【エッセイ】私の趣味

『ご趣味はなんですか?』

と聞かれることは今日日なかなかなくなった。



趣味がパーソナルな部分に触れることになるかもしれない、いわゆるハラスメントに抵触するかもしれないので簡単に会話もしにくくなったことが影響してる気がしている。

実のところ私も後輩とご飯に行くよりも先輩とご飯を食べる方が気持ちが楽で、後輩の方を丁重に扱ってしまう。

先輩は生い先短いしどうだっていいし逆に俺を丁重に扱えな。後輩は優秀だと特に自分の上司になる可能性があるから…

間違っても
「趣味なに〜?え〜?そんなん趣味の範疇に入んないよ〜!もっと高尚なさぁ〜」
とか言えない。

ドラマのお見合いのシーンなんかでも

👨「ご、ご趣味はなんですか…」

などのセリフはよく見たものだが、こちらも時代に則り、お見合いシーンというのもまぁ見ない。(そもそもドラマを見なくなったのもある)


***

そんな趣味を私自身聞かれたら、まぁいろんなことしますよ〜釣りとか音楽鑑賞とか〜、というつまらない回答をよくする。

自分のことを喋るは嫌いじゃないしむしろ好きなんだけど、ペラペラ喋ってる自分を超俯瞰的に見てしまって「気持ち悪い」と思ってしまう。

自動ブレーキが会話にかかっていて、車ならまぁ便利かもしれないけど、それでよく苦労している。

自分の趣味なんて他の人が興味あるわけないしな、というネガティヴを基調とした会話になってしまうのだ。

そんなわけで趣味の話は、仲のいい人以外はあまりしない。



そうだったとしても。
ひとつお伝えしたい私の趣味がある。


数年前から私はある写真を撮り続けている。

その「とある被写体を写真に収める」という行為を、声を大にして趣味と言わせていただきたい。








我が神


私には、静岡歯科を収集するという趣味がある。


遡ること2年と3ヶ月前、ぽつぽつと札幌で似た様な看板を見つける様になった頃から

「これからもっと増えるなら集めておきたい」

という収集癖を、この静岡歯科にぶつけることにした。


静岡歯科とは

上記に挙げた写真の通り『病院名と人しか写っていない』という、情報の少なさに興味を惹かれた。

初めて調べた時には以下の様な情報が出てきた。

1. 実在する歯科医院である
2. 札幌には存在せず、名前の通り静岡にある
3. きぬた歯科と関係がある


札幌にないんかい!と誰もがツッコミを入れると思う。

私ももちろん同じツッコミをし、それと同時に興味を惹かれたのは言うまでもないけど。

それと気になる点が3つ目。

3. きぬた歯科と関係がある

きぬた歯科……?

静岡歯科のことも知らないのに、きぬた歯科とかいう新しい場所が出てきてもさぁ…

という、途中からキングダムを読んだ様な、登場人物の突拍子のない出現に狼狽えたのを覚えている。

しかし『きぬた歯科 看板』で検索してみると…

え〜〜〜おもれ〜〜!

関東の方にはお馴染みらしく、至る所にこのきぬた歯科の看板があるらしい。

そして衝撃の事実が。

なるほど。すごい情報だ。

SNSも悪いものではないなと感じる情報だった。
使い方さえしっかりしていればこの様にほしい情報がすんなり手に入るんですから。ね。ありがてえね。


つまり、静岡歯科とは以下である。

1. 北海道医療大学の卒業生が院長である

2. 広告は、修行の場であった「きぬた歯科」の院長の手法をリスペクトしてを用いて出している

3. 2021年時では札幌に静岡歯科はなかった

4. 卒業大学 および きぬた歯科からの独立という工程まで同じの盟友(?)が開院した「新札幌駅歯科」という歯科医院がある

書けば書くほどおもしろい。

それでは撮り溜めた静岡歯科を見ていってください。

welcome to my gallery ...



1. いい笑顔

豊平区役所近くの環状通り付近にあった静岡。
初めて見つけたところから、なんと徒歩15分ほどしか離れていない。



2. 夜も変わらぬ笑顔

同じ場所で夜にも撮影。
昼と夜では街並みも顔色を変えるが、静岡は絶えず笑顔でそこにいた。優しく豊平区を見守っている。




3. おや、あなたは…

てっきり静岡と思って構えた写真。彼は静岡ではない。
しかし先ほどの情報を思い返すと、同じ境遇で切磋琢磨した新札幌駅歯科であることがわかる。

知らぬうちは「偽物だ!」と思っていたが、兄弟子や弟弟子関係だと知るとほっこりする。

人は皆、繋がり支え合っているのだ…




4. 新色登場

札幌ファクトリー周辺を散歩していると、急に現れたのがこの静岡。
ビビットピンクがとても可愛らしい。

配色としても、青いスクラブととてもよく調和していて素晴らしい。ピンクもどんどん増やしてほしいと切に願った。




5. 新札幌も負けじと

家から麻生までウォーキングした際に見つけた看板。

お気づきかもしれないが、静岡歯科よりも新札幌駅歯科のほうが看板に含まれる情報が多い。

この差別化がどの様な結果に転んだか。それは各医院にしか知る由もない。



6. 買い物ついでに静岡もね

三井アウトレットパークの連絡通路から見える静岡。

楽しい買い物中に見つけて興奮したことを今でも覚えている。




7. ハイサイ静岡

家族旅行で沖縄に出かけた時、とある情報を掴んでいた私は家族に頭を下げとある場所へ向かった。

沖縄は那覇、国際通りの静岡に会うためである。

私はこの静岡に出会い、感涙した。
こんな南の果てで出会えるなんて…
静岡はどこにでも、誰の胸にも住んでいるのだ。





そんな思いも束の間。
突然の別れの時は来た。




8. 静岡じゃない

静岡…??

いや、もう彼は静岡ではない。
このタイミングで北海道に開院したのだ。彼のことをもう静岡と呼ぶことができない。
そして名前が「早川さん」と言うことも知ってしまった。

でも僕にとっては静岡なんだ…どうしたらいいんだ…

というかチラシあるんだ…




数日後。




わあ、天下統一してる!!


手早い天下統一だった。つい最近までは北国だけだったのに…
でも私の大好きな静岡が日本を獲ってくれて嬉しい限り。ありがとう、ありがとう。


他にも

文字だけのアプローチや


ぜんぜんわけわかんないのも様々存在している。


歯医者の広告、どんどん面白くなっていくので今後も目が離せない。


これが、音楽や絵、テレビゲームを圧倒した私の趣味の話でした。ご承知おきください。

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