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ライナーノーツ - deuc remix works Vol.1/doubleeleven undercurrent

今回も過去のブログから引っ張ってきた記事を加筆修正してお届けです。
doubleeleven undercurrentの2010年制作のCD「deuc remix works Vol.1」です。


deuc remix works Vol.1

doubleeleven undercurrentの5枚目のCD。2010年10月リリース。過去リリースした曲のセルフリミックス集。全5曲。

crimson -into the deep Remix-

※原曲は"red rabbit, black cat"の1曲目に収録。

確か一番最初に着手した曲。2010年の6月にやったdeUCの初ライブの頃には、すでにいまの形に近いデモができていました。

crimsonは原曲もクールな印象のツインボーカルの曲だったんですが、アレンジを考えたときに、クールというよりは「無機質な」方向に持っていきたいと思っていて。作業を進めていく中では音・ループ素材もダークでひんやりした、冷たい印象のあるものを意識的に選んで組み立てていきました。

音数はそんなに多くないので、ディレイやリバーブをちょっとだけ強めにして、奥行き・幅を出していったら深遠なイメージも出てきたので、そこから"into the deep"というサブタイトルがついたり。テンポも少し早くしたんですがよりドライブ感が出てきて大正解でした。

Because I love you, darlin' -frozen cream-soda Remix-

※原曲は"デイリーライフ"の3曲目に収録

サブタイの由来はイントロのSEから。炭酸のはじける感じがなんだかクリームソーダっぽかったので。比較的、原曲に近い感じのリミックスではあるものの、後ろで鳴っているパーカッションがトライバルな感じになっていたりと細かいところをちょこちょこと変えています。

これもcrimsonのリミックスと同じでだいぶ前から形は出来ていて、夏場に一時の涼をこの曲に求めたりなんかもしてました。寒くなってきた今聴くと「夏は終わったなぁ」なんて思ったりも。
よく考えてみると歌詞は春のことを歌っているのに、曲調は夏、そしてリアルな季節は秋。まとまりありませんね。

技術的なところの話ですが、今回は各曲に音の広がりを持たせたかったんでステレオイメージャーっぽいものを2mixに刺してます。ミックスが崩れるのが怖くて、これまでやってこなかったんですが、今回は楽曲の方向性とリミックスてこともあっていろいろチャレンジしてみようと。あとほんのちょっとだけディレイも加えて拡がりを出してます。

bitter,sweet and bitter -dirty electro Remix-

※原曲は"bitter,sweet and bitter"の1曲目に収録

deucデビューシングルの表題曲なんですが、今回はオリジナルの爽快さと180度真逆を行くダーティなエレクトロにしてみました。
制作的には最後に着手した曲。この形になる前には、ボサノバっぽいアレンジにしようかと思ってデモを作ったりもしていましたが、ほかの収録曲との兼ね合いもあって結局お蔵入りとなりました。

この曲、テンポが170もあるもんでハウスとかテクノとか...普通の4つ打ちだと合わないんですよね。散々悩んでそれでもまとまらず、いったんは収録候補から外したりもしてましたが、音素材も相当吟味し、ようやくこのようなダークなアレンジにまとまりました。緊張感のあるコード進行が個人的に気に入ってます。

1/100 -carnival carnival Remix-

※原曲は"LOVE×PRIME"の3曲目に収録

このCDを作るに当たってリミックス素材を大量に集めていたときに、ラテンとかサンバとか、ラテンのノリのリミックスは絶対にどこかに入れたいと思っていて。で、LOVE×PRIMEのなかでも元気のいい1/100にあててみました。

しかし、制作初期の頃からこんな雰囲気のアレンジにするぞというイメージはあったものの、なかなか形にならなくってだいぶ苦労しました。途中のデモをakariに投げても返ってくるのは「うーん...」という微妙な反応ばかり。自分の才能のなさに絶望してリリースはやめようと何度思ったことか!

これ作っているときはiPodにjazztronikとかLatinHouseのオムニバスを何枚も入れて延々と聴いていました。同じジャンルなのにそのクオリティの大きな差に愕然とし、ちくしょう!と思いながらひとり試行錯誤するという日々でした。

この曲、完全にヒップホップにしてしまうということも一瞬考えたのだけれど、僕の中にR&Bとかブラック・ミュージックの血は流れていないことに気づき2秒で断念しました。そういえば同人でR&Bやってる人たちってほとんど見かけませんね。

sirius -the concerto Remix-"

※原曲は"デイリーライフ"の5曲目に収録

デイリーライフの中で一番人気の曲。このCDはもうロットアップしてしまったんですが、まだ聴いたのことのない方にもなんとかお届けしたいと思い、今回のリミックス集に入れようと企画の段階で早々に決めていました。

リミックスというより、別アレンジでの収録というほうがより近く、アレンジ自体はシンプルに。テンポを揺らしたり、1コーラス目のあとにブリッジを追加した程度で原曲の雰囲気は損なわないまま、弦楽隊とチェンバロ、フルート、ホルンなんかを入れて室内楽風に仕上げています。

音源の話をするとMiroslav Philharmonikでほぼすべて組みました。16パートマルチなので使い勝手すごくいいです。オーケストラ音源だけあって質感がいいですよね。ちょっと湿った音がする。あと真夜中に弾いているイメージがある。メジャーなポップスとか、動きの大きいロックではもっと芯のある強い弦の音が欲しくなるので、ちょっと使いどころが難しいのだけれど、この手の泣きのバラードにうまくはまりますね。

リミックスではあるものの歌素材についてはほとんどいじらず、オリジナルのものをそのまま使用。歌に説得力があったので、手はつけないようにしました。akariの会心・入魂の歌をぜひ。そういえば全天で最も明るい恒星「おおいぬ座のシリウス」が美しく輝く時期はもうすぐですね。

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