習」が欠かせません
そして
「良い練習」には「向上心やマスタリー動機」が発揮される
そんな要素が沢山込められています
なお
「練習」という風に言っていますが
スポーツの特訓のような大それたものではなく
日々の活動の中、
例えば
日々の仕事などでも使える
自分の成長を促進するような工夫
あるいは
「ちょうどいい課題」という言葉が分かりやすいかもしれません
この
「良い練習」「ちょうどいい課題」の全体像は
(ばん)
こんな感じですね
良い練習にもいくつか要素があるので
取り入れやすい要素から上手く取り入れてみて下さい
まずは
「意図的な練習」ですね
他の言葉で言い換えれば
「正しい方向に向かっているかを確認する」
という表現が分かりやすいかもしれません
練習をする際には
ただやみくもに努力するのではなく
それが理想やゴールに向かっているかどうか
ということが重要です
これは
戦略の1つ目である
「成長の基準を確認する」ということが出来ていれば
自然にできるかもしれませんね
自分が今やっていることが
自分の成長、あるいは理想に繋がっているのか
この考えは
いつも心に留めておきたいものですね
例えるとすれば
漢字テストの成績を上げたいとしましょう
この時に
漢字の一ばっかり書いていても
漢字テストの成績は上がらないでしょう
理想が漢字テストの成績であれば
知らない漢字を覚えていくこと
自分で模擬テストをしてみることなどが
成長に繋がる
「意図的な練習である」と言えるでしょう
次に
「ストレッチ課題」ですね
ストレッチと聞くと
準備運動のストレッチが思い浮かぶかもしれませんが
ココでは、
英語の意味である、ひき伸ばす、という所から
「手を伸ばしてギリギリ届くくらいの課題」
「背伸びやジャンプが必要な挑戦」
というイメージが分かりやすいかもしれません
調子よく成長するためには
この「ストレッチ課題」が重要です
少し頑張りが必要な状態や
丁度よく負荷がかかる目標がうまく設定できれば
そこから成長が生まれやすいでしょう
逆に
負荷が小さすぎる場合
日々簡単すぎる課題をこなしている時には
成長も実感しにくいでしょう
仕事で言えば
普段通りの仕事をしていては成長も感じにくいので
普段はやらない新しいことに挑戦したり
普段よりも少しだけ大変な課題を貸す
こうしたことが
「ちょうどいい課題」「ストレッチ課題」になるでしょう
ここで気を付けなければいけないのは
課題を避けてしまう人間の本能ですね
安定した状態を崩したくない、
現状維持をしたいという人間の性質や
リスクを避けて、
失敗やミスを避けたいという本能もあります
こういった感情は
とても厄介ですが
人間である以上仕方がないでしょう
ですが
それを分かった上で、
難しい事にも挑戦してみる
失敗してもそこから学びを得る
これが重要ですからね
自分が今、ぬるま湯の中にいないか
もしもラクをし過ぎて成長を感じてられていないなら
「ストレッチ課題」を課すことが
向上心に火をつける策の一つになるかもしれません
この「ストレッチ課題」ですが
あまりにもきつすぎる課題や
高すぎる目標を設定してしまうのは
逆効果になってしまいます
目標が高すぎると
「自分には無理なんだ…」と思ってしまうでしょうし
リソースいっぱいに自分に厳しくしすぎると
「ああ、つらいからやめよう」となるでしょう
自己効力感の話の時に説明しましたが
大事なのは「成功体験」です
そして
成功体験を積み上げていくための具体策が
「マイクロハードリング」です
マイクロハードリングこれは
スモールステップとも呼ばれるものですが
内容としては
「次のハードルを低くして、ラクに超えていこう」という感じです
どんな課題でも
まずはハードルを小さくする
最初の一歩は小さく進んでみる
ハードルが小さければ
失敗の恐れも感じにくいでしょうし
「乗り越えられた!」という成功体験も得やすいでしょう
また
自分が乗り越えるべき壁を順序立てて設定することによって
それを一つ一つ乗り越えていく感覚
例えるならダンジョンを1フロアずつを攻略していくイメージですね
そんな感覚が得られれば
成長も実感しやすくなるでしょう
これを
「仕事」で例えるとすれば
理想の先輩がいるとして、
そこに近づいていくことが成長の基準としましょう
その時には
いきなり理想を100%マネするのではなく
まずは全体の1%から真似してみる
これがマイクロハードリング的な工夫です
そして
1%出来るようになったら、
次は2%、その次は5%と
どんどんハードルを上げていって
最終的には理想の状態に到達できる
そんなイメージですね
このマイクロハードリングには
「飛び越えるうちに調子が出てくる」
というメリットもあります
10%くらい真似したあたりから
「ああ、これいいかも」と思えるようになれば
調子が上がってきて
「もっと良くなりたい」という気持ちも加速するでしょう
目の前のハードルを越えていくうちに
気付いたら足がムキムキになっていて
すごい高いハードルも超えられるようになっている
こうなれれば最高ですね
あと
良い練習に必要な「成長の実感」
これを感じやすくなる方法として
「フィードバック」が重要でしょう
先程
人間の成長は分かりにくいという話をしましたが
とりわけ「自分自身の成長」については、
自分では分かりにくいものです
こういう時には
他者からフィードバックを受けることが効果的ですね
自分では成長が分かりにくくても
自分の周りの人にフィードバックをもらう
どこが成長しているのか、
どこが良くなってきているのか、
それを教えてもらうことによって
成長が実感しやすくなるでしょう
成長が実感出来れば、
「やった、成長しているぞ」
「もっと成長したいな」と思えるようになりますからね
もしも
アナタが他者の成長を促したいという立場であれば
積極的にフィードバックを与えるといいでしょう
「成長している」と実感する機会を得ることが
更なる成長への燃料になるはずです
人は
自分の成長を見守ってくれる人がいれば
どんどん成長していくでしょうからね
逆に
自分は成長したいんだ、
でも、
「周囲の人は良いフィードバックをくれない」
「自分の成長を見てくれないんだ」という状況は
あまり良いものとは言えないでしょう
そういう場合には
「環境を変える」というのも手段の一つです
人は
自分がいる環境の中で成長していきます
成長が促される環境であれば
その中でどんどん成長していくでしょう
仮に
自分の環境が「ぬるま湯」のようなものあれば
頑張る必要がないので、
挑戦や成長も促されないでしょう
そう思うと
「自分の成長に適した環境」にいることは
とても価値のある事だと思います
もちろん
人によって適した異なるとは思いますが
キツすぎず、かつ緩すぎず
毎日、丁度いい挑戦や課題に向き合うことが出来る
それに加えて
自分の成長を応戦してくれる存在がいる
いいフィードバックをもらえる状況にある
そういった環境であれば
向上心は自然と湧いてくるかもしれませんね
このように
環境を変えることや
練習方法を変えることは
先程はお話しした
「プラトー」から脱出するための正攻法でもあります
もしも
自分の成長が鈍化している
なんだか停滞しているように感じる
最近向上心を感じていないという時には
自分の環境を変えてみる
居場所や関わっている人を変えてみることが
いい刺激になるかもしれませんし
同様に
練習方法を変えることが有効な場合もあるでしょう
日々取り組んでいる課題を見直して
自分にとって丁度いい練習になっているのか
成長に向けた意図的な練習が出来ているのか
これを確認することが大事ですね
「どうやったら向上心を高められるのか
マスタリー動機を発揮出来るのか」は
大きなテーマだったかもしれませんが
阻害要因である
学習性無気力
自己効力感の低下、
成果主義や「ゆとりのなさ」に気を付ける事
そして
マスタリー動機をより積極的に発揮するためには
成長マインドセットをもって
失敗を学びに替えていくこと
自己効力感を高めるためにも
まずはゴールや目標を明確にすること
そして
自分の成長できる環境を見つけて
自分にあった丁度いい課題をこなす
失敗を恐れずに挑戦を繰り返して
経験値をたくさん溜めること
ときおりフィードバックを受けながら
日々の成長を実感すること
これらの要素を整えていくことで
失われた向上心やマスタリー動機も戻ってくるかもしれませんね
成長は一日にしてなりませんし、
成長に終わりはありません、
どこまで行っても学ぶことがあり
人はいつまでもどこまでも成長していけるだろうと思っています
私はそうありたいですね
これについては
知的好奇心の時にお話しした「無知の知」と重なりますね
「まだまだ知らないことがたくさんあるんだ」
と実感したところから好奇心が発揮されるのと同じように
「成長には終わりがないんだ」
ということを実感したその瞬間から
きっとさらなる成長が始まるでしょう
(ごーーん鐘が鳴る)
今回はここまでですね
今回もかなり長くなってしまいました
ですが
この動画でアナタの人生が
ほんの少しでも良くなっていれば幸いです
それでは、以上、導師真ショウでした
また次回