小原綾斗とフランチャイズオーナー「XXX」大阪公演の日記
愛知公演に続き、大阪公演に行くこともできたので、日記を書いてゆく。
※下記要素が含まれます。
・ライブで演奏した曲についての感想
・自作ぬい及びぬい撮り
今回行ったライブ
・11/17(金) 小原綾斗とフランチャイズオーナー「XXX」@Live House ANIMA(大阪)
愛知公演の後
愛知公演が終わり心地良い疲労感と充実感でホテルに戻った後、重大な忘れ物に気が付いた。子どもの頃から毎日飲んでいる薬を忘れたのだ。
愛知公演の日記に持ち物リストを作ったと書いたが、もちろんそこにも「薬(○○・△△)」とリストアップした。それなのに忘れた。
念のため身分証明書は持って来たものの、健康保険証ではなく免許証……顔写真があった方が何かと便利だと思い免許証にした私が馬鹿だった。免許証があったところで運転するわけではないから(ペーパードライバー)、ただの身分証明にしかならない。
16日にYouTubeチャンネル・ふっくらすずめクラブに加藤さんのメイク動画が上がっており、動画を観ながら「やっぱりモンゴルナイフさんはすごいな~」と思っていた途中で薬がないことに気が付いた。
慌ててスーツケースやバッグの中を探すも、薬を入れた袋の中にはロキソニンとかどうでも良い薬しかなくて(どうでもよくはないのだけれど)、肝心の毎日飲んでいる薬が入ってなかった。
忘れたものは仕方ないと思い、市販薬がないか検索してみる。処方薬しかなかった。辛い。ロキソニンだったら市販でも買えるのに……。
次に考えたのが、地元のかかりつけ医に電話して愛知県の調剤薬局に処方箋をFAXしてもらう作戦だ。コロナ禍のとき、いつももらっている薬だからと電話診療により処方してもらったこともある。
今、体調不良で病院に通っているのだが(病気ばっかだな)、受付の横にFAXが置いてあって処方箋を送っている患者さんを見たことがある。「これだ!」と、思った。
ホテルの周辺を調べると調剤薬局がたくさんある。翌日、大阪へ移動する前に行こうと思っていた愛知県美術館のコレクション展に行く予定は潰れてしまったものの、なんとかなりそうだと安心して眠りについた。
この経緯は家の者にLINEで伝えていた。翌朝起きるとメッセージが届いている。処方箋を先にFAXすることはできるが、薬を受け取る際に処方箋の原本がないといけないというのだ。
考えてみればそりゃそうだ。FAXだけで処方薬を受け取れたら、いくらでも悪用できる。馬鹿だった(二回目)。
仕方ないので、似たような成分が入った市販薬を買うことにした。ドラッグストアへ行き、薬剤師さんに代替品がないか尋ねる。「そうですね……」と言いながらスマホで調べ始める薬剤師さん。「○○は市販で購入できる?」というHPを見ている。昨日、私もそのHPで調べたなと思った。
しばらくして昨日見たHPを開きながら「これが一番成分的に近いお薬です」と言われて、薬を受け取った。一瞬思うことはあったが、「薬剤師さんを信じよう!!!」と思い購入した。
それにしても市販薬は高い。小原綾斗とフランチャイズオーナーの『ローライダー』2枚買えるじゃん、単行本1冊買えるじゃん、名古屋から大阪までの高速バス代払えるじゃん……と、忘れ物をした自分を呪った。
今、帰宅して日記を書いているが、無事に薬が効いてくれて大阪公演を観ることができた。薬剤師さん、ありがとうございました。一瞬疑ってすみません。
それにしても焦った。二度と同じ思いをしたくない。ということで次の遠征時は持ち物リストに書いたものをスーツケースに入れたら、チェックマークを付けていこうと思う。だからリストは使い回さないで、やっぱり毎回書いていこうかな……。あと遠出する際は健康保険証を持って行く。
同じ状況下で他にやり過ごす方法をご存知の方がいたら教えてほしい。一度自費診療で受けるとかかな。でも土日祝だったら病院がお休みかもしれない……たまたま市販薬に似たような成分の入った薬があったから良かったものの、なかった場合は……恐ろしや!
愛知公演の日記に、忘れちゃっても良いんだみたいなことを書いたが、薬と健康保険証は絶対に忘れてはいけません。分かりましたか。はい。
愛知から大阪へ移動
どちらかと言うと朝型人間なので、遠征時に別のライブ会場へ移動する際は朝方の高速バスや飛行機を選びがちだ。
今回は持病ではない方の体調不良の件もあって疲れちゃうかもしれないと思い、お昼頃の時間帯を予約していた。前述した薬局探しのドタバタがあったので、本当に昼頃出発にして良かった。
これは薬局が開く前に食べたモーニング。愛知県に興味を持った最初の理由はモーニング文化なので、やっぱり行っておきたい。
モーニング2件目。雑誌で話題になるような豪華なモーニングも良いが、飲み物にパンとゆで玉子が付くくらいシンプルなモーニングも良い!
店員さんに注文するとき、私の声が届かなくて、隣にいたおじいちゃんが代わりに呼んでくれた。優しい。
大阪へ到着した後、ホテルに荷物を預けてからライブ会場へ向かった。
ライブの感想
セットリストは愛知公演と変わらなかったと思う。『BAD FAMILY』から始まったが、愛知公演の日記に書いたような腑に落ちる感じはしなかった。なんだったんだろう、あれ。
Tempalayの続・ゴーストツアーのとき、似たような感覚に陥ったことだけは覚えている。あの時も「なんだろう」って考えれば考えるほど、その感触が遠のいてゆき結局分からなくなってしまった。もう2年前か。
夏のTempalayとKroiの日記に書いたもやもやを抱えておく力(ネガティブ・ケイパビリティ)って大事なのだなと思う。
もやもやを抱えながら、いろんなことをして、見て、聞いて、感じて、考える。常に耳を澄ませて、「あっ、これだ」って瞬間を逃さない人が「ヘウレーカ!」できる。私はしっぽを掴んだと思ったら、いつも毛先だけで本体を取り逃している感じがする。
綾斗さんは幼少期のなんとも言い難い心象のようなものを追い求めているらしい(深緑の日記)。たどり着きたくてもたどり着けないもやもやをずっと抱えていて、それを音楽でどうにか表現できないか模索していらっしゃるのだろうか。
30歳を過ぎた大人に対しては失礼な表現になってしまうかもしれないが、その健気な姿勢に泣きたくなるような気持ちにさせられるのと、それが非常に美しくて儚げな感じを覚えるのかなあと思った(「儚い」云々はこの日記にも書いた)。
愛知公演の日記から「分かりたいけど、分かりたくない」という大矛盾をうまく言葉にできない。MCを聞いて「こうなのかなあ」って分かろうと(?)想像はするけれど、例えばご本人に「こういうことです」って説明されて分かりたいわけじゃない気がする。もちろん自分の解釈を押し付けたいわけでもない。そもそも「分かる」とは何なのか……。
『BAD FAMILY』の次は『BAD BOY』だった気がする。少し前までセットリストを覚えようとしていたが、覚えることに頭を使うより、今を感じることに集中したくて努力するのをやめた。セットリストという誰にでも記述可能な事実を覚えておくより、もっと私的な部分を大切にしたい。
これはセットリストを覚えようとする人が良くないと言いたいのではなく(覚えられるなら覚えたい)、取捨選択の結果というか、重要度の問題である。
『BAD BOY』の物語が動き出すようなはじまり方に毎回感動する。自分自身が動かないと周囲の景色は変わらないけれど、この曲は景色ごと動き出しそうなはじまりの音がする。とっても良い。
『BAD BOY』は、一番最後の『おかしな気持ち』の後にも少し演奏してくれるのがうれしい。『おかしな気持ち』で終わるのは、Tempalayのライブが『そなちね』で終わるときのような余韻を残してくれて好きではあるけれど、『BAD BOY』で終わるのも良いなって思う。選べない。
『えび!』と『鮭』も演奏した。綾斗さんが「海鮮バンド」とか表現されていた気がする。この日の公演はソールドアウトだったから、「大漁大漁」とも仰っていた。あと『鮭』は「さけ」じゃなくて「しゃけ」って発音されていた。歌詞と同じで「しゃけ」読みなのかと脳内メモした。
『鮭』、曲名が分からなかった頃からずっとずっと良い。個人的に愛知公演は「光踊るまるで宝石さ」の後のギターがすっごく良くて、大阪公演は「シャケなBabyよ」から続く曲の部分が良かった。
二日目の方が声が掠れていて、歌い方にぎゅっとなった。いつもこの歌詞の部分が好きで集中して聴こうとするので、その後、力を抜いてしまってきちんとギターを聴けていなかった気がした。愛知公演の演奏は本当に良かった……そこだけ30分くらい続けてほしい。『犬と猫』の最後のギターも良い。あれも30分くらい聴いていたい。
『ローライダー』以外の新曲が2曲あった。1曲目は、一度聴いたら、その後思い出せなくても、もう一度聴けば一瞬にして甦るような特徴的なリフのある曲だった。
もう1曲は、FCOではこういう曲を歌ってくれるんだ……って思うような曲だった気がする。すごく良かった。
はじめて新曲を聴けるのがライブというのがうれしい。ライブに行かないと聴けなかった頃を思い出す。今回の『ローライダー』にしても会場限定発売だし、これまで2枚出したEPもフルで配信はされていない。
インターネットが当たり前の時代に、フィジカルにこだわるところというか、いつも価値ある体験を提供してくれるところが好きだ。
もちろん『ローライダー』のCDは買ったけれど、すぐに音源を聴いてしまうのがもったいないので忘れた頃に聴いて「そうだ」って思い出したい。私のこういう癖(へき)、なんなんでしょうね。
『ローライダー』は、今までのFCOにもTempalayにもないような疾走感のある曲で、はじめて『おかしな気持ち』を聴いたときのように「こんな曲もつくって歌えるんだ!」という衝撃を喰らった。本当にかっこいい。
『おさんぽTOKIO』もすごく良かった。音源のように感情を抑え気味で歌う最初のラップが良すぎて、2回目とのギャップが素晴らしかった。
ラップをするときに手でリズムを取る人に「いいな」って思うけれど、最初のラップを歌う綾斗さんみたいにあんまり動かないで歌うのも良かった。2回目はリズミカルに歌って、その差が良すぎて。
この日は「真剣に見ないでください」と言われなかったが、「後ろに素敵なバーカウンターがあるので」というお話はされていたように思う。
Tempalayで綾斗さんのことを知ったので、やっぱり綾斗さんのボーカルにはAAAMYYYちゃんのコーラスが一番良いって思ってしまうのだけれど、Kayaさんのコーラスもすごく良かった。そしてKayaさんがかわいすぎて……セットアップが似合いすぎて……ツーサイドアップありがとう。
昔からイラストや漫画とかでつり目困り眉と、たれ目つり眉の子に「かわいいなー!」ってなるのだが、Kayaさんと綾斗さんで満たせるこの気持ちよね。
今回のツアー、いつも以上に写真の投稿が多くてめちゃくちゃうれしい。アパレルブランドとコラボしているっていうのもあるのかな?公式からの供給に咽び泣くヲタクの気持ちが分かった。
大阪公演では全員GALFYのセットアップのゴールドカラーを着ていらっしゃった。商品名は"GOLD"と書かれているが、黄色味が強くなくてシルバーに近いような色に見えた。とてもかわいかった。
集さんが「昨日(愛知公演)は黒で体型をごまかせたけど、今日のゴールドは膨張色だから……」と言うと、綾斗さんが「膨張色じゃなくて、(集さん自身が)膨張してる」と!集さんは「僕みたいな体型の人は黒をおすすめします」と仰っていた気がする。
愛知のMCも大阪のMCも、きっと楽屋でもこんな雰囲気なんだろうなって感じる温度感ですごく良かった。
いつも最後に演奏する『おかしな気持ち』も本当に良かった。
最近Tempalayの『Superman』が配信されたが、綾斗さんの使う「素晴らしい」という言葉はどこか皮肉めいて感じられる。素晴らしくない世界で素晴らしさを叫び続けるような虚しさというか……諦めというか……なんと言ったら良いのだろう。
『素晴らしき世界』における「地下鉄は酒の匂いとため息が なんて素晴らしき世界」のような皮肉さで「素晴らしい」という言葉が響くのだ。
でも『おかしな気持ち』で歌われている「素晴らしい日々」という歌詞は、本当に日々を素晴らしいと思っている気がする。なぜだか分からないけれど急に走り出したくなる、子どもの頃のあの感じ(としか言えないもの)を思い出させるんだよな。
成順さんの「FCOのツアー本当に普通に楽しくてまたやりたい」って投稿にこの二日間の全てが詰まっている気がした。
一旦20日の東京公演で終わってしまうけれど、近いうちにまたライブをしてくれると良いな。とりあえず発表するだけでも良いので……お願いします。
ライブ後の日記
「大阪へ来たら京都へ行かなくちゃ!(?)」ということで、ずっと再訪したかった光明院に行ってきた。
「ドォォォン!!」ツアー岡山公演の日記で、要約すると「庭最高」ということを書いたが、庭の良さに気付いたのがこの光明院だった。原点の庭。
京都在住の人が「今日は寒い」って言うくらい寒い日で、がんばっても1時間しか居られなかった。
前回来たとき、骨になった私(アイコン)みたいな子いたっけ?と思ったら、22日まで「浅山を行く人々 鳴動する風景」という展示が行われているらしい。
骨の私ならぬ羅智信『―漁る―棲む―渡る―』は、「前にもいたっけ?」と思ったくらいなので、意外にも光明院に溶け込んでいたと思う(私の観察眼がないとも言えるが)。
人間の見ていないところで、庭を闊歩していそう。かわいい!
展示物は何点かあって、この作品がすっごく良かった。この子は部屋の隅にいて、「前にこんな生き物いなかったよね!?」「狐!?」と思ったら、作品の一つだった。
お腹が上下に動いていて、まるで丸くなって寝ている猫のようだ。傍によって耳を近付けるとモーター音が聞こえてしまうけれど、それは心のノイズキャンセリングヘッドホンを装着すれば良い。
呼吸しているから生き物であることは想像できるけれど、丸くなって顔が見えないから何なのか分からない……写真だと分かりにくいが、耳のようなものがある。絶妙な作品だなと思った。
すごくかわいくてしばらく横にいて一緒に庭を眺めた。かわいい。次に光明院に行くときはいないんだ。さみしい。それくらい気に入った。
純粋に「いいな」とか「楽しい」とか「かわいい」、「さみしい」って感じられるのうれしい。頭で考えてそう思おうとするのではなく、身体で実感できる感じ。
愛知公演も大阪公演もそういう瞬間がたくさんあって、ライブの時間にしたら合わせて2時間半くらいしかなかったかもしれないけれど、時間の長さではないのだと思った。
未熟なので敢えて言葉にしてみないと分からないことだらけだし、すぐ忘れるから何回も同じことを書いては気付いてを繰り返している!
考えても実益のないことばかりに頭を巡らせているけれど、このもやもやする時間が実感を得るために大切な気がして、やっぱりこれからも時間とお金と環境と体力が許す限り行けるライブには行きたいなあと思った。