強震モニタExtensionについて
はじめに
※この記事は強震モニタExtensionについて、批判ではなく、こういった注意点があるよ、という形で書いています。
また、特定の配信を批判する意図もございません。
皆さんは、「強震モニタExtension」というChromeの拡張機能をご存じですか?
一般の人にとっては、なにそれおいしいのとか思うかもしれません。
下の画像が強震モニタExtensionです。
このソフトを見て、ピンと来る人もいるかもしれません。
なぜなら、同接がめっちゃいる地震配信でも常に使われているものだからです。
地震界隈の皆さんは「強震モニタExtension」という言葉を聞いただけで、「うわぁ…」みたいな反応をするかもしれません。てか絶対します。特に今回は「強震モニタExtension」を取り上げていきます。
このソフトはやばい
地震界隈では常日頃から、「強震モニタExtensionは使うな」とたくさん言われています。その理由をなるべくわかりやすく説明します。(間違えてるとこあったら言って…)
1.地中カウント増加
これが特に、有名なのではないでしょうか。
まず地中カウント増加とは何か?公式サイトから引用してきました。
また、
と書いてあります。
巷では、地中カウント増加で、地震が予測できるような表記をしている、地震ライブがあります。
しかし、その値で地震を予測することはできません。
強震モニタから配信される情報は、その瞬間の揺れであり、長期的な地殻変動を表してるものではありません。
なので、地中加速度の変化をカウントすることは、ただの地震計の揺れの回数を数えているだけで、特に意味がないことはわかるでしょう。
そして、予測をする以前に、常に災害に備えることが大切です。
2.波形
強震モニタExtensionでは、右側に波形表示をすることができます。
下の画像の通りです。
波形表示について「JQuake」の作者の、フランソワさんが調査を行っていました。
かなり難しい内容なので、ここでは詳細を省かせていただくので、とりあえずは下記の記事を読んでみてください。
3.リアルタイム震度
強震モニタExtensionでは、地震発生時、リアルタイムの各観測点の震度表示する機能があります。
下の画像の通りです。
地震発生時、上の画像では「茨城県 ひたちなか 震度3」などと、リアルタイムの震度が表示されています。
これについて、疑念があります。
一見、しっかり作りこんでありそうな感じがします。
作者ホームページにも、以下の記載があります。
しかし、気象庁のサイトには、以下の記載があります。
気象庁は、揺れの周期や継続時間を考慮して震度を計算するとして、単純にPGA[Gal]から震度を計算することはできないと書いてあります。
その点からみて、PGAから算出している震度はあまり信用のできない情報であるといえます。
製作者もそれを認知しているようで、ホームページにも記載があります。
わかりやすさを優先しすぎて、一番重要である「情報の信頼性」が損なわれているといえます。
4.予報業務
予報業務とは、気象業務法第17条の規定に定められています。
気象業務法第17条は以下の通りです。
とあります。さらに細かく定義を見ていきましょう。
今引用した文章の、特に下のほうの地震動の場合は、から始まるところを見てください。
気象庁は、地震発生後に特定の地点の震度や地震動の到達時間の予想結果を利用者に対して反復・継続して発表することを「予報業務」としています。
そして、下のさっき見た画像をもう一度見てください。
なんと、特定の地点の震度の予想結果を継続して表示させているではありませんか!
これは「予報業務」に当たり、許可を取らなければ違法といってもいいでしょう。
しかし、予報業務の許可事業者の一覧を見てもそれらしき人はおらず…
やはり違法なのでしょう。
※「予報業務」の定義の解釈を間違えていたらごめんなさい。
この項の執筆には「Zero Quake」作者のべにだてさんのQiitaの記事を参考にさせていただきました。元記事は下記をご覧ください。
最後に
以上、様々な点から、強震モニタExtensionを見てみました。
いかがでしたか?地震界隈から避けられている意味も分かった方もいらっしゃるでしょう。
そして「使うな」と言われている理由も…
かなり問題点が多いように感じた方は、別の地震ソフトや、地震配信を見ることをお勧めします。
まぁ、ほかにも違法なソフトはいくつかあるんですけどね…
(べにだてさんの記事を見てください)
今回はここまでです!
最後まで記事を見てくださりありがとうございました!
※誤りなどがあったら、doumoのXまで。