
ヒストリック・パウパー、職工の環境想定のカードレビュー 「霊気走破」
どうも。Doukenです。
今月、発売予定の「霊気走破」のカードレビューをやっていきます。
コモン、アンコモン限定のレビューとなっております。
主に、ヒストリック・パウパー、ヒストリックの職工の環境を想定した評価です。
コモン
全損事故

この頃、頻繁に表れる「5マナだが、対象がタップ状態だと2マナになる白の除去」。
今回のバージョンは、破壊が追放に上方修正されているのが嬉しい。
墓地から戦場に戻ってきた≪こそこそサクサク≫を処理するにはピッタリだろう。
職工では、本来のマナ総量が5なので≪豆の木をのぼれ≫と併用できるとおいしい。
跳ね弾き

まあ使うよね。
ヒストリック・パウパーには≪蒸気の絡みつき≫が無い。
≪送還≫に近い性能を持つカードは≪厳格な放逐≫くらいだ。
≪送還≫のほぼ完全上位互換なので青単忍者や青単テラーなどにすんなり入るだろう。
ただ、機体を対象にとる場合、相手が搭乗を起動した後に打つのが普通だろうからこのカードは≪送還≫とほとんど性能は変わらない気もする。
(搭乗能力の解決前にキャストすることで≪蛇皮のヴェール≫などを使われないメリットはあるか)
キチン質の墓地歩き

≪のたうつ分解者≫とよく似たポジションのカード。

この手のカードは普通、切削を行うカードと併用する。
≪キチン質の墓地歩き≫は、アーティファクト・カードも参照してコストが軽くなるので≪囁きの大霊堂≫や色の合うブリッジランドをあらかじめ採用しておきたい。
一応、サイクリングも持っているが2マナでルーティングする動きはお世辞にも強い動きとは言えない。(これを採用するデッキではこれが主力だろうし)
どうしてもデッキが回らない時の保険くらいに思っておいた方がいい。
不死の操縦士

≪頑丈なダンゴムシ≫の上位互換。
クリーチャー・タイプ的にもゾンビを持つこちらの方が恩恵を受けやすそう。
乗騎、機体に乗りやすくなる能力はどの程度役に立つか分からない。
ヒストリック・パウパーの範囲で、搭乗3以上の機体でプレイアブルなものと言ったら≪略奪者のカルフ≫、≪カペナ特急≫(ヒストリックでは6/6から7/7に強化)くらいか。
エンジンのネズミ

序盤は相打ち要員。
ゲーム後半は、地上を膠着させつつ能力で相手をじわじわと追い詰めることが出来るいやらしいクリーチャー。
ゾンビデッキに採用して、≪宝石の手の汚染者≫と共にフィニッシャーを担わせたい。
一応、ネズミでもあるので≪ネズミの群棲≫デッキにも入れられるかもしれないが、あのデッキでは能力を起動する前に勝ち負けがついてそう。
不気味なガラクタ

アーティファクト版≪見栄え損ない≫。
オルゾフブレードや親和系のデッキで採用されそう。
それらだけに限らず、≪命取りの論争≫系のカードを使うデッキなら採用して損は無いだろう。
職工でも≪鬼流の金床≫を使うサクリファイス系のデッキで出番がありそうだ。
限界突破出力

≪不死性の提供≫に+1/+1カウンターが付いてきた。
この前のMWMで、緑単アグロに呪禁オーラ対策として≪忌まわしい迫力≫を採用していたが、黒にはその目的で採用できる≪自白勧告≫が既にあるので単純な比較はできない。
とは言え、+1/+1カウンターはおまけとしては大きい。
除去を弾くのにも使えるし、クリーチャーが並ぶデッキなら1~2枚採用も面白いかもしれない。
契約人形の恐怖

少々、コストが重めだが簡単な条件でドレインが誘発するクリーチャー。
コントロール相手に、相手のライフを詰めるのにも有効。
アグロ相手に、自身のライフを安全圏に引き上げるのにも有効。
このカードはヒストリック・パウパー界の≪黙示録、シェオルドレッド≫になれるかもしれない。
燃焼ロケット

≪頭蓋槌≫でゴリ押す黒赤親和や、チャンプ上等で全軍突撃するカルドーサレッドなどにピッタリのカード。
何気にトランプルまで付与してくれるのが嬉しい。
相手のアタック後に着地させた時のシャクり力も高く、リミテでも暴れそう。
ドラフトではこのカードの存在は意識してプレイしたい。
雄姿も誘発させられるし、スタンでも活躍する可能性あるんじゃないか!?
溶岩族の砲兵

ブラッドバーンやモグワーツのようにルーティングで手札を捨てまくるデッキでの採用が考えられる。
特にモグワーツでは、除去をこれに代えることで高タフネスを活かしたブロッカー兼サブプランでの勝ち筋として活躍できるんじゃないか?
職工でもボロスサイクリングなどでの採用が検討できるかも。(≪天頂の閃光≫は禁止されてるけど結構戦えるアーキ)
砂丘の危険

緑定番の4マナ4/4+α系のクリーチャー。
≪戦旗皮のクルショク≫、≪節くれ背のサイ≫などが競合となる。
消尽能力はさすがに起動が重く評価できないので、このクリーチャーのセールスポイントは到達という事になる。
フライヤーが多いメタゲームになればワンチャン。
(現状でも白単アグロ、青単忍者、親和、ブラッドバーンは飛行持ちのクリーチャーが多いので悪くないかも?)
轢殺

条件を満たせば1マナインスタントの一方格闘となる。
高確率で乗騎、機体をコントロールできるなら採用を検討できるが、問題なのはヒストリック・パウパーの範囲内で使えるものにはあまり優秀なものが無いこと。
現状では≪薮打ち≫や≪恐ろしい襲撃≫にとって代わるのは難しいか。
今後の新規の乗騎、機体に期待したいところ。
アンコモン
暁の暴君、サンダイヤル

伝説であり、アーティファクト・クリーチャーだが2マナ3/3でデメリット能力無し。
職工の白のクリーチャーでは前例がない。
アーティファクトであることも、≪きらきらするすべて≫、≪魅知子の真理の支配≫、≪巧妙な鍛冶≫、≪秘儀術師のフクロウ≫などのアーティファクト・シナジーを利用できるのであながちデメリットとは言えない。
普通のアグロデッキにも、ピン刺しなら問題なく採用できそう。
霊気吸引機

最高速度の達成条件と、それで得られる能力のかみ合わなさが気になるものの、設置3マナ起動2マナの恒久的なドロー・エンジンは職工の範囲内では過去最高水準。
青系の重コントロールや、ディミーア・ローグなどのアーキでの採用が考えられる。
牽制機

2マナ2/1飛行。
及第点のスタッツとカウンター能力を内蔵した便利なクリーチャー。
アーティファクトでもあるので、親和系のデッキにもすんなり採用できそう。
≪アーティファクトの魂込め≫の付け先としても悪くない。
記録の守護者

なるほど1マナ3/4飛行ですか・・・。
職工においては、かなり革命的なカードとなりそう。
3/4飛行は攻めてよし、守ってよしの性能。
これからの職工のアーティファクトデッキはこのカードのおかげで速攻もロングゲームもお手の物になるだろう。
リミテにおいては5マナ3/4飛行でも及第点であることを考えると、このカードは猛威を振るうだろうなぁ。
たかり空エイ

手札を捨てるたび、捨てた枚数と同じ数の+1/+1カウンターを乗せることが出来る2マナ1/2飛行のクリーチャー。
後述する≪略奪するアオザメ≫と合わせて採用すればデッキが成立しそう。
職工のサイクリングデッキはボロスからイゼットにシフトするかも。≪天頂の閃光≫使えないし。
運送の魔道士

職工の範囲で持ってきたいカードとしては、前述の≪記録の守護者≫や≪刷新された使い魔≫などが候補になるだろうか。
それ以外では≪双弾の狙撃手≫くらいかなぁ。
これ自体が3マナ2/2バニラであり、アーティファクトでもないのがネック。
≪錨の鍛錬≫などを採用している場合、これが雑音になりかねない。
今後、4~5マナのアーティファクトをコンボパーツとするようなデッキが生まれたときには日の目を見るかもしれない。
シェフェトの大悪鬼

リアニデッキで使ってくださいと言わんばかりのクリーチャー。
おあつらえ向きにサイクリングまで持っている。
競合となるのは、類似カードの≪悲しみの魔神≫。

サイクリングで自ら墓地に落ちることは出来ないものの、墓地にさえ落ちればリアニ呪文が無くても戦場に戻って、着地誘発を利用することが出来る。
職工には≪掘葬の儀式≫があるので、リアニデッキはセルフミルできるよう組まれている場合が多い。
それを考えると、このカードが≪悲しみの魔神≫にとって代わるのは難しいかもしれない。
火に油

競合となるのは、
ソーサリーではあるものの1マナコストが安い≪紅蓮地獄≫
自分の飛行クリーチャーにはダメージが及ばない≪炎の一掃≫
予顕を持ち、追放もできる≪弱者粉砕≫
全体1点と2点を使い分けられる≪燃えがら地獄≫
贈呈を行うことで1体にだけ計3点のダメージを与えられる≪野火の遠吠え≫
などがある。
BO1しかないMWMで使うのならサイクリングを持っているのは大きい。
競合を押しのけて採用される可能性は十分ありそう。
グリスレンチのゴブリン

赤の1マナ2/1もここまで来たか。
消尽能力も3マナ起動と軽いデッキでも使える重さ。
何より今回のセットで、赤には手札を捨てること自体に価値を生むカードが多数追加された。
それらとのシナジーも考慮すると、職工環境の様々な赤いデッキで使われることになりそうだ。
(ゴブリンでもあるので部族シナジーもばっちり受けられる)
略奪するアオザメ

カードを捨てた枚数分、強化されるクリーチャー第2弾。
こちらは回避能力を持たない代わりに1マナとコストが軽い。
概ね、≪繁栄の狐≫の赤バージョン。
むしろ、サイクリング以外のディスカードでも能力を誘発できるので上位互換といっていい。
例えば、魂力なども手札から捨てているので≪鉄蹄の猪≫なんかでこのカードにトランプルを付与してやる動きでも+1/+1カウンターがちゃんと乗る。

浚渫機の洞察

≪蓄え放題≫、≪邪悪鳴らし≫の亜種。
エンチャントを手札に加えられないので≪浚渫機の洞察≫から≪浚渫機の洞察≫を手札に加える動きが出来ないのは少し残念。
脱出や蘇生を使うたび、ライフゲインできるのも悪くない。
墓地肥やしカードがインスタント、ソーサリーだけでなくエンチャントにも現れたことで、これらを使うデッキが昂揚を達成しやすくなった点も見逃せない。
≪継ぎ接ぎのけだもの≫が2ターン目に走ってくる可能性はこれまでより高くなりそうだ。

(ワンチャン≪陰湿な根≫デッキでも使えないかな…。エンチャント回収できないから無理か)
クラウドスパイアの統括者

2マナ3/1、出たとき誘発で占術2。
起動型能力に関しては、使えたらラッキーくらいの気持ちで運用した方が良さそう。
これでトークンを大量に出さんがためにアンプレイアブルなカードを採用するのは避けたい。
現状、職工の範囲で両手を上げて採用したいと思える乗騎or機体は≪転換草の草食獣≫くらいしかいない。
(少しハードルを下げても≪巨大な鋤≫、≪刃車輪の戦車≫くらいか)
ネットワーク呪詛

アーティファクト版≪アスフォデルの灰色商人≫と言った所か。
現在、MTGアリーナに実装されている初代ミラディンのファクトランドは青と黒のもののみ。
なのでこのカードが青黒なのは非常に都合がいい。
今回収録される≪記録の守護者≫やファウンデーションズで使用可能となった≪物読み≫などで先週のヒストリック・パウパーに続いて職工でも親和系デッキの隆盛が見られそう。
ただ、ここまで優遇されるとメインから≪溶融≫が積まれるような構築が流行るかもしれない。
アーティファクト・土地やアーティファクト・トークンにあまり依存しすぎないように意識してデッキを組んだ方がよいかもしれない。
憑りつかれた地獄車両

3マナ3/3搭乗1。機体としては平々凡々な性能。
しかし、その誘発型能力は結構侮れない。
接死を付与することで小粒なクリーチャーでも相手のクリーチャーと不平等な交換を迫れる。
攻撃が通ればそれはそれで良いし、アンタップされるので返しのターンにはそのクリーチャーを搭乗要員として使うことが出来る。
接死を付与するクリーチャーにサボタージュ能力があると相手はより悩ましい。このカードは忍者デッキに適性がある。
攻撃を通せない忍者に接死を付与して攻撃、除去代わりとして最後の奉公をさせよう。
帰還航路

既に≪物読み≫がある以上、4積みされることは少ないかもしれない。
しかし、低速に寄せた親和デッキの場合は、3点のライフゲインが何物にも代えがたいシチュエーションもあるだろう。
このカードが存在することで、ガンガン戦場に戦力を展開していく親和デッキだけでなく、マナファクトでマナを伸ばし、≪喝破≫や≪金属の叱責≫を構えるような白青コントロールの親和デッキが職工環境に生まれるかもしれない。
(そう言えば≪天界の櫃≫はアーティファクト、この手のデッキのフィニッシャーとしてはピッタリだ)
まとめ
以上になります。
「霊気走破」は機体や乗騎がテーマのセットですが、むしろそれ以外のアーティファクト(主に親和関連)の強さに驚かされました。
青赤に存在するディスカード・シナジーも新しいデッキを生みそうな気配を感じます。
次回、MWMでパウパーや職工を遊べるのがいつになるか分かりませんが、どんな環境になっているか今から楽しみです。
この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.