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『フライデーあるいは太平洋の冥界』
ミシェル・トゥルニエ 1967年の小説
2009年発行/榊原晃三 訳
池澤夏樹=個人編集 世界文学全集より
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なんて言ったら……もう名著。歴史的小説と自分は思っている。『ロビンソン・クルーソー』が元の話になってるんだけど、ロビンソンが島に一人でいて、自分の生活……生きていくためにはまず何が必要かみたいな、どうやったら生き延びられるかというのを、現代の生活のいわゆる「コード」化された生活から探し始めるわけだね。反復させる可能性とか。それが段々と脱コードへと向かっていくという……ドゥルーズとかポストモダンの人たちが考えていたような事が見事に小説になっている。ドゥルーズ読むよりこっち読んだらと思うくらい重要。ドゥルーズの後期の本にもよく出てくる作品。これは池澤夏樹さんのシリーズ。この人のお陰でこの値段で手に入るようになったね。(JC)
(*17 より抜粋)