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CANADAのDELIGHT物語〜やったろう関西〜 #01

CANADA
立命館大学ダブルダッチサークル「dig up treasure」出身。
2008年に結成、2009年には関西代表チームとしては初となる
「Double Dutch Delight Japan」優勝を果たす。
SHUN、NAOKI、MARINA、YUI、KEIの5人のメンバーからなる。

「Double Dutch Delight Japan」の開催がいよいよ今週末に迫っています。そこで今回、「Double Dutch Delight Japan × ダブルダッチマンコラボレーション企画」として、池ポンが特別インタビューを敢行しました。
2009年に、関西代表として初めてJAPAN優勝を勝ち取った「CANADA」のSHUNさんとNAOKIさん。お二人にとって「Double Dutch Delight」とはどんな存在なのか、当時を振り返りながらお話ししていただきました。
全3回でお送りする当企画、第1回ではCANADAがJAPAN優勝を目指していた訳をお話ししていただきました。
※2018年10月17日の記事です。



#01 「CANADAがJAPANで勝ちたかった訳」



池ポン:今日はデライトとのコラボ企画ということで、デライトにまつわるお話を伺いたく思ってます。中でも「そもそもデライトってどういうものだっけ?」という所にスポットを当てたいなと思っていて。
ダブルダッチのイベントが色々と増えてきている中で、デライトは主に学生の大会です。パフォーマンスのレベルとしては、正直コンテストの方が高くなってきてるのかなあとは思うんですね。チームの人数など、エントリーに関する制約もコンテストより多い中で、「お二人にとってのデライトとは?」というお話を、当時の視点と今の視点からお聞かせいただけますか。

SHUN:なるほど。

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池ポン:はい。CANADAといえばWEST代表として初めてDELIGHT JAPAN優勝を果たしたチームになるんですが、まずは読んでくれている方に向けて簡単にCANADAというチームの紹介をお願いできたらと思っています。CANADAを直接見ていない人もいると思うので。

SHUN:俺らは2007年に大学に入学をして、もともと全然違うチームで活動していて。「NETTS」「泰斗」「39!」っていうクソダサい3チーム(笑)。

池ポン:「39!」は、初めて聞きました(笑)。

SHUN:「39!」はNAOKIが所属してたね(笑)。俺は「NETTS」。alttypeのNao-Zとも同期で、Nao-Zも「サンキュー!」。

NAOKI:最初はNao-Zと同じチームだったね。

SHUN:その3チームで活動を始めたわけなんだけど、とにかくクソ弱くてウィーラブ(We Love Double Dutch)では「39!」が最下位、1年生の時のWEST(DOUBLE DUTCH DELIGHT)も最下位というハナクソチームだったね。
俺のいた「NETTS」はメンバーがサークルを辞めて、学祭後に3人になっちゃったんだよね。だから同期の3チームをシャッフルして、新たな2チームに生まれ変わったわけなんだけど、そこで生まれたのが「CANADA」と「Alley’oops」。

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NAOKI:2008年の1月だから、1年生の冬だよね。

SHUN:そうだね。だから初めて出たのが、その年のコンテスト(DOUBLE DUTCH CONTEST)だね。だからCANADAの発端っていうのはそういう感じ。その後、2年でデライトに出場したわけなんだけど、そこでも負けて。

NAOKI:ウエストは10位くらいだっけ。

SHUN:当時同期の「Vi-tour」っていうチームがあって、そこは2年生でJAPANに行ったんだよ。だいぶ悔しくて、その夏に1回だけミーティングしたんだよね。「CANADA」って本当にミーティングしないチームだったんだけど。

NAOKI:今の会社でいうと、画期的な会社だと思うよ。

池ポン:画期的?

NAOKI:会議なし。

池ポン:(笑)

NAOKI:「会議多いな〜」って会社だとよくあるじゃん。「みんな営業に行け〜」みたいなの、画期的でしょ?

池ポン:確かに(笑)。

なんか集まったんだよね。「一回話そう」って。

SHUN:全く会議なかったね。チー練(チーム練習)もあんまりしなかったし。でも2年の夏が終わった後に、なんか集まったんだよね。「一回話そう」って。

NAOKI:そうだっけ?

SHUN:で、そこでこの「唯我独尊キングNAOKI」が、「みんなごめん」って謝ったんだよね。ちょっと涙ぐみながら。

NAOKI:それ覚えてない。

SHUN:覚えてない?悪いことすぐ忘れるからな(笑)。その時に、それぞれの1番を目指そうって話をして。CANADAっていうチームはずっとNAOKIが作ってきてくれていたんだけど、そんなNAOKIが急に「ごめん」って。自分の中では、そこでチームが変わったというか。そのミーティングがあったっていうのは、本当にこの場以外ではあまり言ったことがなかったんだけど。

NAOKI:確かにそうかもね。でもSHUNが言った気がするなあ。「一回話そう」って。

SHUN:俺だったっけ?

NAOKI:俺から言ったとは思えない。

SHUN:まあそうだね。自分自身は同期や先輩含めて、誰にも負けないアクロバッターになるという話をして。その時、NAOKIは「PEEK-A-BOOに負けたくない」って言ってたよ。あいつらJAPANで1位だったんだよ、2年生で。すごくて。そこからは個人のスキルを高める期間が長かった。NAOKIだったらフリーロープ。周りでフリーロープをしてる人は全然いなかったけど。

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池ポン:当時はまだフリーロープしてる人、本当にいなかったですよね。

SHUN:いなかった。HKRさん(alttype)くらいしかいなかった。他のチームメイト、YUI(現REGSTYLE)、KEI、MARINAも踊りを習い始めたり。

NAOKI:そうだったね。「やっぱりダンス行こう」って。

SHUN:そこから2年生の冬にコンテストを迎えて。コンテストが確か6位だったの。

池ポン:はい、覚えてます。

SHUN:「CANADA」っていうチームの名前が売れたきっかけになったかな。そのコンテストの前日にCANADAはムッチャ喧嘩したんだよね。

NAOKI:で、夜行バスで向かって本番直前の通しを2回くらいやっただけで、それまで何もせず。その時はYUIが声かけてくれたんだよね。「練習しよう」って。YUIは大人だからさ。

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SHUN:YUIはそういうことやってくれるから。あいつの良いところはそういうところなんだよね。
その頃からCANADAっていうチームは、音楽を楽しみながらダブルダッチをするっていうチームで。音楽に合わせてダブルダッチをして、観客の心も音楽と一緒に楽しませれるようにしようねって感じだったのね。個人的には、2年のコンテストでは観客を盛り上げられた感覚があって。
そこから3年になって、NAOKIが「オレ最後この曲で行きたいんだけど」って持ってきた曲が「The Jackson 5」の「I Want You Back」。5人全員「めっちゃええやん」って言ってできたのが、JAPANの「CANADA」のパフォーマンスの原型だったね。ウィーラブやサマキャンを通してデモをブラッシュアップ、結果としてWESTでは1位だったね。

NAOKI:確かにサマキャンでは、自分たちで気付かなかったところを教えてくれたね。

SHUN:カナダ人の「JAPAN」なのか、それとも日本人の「CANADA」なのか。
WESTで1位を取れた瞬間に、JAPANでも優勝できるなと。もともとオレはめっちゃ前向きな方やから、絶対いけるだろうっていうノリでJAPANではノーミス優勝。NYでは俺が全てミスった(笑)。

NAOKI:そんなことなかったんじゃない?

SHUN:2曲目NAOKIが抜けると同時に俺が入るところで、NAOKIが踊りながら「ウェイ〜ッ」ってめっちゃ言ってて(笑)。多分NYの舞台で楽しくなってたんだろうね。それを見てオレが「ポウッ」って音で縄に入るんだけど、「ウェイ〜ッ」って入ったらテンション上がりすぎて、そこでミスったのと・・・(笑)。

池ポン:(笑)

SHUN:どこのチームも結構盛り上がってるんだけど、「CANADA」の時だけ絶妙な空気で始まったんだよね。MCが「Next is…CANADA,JAPAN!!」って国名が2つ続いて、客は「??カナダ?ジャパン?どっち?」みたいな(笑)。カナダ人の「JAPAN」なのか、それとも日本人の「CANADA」なのか。

NAOKI:やばいでしょ。

池ポン:(笑)

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SHUN:アポロシアターってみんな陽気だからMCが「HOUOH(鳳凰)!!」って言ったらみんな「ウェーーイ」ってなるんだけど、「CANADA,JAPAN!!」って言った時だけ、ざわざわ・・・ってなって(笑)。
そんな中でも、NYの逆宙はめちゃくちゃ高くて。高かったよね?

NAOKI:あのね、一番高かったよね。それだけすごい覚えてる。「うわ高えな」って思ったね。

池ポン:NAOKIさんの「ウェイ〜ッ」もNYだからこその、ですか(笑)?

NAOKI:一回自分を上げようかなって。

SHUN:NAOKIってさ、今こんな陽気だけどさ、昔ってすごい話しかけづらかったじゃん。怖い感じだったじゃん。

池ポン:はい(笑)。

NAOKI:ステップでタンタンタン、タンタンタン、で抜くんだけど、その時にJAPANまではこうしてたの(手を広げて)。でもNYで急にこう(笑)。

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SHUN:(笑)

NAOKI:アポロシアターでアドリブできなかったら、もう一生アドリブ出来ないなって思って。

池ポン:はあ・・・(笑)。

NAOKI:だからJAPANまではかっちり同じ動きをしてきたんだけど、ちょっとチームメイトを騙すつもりで。

SHUN:びっくりしたわ(笑)。

NAOKI:でも「ウェイ〜ッ」もそうだったと思う。みんな上がってなくて、一回ちょっと「ウェイ〜ッ」って言ったらみんな上がるかなと。

SHUN:とにかく逆宙がめっちゃくちゃ高くて、会場が盛り上がってた・・・っていうのをいつまでも見ていたいな〜って思って振り返ったら、俺が入るはずの2重がもう始まってたね(笑)。

池ポン:2ミス目ですね(笑)。

SHUN:まあ結局その2ミスだったんだけど、結果としてはNDDLでは2位だったね。

NAOKI:本当はね。WEST1位、JAPAN1位、アポロシアターでも1位だったら、それこそオイシイなって思ってたんだけど。

池ポン:グランドスラム的な。

NAOKI:そうだね。でも高い逆宙を見れてオレはもう満足したね。もういいかなって。

「関西のチームからも世界に行ける下地を作る」


SHUN:あのまま1位だったらもう俺らに会話はなかったかもね。このあと話そうと思ってたんだけど、なんでJAPANに勝ちたいかっていう「目的」を俺らは持っていて、それは今までにも話したことはあるんだけど。その「目的」があって、そのための「目標」がJAPAN優勝だったっていう意味では自分らの「目的」は果てせているから、自分としては後悔してないかな。

池ポン:「目的」ですか?

SHUN:CANADAがJAPAN優勝して世界大会に行くことで、「関西のチームからも世界に行ける下地を作る」っていうのがオレらのJAPANで勝つ目的だったね。
(※競技人口の増加、世界各国から集まる大会が増えたことによりNDDLは現在「国際大会」として位置付けられています)

NAOKI:そうだったね。

SHUN:関西を売りたい。「やったろう関西!」っていうのが、自分らにはあって。

池ポン:確かに今だったらあんまりない感覚ですけど、当時からすると関西のチームがJAPANで活躍してるっていうイメージは本当に薄かったですもんね。今SOUTH、NORTHがJAPANで結果を残すっていうイメージが強くないのと同じような感覚でしたもんね。CANADAがNYから帰ってきた時は、すごくオーラ出てました。

NAOKI:俺、その時髪編んでたもんね。

SHUN:編んでたね。そのためだけだけに、チー練キャンセルしてたもんね(笑)。

NAOKI:B-TRIBE TVにドレッドで映りたかったんだよ。

池ポン:(笑)。ドレッドといえば、ドレッドの上からカツラを被って就活してたとかなんとか・・・?

NAOKI:カツラ被って色々やってたことは内緒・・・。

池ポン:(笑)

(#02に続く)

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