園田喬し/演劇ライター

ライター、編集者です。自分で創刊した演劇雑誌『BITE』の編集長もやっています。『演劇ぶっく』という専門誌で取材キャリアをスタートし、現在は雑誌、情報サイト、公演パンフレット等で執筆。演劇作品の評論より、観劇にまつわる日常について考えることが好きです。観劇数は年150本程度。

園田喬し/演劇ライター

ライター、編集者です。自分で創刊した演劇雑誌『BITE』の編集長もやっています。『演劇ぶっく』という専門誌で取材キャリアをスタートし、現在は雑誌、情報サイト、公演パンフレット等で執筆。演劇作品の評論より、観劇にまつわる日常について考えることが好きです。観劇数は年150本程度。

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最近の記事

吉祥寺ファミリーシアター『ぞうれっしゃがやってきた』

演劇ライターの園田です。ここ何年か、観劇した演劇公演の感想はツイッターに書いてきました。でも、色々と思うところがあり、今後はnoteを試してみようと考えています。140字×3ツイートならざっくり400字ほど。それ位のテキスト量なら、リンクや引用などの編集も手軽だし、noteの方が良いかも? という。 それプラス、僕個人の活動として「観劇作家」という肩書きを試してみようと思っていて。まあ「どこが“作家”だ!?」と自分でも思いますが(笑)、いやいや、まあ……、それはそれで。とに

    • 10年前。自分の「3.11」を思い出してみる

      ※記憶の範囲で、当時を思い出してみました。誤認や混同もあるかもしれず、その点をご了承ください。 [2011年3月11日午前1時頃]布団に入り、スマホでYouTube。前日の3月10日に坂上二郎さんの訃報を知り、コント55号の動画を立て続けに観た。スマホの中の元気な二郎さんを観ながら「この人はもういないのだなぁ…」と寂しく思う。 [同日午前12時頃]天気は快晴。東京都中野区にある演劇雑誌の編集部へ。 [同日午後14時頃]演劇公演を観るため、中野区内にある小劇場へ。開演時刻

      • 「小劇場を支援したい」BITE編集部が新メンバーを募集します!

        演劇ライターの園田です。 この度、僕が主宰・運営するBITE編集部の新メンバーを募集したいと考えています。 そもそも「BITE編集部とは?」という方も多いでしょうし、簡単に説明しますと…。 ●『BITE(ばいと)』⇒ 演劇ライターの園田喬しが編集・発行を担当した演劇誌。主に小劇場シーンを中心に取材・執筆を行う。VOL.1からVOL.4まで計4冊発行し、現在は休刊中。 ●BITE編集部(ばいとへんしゅうぶ)⇒ 『BITE』の編集・発行を行う編集部。でしたが、今回の新メン

        • BITEキャラバン/9月→10月のこと

          先月9月19日(土)、約7ヶ月ぶりにBITEキャラバンという企画をやりました。BITEキャラバンの趣旨・概要は↓コチラ↓をご参照ください。 この日、少し緊張もしたし、疲れたけれど、とにかく楽しかったです。内心「久しぶりの開催だし、時間を持て余すかも」と思い、仕事の資料を多めに持ち込んだのですが、結局1ページも読めず。時間中、ずっと何かの対応に追われた訳でもなく、のんびりもしたし、お茶やお菓子も食べました。来場者と喋り、同時開催している「ただ居る」の山本健介さんと喋り、山本さ

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        • 観劇作家の日記帳
          1本

        記事

          ゆっくりBITEキャラバンを再開します

          noteを書くのは約4ヶ月ぶり。お久しぶりです、演劇ライターの園田です。4ヶ月前は皆さんの頭の中にある観劇体験が蘇るようなテキストを目標に演劇エッセイを書いていました。空白期間がうまれた理由はいくつかありますが、それを語るのは別の機会にします。演劇エッセイもいずれ再開したいという気持ちもありつつ。 久しぶりにnoteを更新する理由は、僕が2018年から始めたBITEキャラバンというイベントを、明日9月19日(土)からゆっくり再開するためです。告知ですか? と問われたら、まぁ

          ゆっくりBITEキャラバンを再開します

          上演中に、携帯電話が、

          演劇エッセイ/12日目「携帯電話、スマートフォン、時計のアラームなど音の鳴る電子機器をお持ちの方は、電源からお切り下さいますようお願い申し上げます」。 というのは、劇場の開演前アナウンスでよく耳にするフレーズです。ちなみにコレ、資料(って何!?w)を見ずに書きました。もう何千回も聞いているフレーズなので、記憶力に自信のない僕でも、さすがに諳んじられます。10年位前は「スマートフォン」の部分が「PHS」だった時期もありました。携帯電話とPHSとスマホを敢えて区分する理由が未だ

          上演中に、携帯電話が、

          「すげー好き!!」だけ覚えている

          演劇エッセイ/11日目……裏を返せば「それ以外あまり覚えていない」という、何とも心細い僕の脆弱な記憶力なのですが。それでも今作について書こうとするのは、僕にとって、とても大切な一作だから。 その当時。海外戯曲を上演する「翻訳劇」に対して、僕は半信半疑の気持ちが強かった。面白い公演とも多く出会いましたが、まるでピンと来ない公演も多く、作品から「分かる人には分かる、知識や教養があれば理解できる」という無言の圧力を感じていました。遠く離れた異国の上演を、望遠鏡を覗き込みながら観劇

          「すげー好き!!」だけ覚えている

          新宿との(心理的)距離

          演劇エッセイ/10日目どこか特定の街へ出かける頻度は、僕の場合、完全に劇場とリンクします。その劇場に活気があれば頻繁に通うことになるし、劇場が閉館したり、あるいは(個人的嗜好から見て)活気が沈み気味であれば、あまり通わなくなる。あの街をよく訪れる、街に詳しくなるということは、僕にとって「劇場で観劇する」とワンセットです。 新宿との心理的距離が、随分開いてしまったなぁと感じています。演劇の制作現場を手伝っていた頃も、演劇誌の編集者になった以降も、新宿にはよく通いました。最も思

          新宿との(心理的)距離

          志賀廣太郎さん

          演劇エッセイ/9日目青年団の俳優・志賀廣太郎さんがお亡くなりになりました。 僕は何度もインタビューする機会に恵まれ、とてもお世話になった俳優さんでした。いつお会いしても、優しく朗らかに接して下さり、僕の無茶ぶりのような質問にも、にこやかに答えて下さいました。 訃報を知ったのは昨日(2020年4月30日)の午後。その後、気持ちが落ち着かないままツイッターのタイムラインを眺めます。青年団関係者をはじめ志賀さんと親交の深い演劇人が続々と追悼の意を表し、僕のタイムラインは志賀さん

          演劇につられて、アレコレと

          演劇エッセイ/8日目小劇場は劇中に煙草やビールが出てくる演目が多いです。毎作出てくるような劇団もあり、そうなるとひとつの作風と言えます。昔、ある演出家が「容易に間を作ることができる煙草は演劇の必需品だ」と言っていて、なるほどなぁと思いました。無言で立っていて画になる小道具、確かに煙草が最適かもしれません。 劇中にビールが出てくると、お酒好きの僕はそれに誘惑されてしまいます。要するに飲みたくなる。ビールが出てくる演目を観た帰り道は、高確率でコンビニに寄っている気が。毎日飲む訳

          演劇につられて、アレコレと

          シブヤ→ヨコハマ=30分

          演劇エッセイ/7日目渋谷から横浜まで約30分。横浜方面へ観劇に行く際、僕は東急東横線に乗ります。特急だと30分を少し切り、急行だと30分を少し越す程度だそうで、約30分と覚えておくと便利です。乗車賃は272円(2020年4月現在)。 STスポットへ行く場合、東横線横浜駅で降り、エスカレーターを上ります。改札を出て「さて、STはどっち?」と案内板を見ると、いつも少し戸惑います。東口と西口が左右どちらにもあるから。横浜市民の方には笑われちゃうかもしれませんが、横浜駅周辺って、東

          シブヤ→ヨコハマ=30分

          雨の日と月曜日と演劇

          演劇エッセイ/6日目今日は雨なので、雨に関する話題を…と考えました。雨。野外公演を観に行くにしても、上演するにしても、あるいは劇場公演の搬入日、楽日(千秋楽。公演日程の最終日で、公演後に撤収の諸作業があります)にしても、その日に雨が降ってしまうと、やはり、ちょっと大変です。その他、雨に関する話は色々ありそうだなぁ…と思いつつ。 今日は雨+月曜日です。で「雨の日と月曜日」と考えて、パッと浮かんだのはコチラの曲。 カーペンターズ『Rainy Days And Mondays(

          雨の日と月曜日と演劇

          アフタートークと成井豊さん

          演劇エッセイ/5日目終演後に公演関係者がトークイベントを行うことを「アフタートーク」と言うのですが、このアフタートークで忘れられない回があります。 演劇集団キャラメルボックス『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』2007/7/5〜8/5◎サンシャイン劇場、8/9〜16◎シアターBRAVA! アフタートークは基本的にその日の来場客へ向けたイベントで、約15分〜30分程度のものが多いです。連日開催する公演も、数を絞って開催する公演もあり、観劇日を選ぶ際のひとつの基準となり得ます。小

          アフタートークと成井豊さん

          『メアリ・スチュアート』と黒田さん

          演劇エッセイ/4日目前回の続きです。今年2月、世田谷線に乗って世田谷パブリックシアターへ行きました。観劇したのはコチラ。 『メアリ・スチュアート』2020/1/27〜2/16◎世田谷パブリックシアター ※出演者、あらすじなどの公演情報は上記ホームページに記載されています。そちらをご参照ください。 実は、観劇日以前にホームページで舞台写真を見ていて、僕の感想は「…暗いなぁ」でした。舞台上の雰囲気のことも指しますが、何より物理的に暗い。勿論それは意図的で、演出に基づき暗い照

          『メアリ・スチュアート』と黒田さん

          世田谷線に乗りたい

          演劇エッセイ/3日目世田谷パブリックシアターとシアタートラムは、三軒茶屋駅に隣接する公共劇場です。隣接というより「繋がっている」とか「併設する」という表記が正しいかもしれませんが、僕にとっては「隣」という感覚があります。理由は簡単で、これらの劇場へ行く際は、できる限り世田谷線に乗りたいから。 東急世田谷線は下高井戸駅と三軒茶屋駅を結ぶ路面電車(軌道線と呼ぶそうです)で、東京さくらトラム(旧荒川線)と並び都内に現存する稀少な存在と言えます。余談ですが、この「トラム」という言葉

          世田谷線に乗りたい

          一人じゃない観劇は

          演劇エッセイ/2日目仕事柄、観劇の90%以上は一人で行動します。移動も一人、劇場でも一人(客席は満席だとしても)。移動中は音楽を聴きながらスマホを見ていることが多いです。本を持ち歩いた時期もありましたが、本がボロボロになっていく様を見て、何だか可哀想になり、持ち歩くのをやめました。本を持っていると、劇場の客席に座り、薄い客電(客席を照らす照明のことです)の中で過ごす開演前の一時に、とても重宝するのですが。 残り10%未満の観劇は、誰かと一緒ということになり、これが結構嬉しい

          一人じゃない観劇は