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小原綾斗47都道府県ガタリ旅 長崎編の日記

綾斗さんの弾き語りツアー九州編の長崎・佐賀・福岡(第一部)に行ってきた。
当初はまとめて日記を書くつもりだったけれど、どの日も印象的な出来事が多くて、ちゃんと残しておきたいので分けることにした。

今回行ったライブ

・2/22(水) 小原綾斗47都道府県ガタリ旅~冬の九州ぶらり温泉巡り編~@Music Bar Paranoia(長崎)

ライブ前の話

遠征旅行は観光よりライブがメインで、今までご当地のものを食べる意識が薄かった。大阪と愛知でコメダ珈琲店に入ったりする(コメダ大好き)。
今回は綾斗さんが47都道府県を回るのだから、一緒にご当地を感じよう!と思い、長崎にてちゃんぽんを食べた。

長崎新地中華街にある江山楼

タクシーの運転手さんに長崎のおすすめご飯を聞いたところ、ちゃんぽんか皿うどんをおすすめされた。有名なのは四海樓というお店らしいが、調べてみるとあいにくの定休日。中華街に行けば、ちゃんぽんを食べられるお店がたくさんあるということを教えてもらった。
次に、ホテルの受付の方に中華街のおすすめちゃんぽんの店を聞いて江山楼というお店に辿り着いた。30分くらい待って食べたちゃんぽんはとってもおいしかったし、村人に話し掛けて情報を集めてゆくRPGの主人公になった気分で楽しかった。

そして聞けば答えてくれる皆さん……職業柄、観光客からの質問には答え慣れているだろうが、見知らぬ土地なので余計に優しさを感じた。
人間関係への苦手意識が強くて基本的に一人でいたいタイプだけれど、今回の旅は関係することの良さを強く感じた。ので、そういうのも書いてゆきたい。

本屋ウニとスカッシュさん

旅行へ行く時はその土地の本屋さんで本を買いたくて、本屋ウニとスカッシュさんへ行った。
営業日を調べるためにTwitterを検索したところ、なんと2月22日で開業2周年とのこと!更にこの日から「ウニマキZINE2023」というZINEのイベントが始まるとのことで……なんて良い日にライブを開催してくれるのだ!と、勝手に綾斗さんへ感謝の気持ちだった。

たくさん並ぶZINE

別の日記でZINEを作ってみたいと書いたものの、殆ど何もしていないに近くて……。
それには理由というか言い訳があり、東京の本屋さんへどういうZINEがあるのか調査しに行ったところ、どれも製本・印刷・レイアウトなどもはや普通の雑誌のようで「こんなん無理だ……」と、打ちのめされていたのだ。
私の場合、他人に見せるためにZINEを作りたいと構想を始めたわけではないが、ぺしゃんこになっていた。

ウニスカさんに並ぶZINEは、お手製感のあるものが多くて「これなら私でも挑戦できるかも……」と、ぺしゃんこだった気持ちが膨らむような素敵なイベントだった。

aoiroさんとゆきさんのZINEなど

私が選んだのは「好きなもの」についてたくさん書かれたZINE。本を作りたいって自分で思ったはずなのに、いざ書くとなると全く筆が進まない。どうやって書き出せば良いのか、そもそも全体の構成は……云々。購入したZINEはただひたすらに好きなものについて書かれているところが良かった。それでいいんだ!と思えた。

レジにZINEを2冊持っていくと、たまたまZINE作者のお母様がいらっしゃってびっくりした!まごまごしながらも感謝の気持ちを伝えられた……と、思、う……。
お菓子や、お母様が作られたZINEをいただくなど、ほっこりする出来事だった。ありがとうございました。大切に読みます。

床ブヨブヨゾーンの注意書きが良かった

ライブの話

長崎の会場はMusic Bar Paranoiaというバーだった。薄暗いお店の中で窓にネオンサインが光っていて、素敵な雰囲気だった。

遠征旅行は基本的に一人で、というか基本的に一人行動で……開演前も一人でじっと待っていたいタイプなのだけれど、整理番号の近い子とお話することができた。その子とは福岡会場でもまた会えたので、福岡の日記に書けたらと思う。
人と継続的な関係性を築くのが恐怖で顔を覚えられるのも苦手だし、ライブに行く時はいつも透明人間になれたら良いのにと思う。
でも今回はまた会えたら良いなって思える出会いがあって、「私はそんなことを思えるのか!」と自分の成長(?)を感じた。※私はとうに成人済みのいい大人です。

今まで、綾斗さんの弾き語りライブに何度か行くことができた。
今回は小原綾斗(Tempalay)の47都道府県ガタリ旅と銘打ったツアーなので、今までとは違ってTempalayのライブのようにスタッフさんがたくさんいて、セットリストも事前に考えられいて、いつもみたいに綾斗さんが「あと何分?」って聞いたりしなくて……用意周到に準備されたライブなのかなと想像していた。
ライブが始まると、相変わらず譜面台にはコピー用紙に印刷しただけの歌詞が置いてあって、歌いながら「あれっ?」ってコードが分からなくなっちゃったり、「何分やりましたかね?」ってお客さんに確認したり、今までの雰囲気と変わらなくてそれがとっても良かった。
『鬼滅の刃』の無惨様みたいに「私が嫌いなものは"変化"だ」なんて言わない。人は変わってゆくものだ。でもあの空気感はずっと変わらないままが良いなと思っちゃう。

綾斗さんがいたところ

この日は、九州ツアーのためにつくったという『温泉ゆきたい』をはじめて聴くことができた。

目的地に着くまでのわくわくした気持ちと同時に覚えるさみしい気持ち。目的地に向かうまでの道が一番楽しい。
周囲も自分自身もやらなきゃいけないことに追われて、だんだんと会えなくなってゆくし、そうしているうちに色んなことを忘れてゆく。そういう忘れてしまうことを今回の旅で思い出したいというような曲紹介だった。
佐賀と福岡(第一部)にも行って記憶がごちゃ混ぜな点はお許しください。

夏樹さんは数年前にご結婚されてお子さんがいらっしゃるし、AAAMYYYちゃんもこの前ご出産されたばかり。その他の交友関係でも、色々と感じることが多いのかな、だからこの曲ができたのかなと想像した。

綾斗さんのつくる曲は、どうしてこんなにも心の奥深いところに届くのだろうと思う。
高知新聞のインタビューで「胸がきゅーっとなる感覚みたいなものが誰しもあると思うんですけど、そういうものを呼び起こしたい」と、おっしゃっていた。音楽表現を通して、それができているのですごいなと思う。
『温泉ゆきたい』にしても、難しい言葉や表現は使われていなくて、人の心を動かすのは決して技巧的なことではないのだなと思う。そう思うと、反対に人心掌握術的なハウツー本にはどういうことが書いてあるのか少し気になる。

たまに、本屋さんや図書館でうろうろしていると「この本は絶対に私が好きな本だ」と読む前に感じることがある。本には文字という強力な要素があるので、タイトルで分かることも多いけれど、自分が得たい感覚というか、求めている感情に対してセンサーが働くのだろうか。カラーバス効果なのかな。でもなんか一言で言い表したくないことってあるな。
「胸がきゅーっとなる感覚」を呼び起こしたいという綾斗さんは、そういう感覚に対して意識的に/無意識的に敏感なのだろうかと思った。だからといってそれを表現できることには繋がらないので、ライブに行って曲を聴く度に「いいな」「すごいな」と感じる。長崎もそうだった。

Twitterを見たところ、綾斗さんは21日に長崎に到着したようだ。22日の朝から軍艦島に行ったとおっしゃっていた。
軍艦島ではガイドの方が説明してくださるそうで、綾斗さんグループのガイドさんは流暢な説明だったけれど、別グループのガイドさんはおじいちゃんであんまり説明になっていなかったといったお話をされていた。でも、その感じが良かったと。
「そこに気が付くか!」って、自分が気にもしなかった部分に目を留める人や、関心を持つ点が近しい人の存在って良い。だからこの話は良かった。

ライブ終演後は三大夜景を観に行くとおっしゃっていた。しっかり観光を楽しまれているようで聞いていて見ていて楽しい。
そして、TwitterとInstagramの更新頻度が激増で、本当に、本当にうれしい。

長崎については、いい意味でハリボテのようだとおっしゃっていた。バーの店主さんも笑っていた。地方公演のMCって、その土地の人に不快感(?)を与えないようなことを言いがちだと思うのだけれど、率直に思ったこと言える裏表のなさが良いなと感じた。
(当たり前だけれど)私にできないこととか、ないものとか、綾斗さんにはたくさんあるので、細かいことにもいちいち「わっ!」ってなる。
綾斗さんの人間性があるから、初対面でも店主さんと肩を組める程の仲になれるのだろうなと尊敬する。
MCで「Music Bar Paranoiaのこと大好きになっちゃいました」とおっしゃっていた。そういえば、21日の晩も飲みに来たと言ってた気がする。
「また皆で来ましょう。いや、皆はおかしいか。長崎に来たらぜひ来てください」とのこと。録画してないのでセリフは雰囲気です。

最後の『遺言』を歌う前、「僕の人生のモットーはがんばらないこと。明日もがんばらずに行きましょう」みたいなことをお話されていた。実際には「モットー」という言葉は出てこなくて、「僕はがんばらないことが、人生のなんて言うんですっけ、なんかあるじゃないですか……」みたいな感じだったと記憶している。

約1時間のライブはあっという間で、本当にあっという間で、かけがえのない時間だった。
整理番号が近かった子は綾斗さんの弾き語りライブがはじめてだったようで、とっても良かったと帰り際に話していた。帰路もご一緒させてもらったのだけれど、なんと同じホテルに泊まっていたし、部屋も同じ階だった。また福岡で会いましょうと言って別れた。

本当に良い一日だった。長崎編終わり。

物販で購入したTシャツと音源