20 - ココ・ゴードン・ムーア
20(*19はこちら)
Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): 来客用のグラス作ってみた。
Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): ダーチャ・ダブルス。
C: ロシア語なのに何個かずれて……配色がインド。はははは。
JC: ははは! いい! 実は密接、とか。
C: 何かに引っ張られた。次の大国?
JC: ロシア、中国、インド。充分回りますわ。
10の断章 その7
C: 次のメモは「ココ・ゴードン・ムーア」。
JC: ほーん。
C: ピンとくる?
JC: わかんない。
C: シュプールの表紙になってた。
JC: そうなの。ココ……キム・ゴードン?
C: そう。キム・ゴードン&サーストン・ムーアの娘がモデルやってる。
JC: あ~そういうこと。なるほどね。
C: 強烈でしょう。
JC: あ~、なんか遠くなるよね。意識が。
C: インタビューによると、ベビーシッターがクロエ・セヴィニー。
JC: あぁ。いるでしょう。
C: わたし当然クロエは好きだよ。でも、これまたやるのね、と思った。慈善事業の話とか……。まぁ「あなたは90年代嫌いで目が曇ってる」と言われればそれまでかもしれないけど……。
JC: ソニック・ユースは自分達の世代にとっては別格だからね。ふぅ……。これから益々やるでしょう。勝手な想像だけど、微妙なポジション取りをしてるはずだよ。有名なモデル……で、SDGsに乗っかってくるわけでしょう。やめといた方がいい。
C: 避けられない。
JC: 今Sonic Youthやってないでしょう。お母さんが止めないと。
C: うん。
JC:どういう言論をしているのか気になって一年ほど前にちょっとだけ調べたのね。
C: うん。
JC: キム・ゴードンのインタビューみたいなのが載っていて、「反トランプ」みたいな動きをしていたのを後悔している、といったような内容だった。ポジション取りをしてらっしゃる……と思ったね。そこからは追いかけてないから分からないけど。
C: 今は娘さんの話題に。
JC: まあでも……あの二人の子供なら真っ当に生きれば良い芸術家になりそう、と思うけどね。
C: うん。いい面構え。それはもう才能がある人なんだろうな、という面構えだよ。
JC: そうだろうね。その……慈善事業ね。本当の慈善事業に取り組むなら大いにやった方がいいと思う。ま~~~ぁ、偽物だからね、ほとんどが。
C: そうね。
JC: プーチンがわざわざ「欧米は偽善を振り撒いている」と言ってた。ははは。
C: 苦い話題。
JC: そうね。苦いね。ニール・ヤングのSpotify引き上げのニュースあたりから苦さは増してる……。新しいシングルが出ていたけど全然駄目だった。見事なほど。もう年というのはあるけど……そういうのは音楽に出るでしょう。
C: ニール・ヤング or ボブ・ディラン?
JC: ディランはもともとスポークスマンみたいなところがあるからね。
C: じゃなくて、「不自由な二択」。
JC: はははは! 選ぶの!
C: ははははは。
JC: 確かにそういうところがあるかも。
C: わたしはどちらも聴かない。
JC: そこのラインで行くと……ボブ・ディラン選んじゃう。グノーシス派たちは。はははは。
C: 苦い話題ですよ。
JC: ボブ・ディラン……『20世紀少年』推したりしてた。
C: へえ。浦沢直樹?
JC: ちらっとだけ読んだ。
C: 面白いよ。”Winner Takes All” 的なね。「勝った側が歴史を決めていく」ということをちゃんと描いてるのが素晴らしい。
JC: そうだね。そのあまりにも正論な世界をボブ・ディランは当然称賛してるよね。一回キリスト教に改宗して、ユダヤ教に戻ってるし。なんかあったんだろうね。『20世紀少年』に感銘を受けたと言って、ツアーにあのマークを使っていたけど……。
C: ともだち。
JC: 単に「目」がバーン! とあるだけになってた。はははは!
C: ははははは。
JC: それがしたかっただけだと思う。めっちゃ目が見下ろしてた。
C: それこそ「国民的作品」くらいの作品だよね。これだけ人気が出てたくさん読まれたものでも……伝わらないよね。
JC: 危ない所に足を突っ込んで描いてくれてるわけだからね。だけどエンタメになったり、陰謀論にだけ広まったり……そういう事がずっと続いていたという。全部込み込みなのに。芸術を無下にするとロクなことがないよ。
C: そうだね。これは……苦い話題だったね。
JC: 結構苦め。
(つづく)
2022年2月25日 dacha doublesにて録音
ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)