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shima fes SETOUCHI 2023の日記
はじめての島フェスに行ってきた。日記を書きながら、最近思ったことや考えたことを整理したいと思う。
今回行ったライブ
・9/17(土) shima fes SETOUCHI 2023 1日目@直島つつじ荘(香川)
・9/18(日) shima fes SETOUCHI 2023 2日目@直島つつじ荘(香川)
交通手段の検討
小原綾斗さんが島フェスに出演するということで抽選に申し込んだものの、会場の直島へどうやって行くのか、泊まる場所はあるのか不安だった。
今年2月の糸島の弾き語り公演では、会場を確認せずにチケットを取り、交通手段を押さえる段階になって「どうやって行くんだよ!」と焦ったので、約半年の間に少し成長した。
今回の会場は島だから宿泊施設が少なそうだし、三連休だからフェス以外の観光客も多そうだし早めに宿を押さえた。
直島は香川県に属するが、高松港より岡山県の宇野港の方がフェリーがたくさん出ている。距離も近い。宇野港へのアクセスも考えて、今回は新幹線で岡山まで行くことにした。
早めに予約した方が新幹線代が安くなることは知っていたが、発売開始日を数日過ぎてから予約したら割引価格のチケットが全て売り切れていた!
次は気を付けようと思ったら、10月1日から「EXサービス」では最大一年先の指定席の予約が可能になるらしい。座席数には限りがあるので、余ってたら買える感じかな。
ということでライブの発表は早めにしていただけるとありがたい。仕事を休まないといけないことも多いので……何卒何卒。
出発前の憂鬱
遠足に行く前、楽しみで寝られないタイプと、憂鬱で寝られないタイプのどちらが多いのだろうか。圧倒的後者の私は、フェス前の一週間、憂鬱に押し潰されていた。
たまに自分が好きだと思っているものが本当に好きなのか分からなくなる。一番の趣味を聞かれたら「読書」って答えるけれど、本当に本を読むことが好きで読んでいるのか、読書好きというキャラ付けがないと不安になるから好きだと設定しているのか分からなくなる。
こういうことを考える時点で本当に好きではないのではないか?とか、考え出すと止まらない。どうしてこんな面倒くさ人間に育ってしまったのか?暇なのか?
今回の件で言うと、約30分のステージに時間とお金をかけて行くくらいだから好きなのだとは思うけれど、心から好きで行動に移しているか分からなくなる。
でも、この「心から」とか「本当に」の定義って何なの?とも思う。「心から好き」と「好き」の境界はない。もしその境界を定義できたとしても、心から読書が好きかどうかとか、本当に音楽が好きかどうかとか悩む必要がなさすぎる。
他人に対して「あなたは本当に音楽が好きでライブに来ているんですか?」と聞かれたら、「は?」って思う。美術館へ行く人に「美術館へ行く自分が好きなんでしょう?」ってからかう人に似ている。他人に聞かれたら呆れるような質問を、自分自身に対してしているのかもしれない。
「考えても答えの出ないような問いを立てるな!」って言いたいが、面倒くさ人間なので考えてしまうんだよな。
いや、なんか、本当に「好き」って何?(ふりだしに戻る)
ところで、この前オモコロチャンネルの「【特別編】オモコロチャンネル未公開シーン集『紹介動画』編!」を見ていたら、原宿さんと恐山さんがかまどさんの心理を突くような発言をされていて、まるで自分に対して言われてるかのように心臓がギュッとなった。
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原宿さんによる「言質を取られるのを恐れている」という指摘、深く刺さりすぎて抜けないレベルである。
自分自身に対する指摘を一切させないような論理や反論を準備するため考えすぎ病(仮)になってしまったのかもしれない。そしてそれは傷付くことを恐れる弱い自分を守るためである気がする。
同じ動画の恐山さんによる発言も突き刺さる。
「かまどさんはめちゃくちゃ気配りができるし その裏返しでめちゃくちゃ繊細なんですよね」「そのせいか自分にもめちゃくちゃ厳しい枷みたいなものを課していてその厳しさを外にも出すっていう」「だから自分のことをどこまでも弱者だと思ってる節がある」。
動画視聴後の私のHPは0。
そんなような気持ちでフェスに向かった(鬱々としすぎ)。
島フェス1日目の日記
今回の遠征のお供は京極夏彦先生の『塗仏の宴 宴の支度』。久々に読み返しているが、ぬっぺっぽうの章の不気味さが好きすぎる。こういう怖さが良い。こういうのが良い。
岡山駅に到着後、近くのコンビニで食料品を調達した。直島にはコンビニが一件しかないため、事前に買っておいた。これは昨年ラブシャへ初参戦した際、ホテル周辺にコンビニがなくて往復1時間以上歩いた経験から得た学びである。
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宇野港⇔宮浦港間のフェリーは往復券を購入した。切符は2日間有効なので、帰りに買う手間を省けて良かった。
とある場所でyonawoの荒谷さんを見掛けた。もちろん声を掛けられるはずもなく「荒谷さんだ……」と思いながら見てしまった(その①)。
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予約した民宿に到着し、荷物を預けた。チェックインは15時だったが、かなり早めにチェックインさせてくれた。ありがたすぎる。人の家に泊まるようで緊張したが、あたたかく迎えてくださり安心した。手土産を持ってきて良かった!
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フェスの開演まで余裕があったので、宮浦港付近を散策するとTofu Galleryという小さなギャラリーを発見した。
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直島在住のTyler Stenlundさんによる作品。まさかこんな最高の絵が観られると思わず一人で興奮した。
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絵の配置も、ギャラリーの薄暗さもすごく良かった。人通りが殆どなくて、静けさに飲み込まれるようだった。一人で絵画と対峙していると、ヒヤッとするような作品郡だと思う。こういう怖さが良い。こういうのが良い。
200円でポストカードが売られていたので、中央のお椀にお金を入れて購入した。
どの絵にも同じものが繰り返し描かれていて、それがすごく良かった。終わりがないような不安、無限に続くような不安に襲われる。
なんだかエッシャーの絵を好きな理由が分かった気がした。昇っても昇っても続いてゆく階段。終わりがないから、それが怖いから好きなんだ。
不老不死を求めるキャラクターっているけれど、不老は理解できても不死は本当に理解できない。なんで不老と不死ってセットなのだろう?私は無限に生き続けたくない。終わりがないって恐怖の一つだと思う。そういう幅広い概念の恐怖って良いよね。
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絵は不安感を煽られるけれど、このねずみだけはかわいかった。スキニーラットみたい。
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その後、ギャラリー前のお店で昼ごはんを食べた。そこまでお腹は空いていなかったが、しっかり食べないと熱中症で倒れると思ったので完食した。
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旅先では本を買いたいので、直島にあるアート島センターへ行った。
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本だけでなくアート用品が売られていたり、展示が行われていたり、色んな役割を持った場所だった。
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購入したのが『PUPSHAW & PUSHPAW』。しゃがまないと見えない場所に置いてあり、目にした瞬間「これだ!」となり買った。
長崎の本屋ウニとスカッシュさんで買った吉田篤弘先生の『針がとぶ』も、しゃがまないと見えない場所に置いてあったな……本屋に行ったらしゃがめ!
※店内の写真撮影の許可をいただきました。ありがとうございました。
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ちょうど良い時間になったので、町営バスに乗り会場へ向かった。
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会場に到着すると、ちょうどyonawoの荒谷さんのステージが始まる頃合だったので弾き語りを聴いた。yonawoのライブに行ったことがないので、はじめて歌声を聴くことができてうれしかった。
荒谷さんが何度も「あっつー!」と仰っていたが、本当に本当に本当に本当に本当に暑かった。以前、Twitter(X)にいつか屋外で夏フェスの開催ができなくなるだろうって書いたけれど、本当にできなくなると思う。16時スタートの荒谷さんのステージであの暑さとは……。
続いてタケモトリオさん、mophing people、Qnel(高橋健介さん)、おかもとえみさんのステージを観てこの日は撤収した。
元・引きこもりに二日間フル参戦は無理すぎる。体力が持てば最後までいたかったけれど、体力不足や体調不良で一番の目的である綾斗さんのライブを見られなかったら悲しいので潔く切り上げた。
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17時30分頃から始まったQnelのライブの時、ちょうど夕日が沈んでゆく時間帯だった。QnelがMCの途中に写真タイムを作ってくださり、空を撮ることができた。あの和やかな雰囲気すごく良かったな。
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ライブ会場を出た後、直島銭湯へ行った。銭湯自体が美術施設なのは珍しい気がする。
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もう一生行くことがないかもしれないと思い、目を買った。
その後、とある場所でやついいちろうさんを見掛けた。もちろん声を掛けられるはずもなく「やついさんだ……」と思いながら見てしまった(その②)。
この時点でまだTofu Galleryが開いていたので、また絵を観てから宿へ戻った。
島フェス2日目の日記
2日目は朝7時30分からスタート。朝型人間の私としてはうれしいのだが、夏のような気温でこのタイムテーブルは厳しいかもしれないと思った。
暑い。とにかく暑い。1日目は夕方に始まるから、だんだんと涼しくなってゆくが、2日目の場合は朝に始まり、だんだんと暑くなってゆく……。
日陰に行って動かなければ、汗が流れ続けるということはなかった。救いは日陰だけだった。
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朝に聴くNABOWAや、Noi Naaのライブはすごく良かった。「この暑さがなければ、もっと気持ち良く聴けた気がするがな!」と太陽に中指を立てた。
水泳や体育の授業でことごとく見学カードを使ってきたような私なので、暑さ耐性が低すぎるのかもしれないが、「死ぬ!」と思ってその後は日陰エリアに避難し、遠くから音楽を聴いていた。
カジヒデキさんのライブからステージの前に行って聴いた。『甘い恋人』を聴けてうれしい。
ところで会場へ着く前に遠目で「カジヒデキさんっぽい格好の人がいるな……」と思っていたら、ステージに立つ姿を見て「ご本人だったのか!」ってなった。
そのまま綾斗さんのライブを観た。観たのだが、綾斗さんのライブの時間帯が体力的にキツくて、今までに行った全ライブの中で一番集中できなかった気がする。ううう。悲しい。
暑さを極力避けて生きているので、今まで熱中症とは無縁だと思って生きてきたけれど、ライブ中に「これは熱中症になる!」って思った。気持ち悪いというか、じっと立っているのが無理な感じ。
相変わらず綾斗さんは「あと何分?」と聞いていらっしゃって(確か残り14分と残り5分のタイミング)、いつもだったら「もうそれしかないのか!」ってなるのに「私はあと14分も立っていられるか?」となった。
去年はじめて夏フェスに参戦して、行く度に色んなことを学んでいる。今回の学びは「無理するな」だわ。倒れたら、綾斗さんや、ライブを観に来たファンの方や、スタッフの方に迷惑をかけるかもしれないので、その場から離れて日陰に行く勇気……この時ははじめての経験だったし、そういう判断力も暑さに奪われてしまった。
なお、今年は熱中症で倒れた人のニュースをよく目にしたが、そういう人に対して自己管理ができていないとか非難する目的で書いたわけではない。
難しいなと思う。このライブのために来たのに最後まで見られないなんて辛すぎるからと、少し無理してしまう。分かる。
リハの段階では帽子を被っていなかったが、本番ではベージュ色のキャップを被って登場された。「キャップ姿、珍しいな」と思ったら、誰か知らない人のキャップだったらしい。ギターも誰か知らない人のギターだったらしい。いや、すご。
島フェスって、日本一ゆるいフェスと言われている(称している?)が、綾斗さんに合っているなと思った。アーティスト写真も寿司……ちゃんとした宣材写真があるのに、どうしてこうなったすぎる。
そういえば、この時のツイートがすごく好きでスクショしてあった。
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何故か分からないが忘れてしまうことや、覚えていようとすることにすごく美しさを感じるので心臓がギュッとなった(これは良い方のギュッ)。
綾斗さんも荒谷さんと同じく、1曲終わる度に「あっつい!!!」と仰っていた。「今までで本気で一番暑いかもしれない」と仰っていたような……。
こんなに暑いのにお水が用意されておらず、綾斗さんが「お水をくれませんか。ゴールドドリンクプリーズ」と伝えると、TOMOさんに飲みかけのペットボトル水を渡されて「僕、東京から来たんですが……」という一幕があった。その後、別の方が冷たくて新品のお水を持ってきてくださった。良かった。
何かの曲でコードが分からなくなってしまったのか、途中で終わらせていた。「このフェス、こんなんで良いんですよね?」と!笑
更には『革命前夜』の時に歌詞が飛んで、観客が歌っていた。
この日は譜面台にきちんとファイリングされた歌詞カード(多分)が置かれていて、それを固定するクリップまで用意されていたのに、『革命前夜』の歌詞はないの!?と、思った。探す素振りもなかったような。
2月の弾き語りライブの日記にも似たようなことを書いたかもしれないが、この感じで生きられるのすごすぎる。私には到底できない。もちろん馬鹿にしているのではなく、羨ましいに近い気がする。
私だったら絶対に歌詞を用意するし、MCも考えておくし、時間通りに終わらせるし……ステージ上の姿しか知らないけれど決して不真面目な性格ではないと思うので、というか誠実さを感じる場面も多いので、その真面目な感じと、ゆるさの塩梅、何???って思う。
ハッピーターンの粉とか、コカ・コーラとか、串カツ屋の秘伝のタレみたいに、製造方法不明のやつだって思う。その設定はチートキャラすぎてちょっと……って編集者に待ったかけられるやつだって思う。もしかして二次元から来ましたか。
最後に「これだけはやりたいと思ってきました」と言い、『遺言』を歌われた。この曲を聴いているとき、改めて波の音が耳に入ってきて良かった。
とある作品ではないけれど、耳を閉じることはできないのに聞こえないこともあるし、目を開けていても見えないこともある。おそらく他の曲でも意識すれば波音は聞こえたはずだけれど、『遺言』のときに波音へ意識が向いたの良かったな。
綾斗さんがMCで物販を持ってきたと仰っていたので見に行くと、『引っ越し』と『温泉ゆきたい』の音源や、小原綾斗とフランチャイズオーナーのCDが売られていた。
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ライブで『温泉ゆきたい』は歌わなかった。九州弾き語りツアー限定だったのかな。また聴きたいな。
ライブ終了後、とある場所で綾斗さんを見掛けた。もちろん声を掛けられるはずもなく「綾斗さんだ……」と思いながら見てしまった(その③)。
日陰で体力を回復させた後、MONO NO AWAREのライブを観た。太陽の光を浴びながら熱唱する周啓さん、爽やか青年すぎて驚いた。映画のワンシーンみたいだった。
周啓さんの活動範囲というか、できることというか、浜辺から眺めた海くらい広くて「何者???」となる。ちゃんと寝ていらっしゃるのだろうか。
ライブ終了後、とある場所で周啓さんと豊さんを見掛けた。もちろん声を掛けられるはずもなく以下略(その④⑤)。
最後に曽我部恵一さんのライブを観て、会場を後にした。
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アフターパーティーに参加するため、直島港へ向かった。
連れて行ったペンギン(昨年のFFKTで出会う)が暑さで少し柔らかくなっていた……比喩表現じゃなくて物理的に溶ける。暑すぎる。
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開演まで時間があったので、近くのカフェで休憩した。店に入るとMIZの曲が流れていてうれしかった。
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改めてこのジャケット良すぎるな。
アフターパーティー会場へ向かう途中、綾斗さんを先頭に、成順さん、豊さん、直哉さん達とすれ違って驚いた。ちょうど車も通っており人が歩ける幅が狭かったので、皆さんが通りかかるのを待つ間、「わあ……」と眺める人になってしまった。もちろん声を掛けられ以下略(その⑥⑦⑧⑨)。
皆さんは少し違うけれど、所謂「スクリーンの向こう側の人」が普通に歩いていると脳が処理し切れない気がする。自分と関わりのない世界に生きている気がしてしまうというか。小説を読んでいたはずなのに、いつの間にか自分が小説の中に入ってしまったかのようなありえなさ……。
うまく表現できないが、私は自分の周囲に境界線を作ってしまう人間なのかなとぼんやり思った。1月の小杉湯のライブで、綾斗さんがステージ側と観客側に境界線がないというようなお話をしていたことを思い出す。
会場に到着するも、何やら絶賛準備中の様子。開演は17時を予定していたが、実際に始まったのは17時45分頃だった。
ゆるっと始まったものの、確かTOMOさんのDJのタイミングで停電して音楽が止まってしまった。復旧するまで少し時間がかかった。
島フェススタッフの方が開演前に「まだ名もなきイベントに来てくださりありがとうございます」と挨拶していたが、はじめて感が満載の一夜だった。
アフターパーティーの会場は、将来的にチョコレート工場として稼働するらしい。そんな場所でライブやDJをするってすごくない!?企画した人、よく思い付いたな。トラブルはあったものの実現させたのもすごい。
ただ、会場に空調機が取り付けられておらず、非常に蒸し暑かった。停電が復旧するまで外で待っていようと思い、適当に腰掛けたら、隣で綾斗さんと成順さんがお話していて驚いて海に落ちるところだった。もち以下略(その⑩⑪)。
会場外には確か殆ど街灯がなく、よく見ないと誰がどこにいるか分からないくらい薄暗かった。
しばらくすると、スタッフの方が綾斗さん達を呼びに来たので、少し遅れて会場へ戻った。
TOMOさんと一緒に、綾斗さん、周啓さん、成順さん、豊さん、直哉さんがステージに立つ。しばらくして停電が復旧したのか、Perfumeの『チョコレイト・ディスコ』がかかった。この場にふさわしすぎる。
その後、何曲かかけて、ぬるっとTOMOさん達のDJタイムが終わった。
一応タイムテーブルはあったものの、開演の遅れや停電もあり殆ど意味を成していなかった。近隣に迷惑が掛かるため20時の終演時刻は変えられないようで、全体的な進行もふにゃふにゃしていた。
会場が暑すぎて外に出ると、さっきと同じ場所に綾斗さんや成順さんがいたので、離れた場所に腰掛けた。
しばらくぼーっとしていると、19時30分頃だったか終演前に綾斗さんやMONO NO AWAREの皆さんは車で会場を後にされていた。
終演後、希望者向けにシャトルバスが出る予定だったが、終演前の19時45分頃、車に乗るように言われて港へ向かった。アフターパーティーに関しては、最初から最後までドタバタしていた気がする。
人は様々な経験を通して学んでゆくが、私は典型的日本人というか、血液型A型のテンプレというか、型に嵌ったような人間だなあと思った。
開演が遅れるとか、トラブルが起きるとか、それに文句を言いたいわけではなくて、あのゆるやかに構成された空間を楽しむ能力(?)に欠けている気がする。うまく自分の安住する場所を見付けられなくて、だから駄目なんだよなあと謎に凹んだ。
私はこの世につまらない本は一冊もないと思っていて、もし「この本はつまらない」と言う人がいたら、「それは本がつまらないのではなく、その本を楽しめないあなたがつまらない人間なのだ」と言いたい(もちろん言わない)。
私がこの空間に馴染めなかったのは、空間が悪いのでなく、私に何かが欠けていたから落ち着かなかったのだと思う。
改めて書くが、イベントに文句を言いたいのではない。私が日記を書くのは思ったことや感じたことを素直に言葉にする練習なのだけれど、もしも不快に思った方がいたら謝罪します。
ホテルに着くまでBUMP OF CHICKENの『ギルド』をひたすら聴いた。
この曲は、入院していたときにずっと聴いていたという思い出があり別格なのだ。何かあると思い出したように『ギルド』を聴いてしまう。
型に嵌った人間なので「美しくなんかなくて 優しくも出来なくて それでも呼吸が続く事は 許されるだろうか」という歌詞に共感する。法律や規則を守ることは置いておき、生きることに「こうあるべき」はないと思うけれど、いつの間にか「こうあるべき」という枷を課してしまう(またしても恐山さんの発言が響いてくる)。
だから、こんな自分でも生きていて良いのか?という疑問が湧くのだろうが、自分で自分の首を絞めているだけなんだよなと思う。
ライブの楽しみ方とか、ふりだしに戻った「好き」の気持ちとか、いつの間にか「こうあるべき」を設定して、その型に嵌れない自分を罰しているような気がする。
私は型に嵌った人間なのではなく、自ら窮屈な型を作って型に嵌ろうとする大馬鹿者者である気がしてくる。
「ロックンロールは自由だ」って言葉があるけれど、私にとって完全な自由は不自由だ。どうしたら良いか分からない。というか不自由がなければ、自由という概念は存在し得ないのか。
校則や法律など、様々な規則を煙たがる人がいる。私は、そういう枠がないと生きていけない。だから、あらゆるものに勝手な規則を作ってしまうのかもしれない。生きるのって難しい。
無事に最終フェリーに乗り、宇野港に到着した。最後の最後にとある場所で綾斗さんをお見掛けした。も以下略(その⑫)。
3日目の日記
島フェス終了後、岡山駅からマリンライナーで香川県へ渡った。会いたい人がいたのだ。
小学校から大学まで全て不登校や休学を経験しており、学友というものが本当におらず。というか継続して付き合うことが苦手すぎて。「逆・継続は力なり」なら勝てるが、そんなものはない。
そんな中、香川県にはお会いしたい人がいたので連絡を取って月曜日に会いに行くことにした。
noteの存在がバレたら恥ずかしいが、まあその時はその時か……。
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本場のうどんが食べたいと言ったら連れて行ってくださった「おか泉」というお店。休みの日は長蛇の列になるらしいが、タイミング良くすぐに入店することができた。
うどんを食べている間に、外には行列ができていた!滞在時間の限られる中、本当に運が良かった。しかも奢ってくれた……優しい。
お腹いっぱい食べた後、近くにある本屋さんに寄らせてもらい小説を買った。その後、宇多津まで移動した。
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ポケモンのマンホールを見たり、
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海を眺めたりした。
近くに四国水族館があり、ショップだけ寄らせてもらった。水族館のグッズ好き。今回、お土産を買う時間がなかったのだけれど、ここで買うことができた。敬老の日のプレゼントも買えて良かった。水族館には行ってないけれども……。
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次に「トートコーヒー」というカフェに行った。うどんをお腹いっぱい食べたが、HPで見たティラミスを食べたくて注文した。おいしかった!
その後、瀬戸大橋方面に行こうかと提案してもらい、目的地へ向かう道中、「東山魁夷せとうち美術館」と書かれた道路標識が目に入った。
魁夷の絵が好きなので行きたいと言って、連れて行っていただいた(注文の多い訪問者)。
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16日から始まったばかりの特別展「魁夷が旅した北欧の風景と、暮らしのデザイン」では、北欧の食器類と一緒に絵画が飾られていて、今まで知らなかった魁夷の良さを知ることができた。
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美術館に併設されたカフェ「な・ぎ・さ」から眺める風景が素晴らしかった。カフェを利用する時間はなかったが、次に行くときは入りたい。
滞在時間は4時間くらいだったが、すごく充実した時間を過ごすことができた。四国は、綾斗さんの出身の高知県と、大塚国際美術館のある徳島県にも行きたいので、ぜひまた会いましょうとお別れした。
ちなみに愛媛県は猫の形だから行きたい!
時系列が戻ってしまうが、2日目のシャトルバスに乗る前にフォロワーのやっこさんから国際信号旗のハンカチをいただいた。
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2日目の日記に書いたように、よく分からない理由で落ち込んでいたのでとてもうれしかった。国際信号旗と言えば『コクリコ坂から』を思い出す。海に纏わるセレクトもうれしい。
名前をKにしているため、気になるのはKの意味だ。
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「K」は、"I wish to communicate with you."。海上保安庁のHPの和訳によると「私は、あなたと通信したい」だった。
もちろんKが本名ではないし、たまたまこういう意味なだけとは分かってはいても、なんだか自分に重ねて考えてしまった。
人と関わりを持つと、ネズミ講ように関わりが増えてゆくのが怖いし嫌で(例え方が悪い)、最低限の繋がりで生きていたいと思う。
でも、島の民宿の方や、本屋の店員さんなどの人との関わりでほっとすることもある。
一人でいたいという思いが強い一方、人と関わりたい欲求も強い気がする。
だから『呪術廻戦』0巻の「誰かと関わりたい 誰かに必要とされて 生きてていいって 自信が欲しいんだ」という乙骨くんのセリフは印象に残っている。
乙骨くんが自分の本音を見付けられたように、私も自分の本音を見付けられると良いなあ。
それが乙骨くんと同じだったら、私はKの国際信号旗を掲げるとしよう。