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ダブルダッチ大辞典コラム

今週末はDOUBLE DUTCH DELIGHT JAPAN2020ということで。
ダブルダッチ大辞典、今回はこの方にQ&A行わせていただきました!

DELIGHT JAPAN歴代最高得点93点
革新的なデモを作り上げたチーム
”M.A.D”マサに聞く唯一無二のチームデモとは?

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Q1
M.A.Dの2013年デモはどうやって生まれたのか。
きっかけや、参考にしたものがあればお聞きしたいです。

以下長文です。
どうやって生まれたかは、ダブルダッチに何故のめり込んだのかが深く関わってるような気がします。周りくどいですがそこから話します。

新入生の時にストリートカルチャーへ憧れを抱き
大学入学後、ダブルダッチを始めました。
ダブルダッチにハマった理由は以下の2点です。

➀やみつきになるギリギリ感(=悪戯の感覚)
ギリギリで縄を越える感覚は、悪戯をしたときの背徳感に似てます。
(ハリーを跳べるようになったのは大学2年生から)
②和太鼓のリズムと鼓動
幼少期から取り組んでいた「和太鼓」
そこで探求したリズム・エンターテイメント性はダブルダッチにも共通していました。

当時憧れていたチームは「CANADA」です。
サークルに入ったばかりの頃は、大会の観戦を楽しみにしてました。CANADAのようなチームがさぞ沢山いるかと思いきや、どのチームも似たり寄ったりで見ていて本当に退屈でした。
加えて、当時所属していたサークルのFOGもあまりかっこいいと感じることはできませんでした。
当時、自分の中では”かっこいい=ちょっと悪い感じ”だったんです。そういう意味では想像していたものと違いました。

そんな環境で2つの感情が芽生えました。
「これ、いけそうだな」という自信と、
「今の退屈なシーンを『破壊』してやろう」という野望です。

当時自分がいた環境(サークル)も、大会(シーン)も、かっこいいと思えなかった。というか無知だったということもありますが、、。
ならば、自分たちが「かっこいい存在」になろうと決意しました。

目標としたチームは、“ASGRM”
「どの技が・・・」「使っている曲が・・・」「デモが・・・」
そんな個々の要素ではなく、
チームとしての「存在」そのものがかっこよく感じていました。なんで大会がそこまでない時代にあそこまでカタチできたのか。では「存在そのものがかっこよくなる」ためには、どうすればよいか?
考えた結果、以下のようなポイントが浮かび上がってきました。

①チームメイトをプロデュースする
②チームをプロデュースする
③みたことないパフォーマンスをつくる
この3点を意識しました。

その時のパフォーマンスだけが全てじゃないなと。

▼人前に立つ時の「見られ方」へのこだわり。
舞台上だけでなく、大会の会場入りする時や、レッツプレイに行く時も。

▼各々がプロフェッショナル人材に。
カオル、トミー、スエ、ダイキ、シモ、俺

トミー
→音編。学生時代の時点で120GBのiPodがパンクするくらいの曲数を持っていた。他にもマイソロジー(綴り不明)、MUTANTTなども

ダイキ
→縄の構成とスピード担当。踏ん張る力が凄く多少縄がズレても引っかからない。チームの空気が悪くなったときのりせ。

スエ
→実はステップネタのブレインは彼。面で4倍を跳ぶというのをカタチにしたのは彼。俺は二番煎じ。

シモ
→そもそも彼がいないとチーム運営は出来なかった。サークル内外の対外折衝やメンバーのお悩み相談。アクロバット。

カオル
→M.A.Dのカラーとセンスは彼女。常識を逸脱したアイディアを提供。衣装黒→白は彼女案。

▼「チームメイトをプロデュースする」という点についてはYoutubeに動画をアップしたり、チームTシャツの販売したりしました。練習はなるべく非公開に大会前の発表会にもなるべく出ないようにしました。選手も楽しませたかったです。

▼見たことないパフォーマンスを創るという点については、ダブルダッチの歴史の勉強をしました。一通りのダブルダッチの動画は全て見ていました。一方で影響を受けずきて惑わされないように・ブレないように、警戒もしてました。歴史を学ぶことは大切ですが、歴史を繰り返すだけでは新しい時代は築けません。

以上です。
質問の回答になってないかもしれないです。

※いろいろ動画観ましたが、特に自分が好んで見る動画と後輩に観てほしいものはプレイリストにまとめました。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLYcQeMmLFLgg2N3bGiZ6ROkmcez3GjlNV


特にこれとか。
https://youtu.be/4YhdxYR_oZ8


 Q2
M.A.Dのデモはダブルダッチ界にとてつもないインパクトを与えたと思います。先駆者がいない分、線路がない道をチームで歩まれたと思いますが"このデモで勝つ!"という自信が持てた、もしくは持っていた根拠はなんでしょうか。

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M.A.Dは、「1番ダブルダッチをして遊んでいた」ことですね。
それが自信であり根拠です。
1番跳んでたと思いますよ。

例えばフリーの倍速練も毎回2時間以上はやってる時期もありました。

・「遊び(≠練習)」という意識が強かったから、辛くなかった。
・遊びの中でネタが出来た。
・遊びで使う曲にもめちゃくちゃこだわった。結果、大体の曲は聞いたことがあり縄跳びでの表現方法も「遊び」の時点で出来上がっていた。

これにより、チームとしての共通言語が作られていきました。

よく「構成・曲・技」何から作りましたかと聞かれるのですが、M.A.Dの場合はそのフローがあまり決まっていませんでした。
極端にいうと、遊ぶ→遊ぶ→遊ぶ→完成。 

つまり、いざパフォーマンスを作ろうとなったときにはある程度パフォーマンスが完成されていました。逆にいうと溜まり場がないと何もできない集団です。進まないときは全くカタチにならないです。コロナには弱そうです。

当時の流れでいうと、2009年あたりからJAPANで関西が勝つようになって、技というよりテーマ性を強調したダブルダッチが流行ってました。
技がそこまで強くないけどさよならハリーで歌に持っていく世代。
でも逆にテーマがなくて、
俺らがカッコ良いと思うダブルダッチの骨組み
(ダブルダッチの仕草や遊びの要素)だけを集めたらどうなるんだろうって考えて、それをパフォーマンスにすると白MAD (2013年JAPAN)となりました。ダブルダッチ界でいうパルプフィション(映画)みたいな。
そこまで渋くはないか。

もちろん全てゼロから編み出した訳ではなく、この一抜けカッコ良いなとかこの黒人のリズム感やばいなとか感じたものを参考にしたり。
例えば、チームメイトのカオルはムーブの振りなどをVOGUE(ファッション雑誌)から良くとっていました。当時はこの子頭おかしいなと思っていましたが、モデルさんって売れるためにインパクトのあるポージングをしますよね。今思うと理に適ってのかな。

という感じでマニアックな要素なども中にはありましたが、できるだけわかりやすく表現しました。

結果、ダブルダッチにハマった理由に戻ります。
「ギリギリ感」と「リズム感」。
この2つが軸になりました。

ギリギリ感とリズム感を軸にして
カッコ良いものだけをわかりやすく魅せたかったので、その分不必要な要素は削りました。

・できるだけベーシック
・ネタ&技100%、技以外なるべくやらない
・企みのある構成
・踊らない
など

デトックス。
一回極限状態まで削ったら何か生まれる。

ただ、このやり方はユニットチームにはできなくて長年同じだったからこそできたのだと思います。

最近はテーマから決めるパフォーマンスが多いですが、”大会に出るからパフォーマンスを作ろう”じゃなくて、”戯れて魅せたい技できたから出よう”くらいのノリで大会に出たいですね。

Q3
ダブルダッチも多様なデモが数多くの舞台で披露されてきました。オリジナリティを創り出すことは、常に学生のデモ作りの中で大きな課題としてあると思います。自分たちのパフォーマンスを魅せる・創り出すことに関しまして学生にアドバイスや、メッセージなどありましたらいただきたいです!


常識でなく、良識に従え。

型を覚えることがダブルダッチではない。
先輩の言うことを聞くのが正解ではない。
型にはまるな。

日本の学生は、世界で一番、暇な人種。
人生の夏休み、やりたいことやれ。


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余談…
審査項目のオリジナリティとはなんでしょうね。曲と雰囲気だけなら、それはオリジナリティではなく表現力ですよね。と考えると表現力とはなんでしょうね。ダンスして衣装が派手なのが表現力なんですかね。であればプロチーム意外と地味だったりしますよね。ダブルダッチってなんなんでしょうね。

M.A.D マサ


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