Double Dutch Delight Japan 2018 CHAMPION「GREIF」~5人で切り開いてきた道~ #01
(掲載:2018年10月27日)
※掲載時の内容を転載しておりますが、一部の内容・表記を改訂しております。
ダブルダッチの学生最高峰の大会「Double Dutch Delight Japan 2018」が、2018年10月21日にカルッツかわさきで開催されました。
全国各地から選出されてやってきたチームの想いが激突し、例年以上にハイレベルな戦いを制したのは、日本体育大学ダブルダッチサークル「乱縄」所属の「GREIF(グライフ)」。2位は「孔雀(クジャク)」、3位は「吼凰華(クウガ)」と、乱縄の4年生が3位までを制した大会となりました。
優勝直後の「GREIF」にお話しを伺いました。聞き手はモエが担当。
悪いけど”1位はもらうよ”ってつもりで
――とにかく、今日は優勝おめでとうございます!本当にかっこよかったです。まずは一言ずつ、今の気持ちをお願いします。
ハッシー
私たちは1年生の時から目標のNYに向けて望んできたので、うれしいです!本当にこの5人だったら勝てると思っていて、楽しもうと今日はのぞみました。
「本当にこの5人だったら勝てると思っていて、楽しもうと今日はのぞみました」
ユリナ
私は今日優勝できて、リーダーのユウイチの笑顔が見れてうれしかったです。いつもユウイチは無表情だし気分屋だし、何考えているか分からないんだけど…。
ハッシー
え、恋人!?(笑)。
カナ
知らなかった~!(笑)
ユリナ
ちゃうちゃう(笑)EASTで優勝した時にめっちゃ最高の笑顔を見せてくれたんですよ。いつも全然笑わなくて(笑)。
「EASTで優勝した時にめっちゃ最高の笑顔を見せてくれたんですよ。いつも全然笑わなくて(笑)」
ユウイチ
笑っているけどな・・・。
ユリナ
いや、全然!鼻で笑うくらいなんです(笑)あの時の笑顔があと2回見れたら良いなあと思って頑張りました!
――素晴らしいチームメイトだね!そんなリーダーのユウイチは?
ユウイチ
僕は、1年生の時にREGSTYLEで今活躍しているKEITAさんの代がChap-Lin(チャップリン)、B-Jack(ビージャック)、Pa-Pilio(パーピリオ)で、JAPANの3位までの表彰台を乱縄で独占していて、それを自分たちの代でも実現させたいと思っていて。
チームの優勝はもちろんなんですけど、僕たち18代目みんなでJAPANの舞台を独占しようって絶対的な目標があったから、他のチームと切磋琢磨できたと思います。でも悪いけど1位はもらうよってつもりで。
「でも悪いけど1位はもらうよってつもりで」
――確かユナミは高校時代からダブルダッチをやっていたんだよね?
ユナミ
そうなんです。吼凰華のソウタと一緒の跳煌(ピョンラスタ)っていうチームでした。高校で勝てたらよかったんですけど、全く勝てなくて。ずっとJAPANも見に行っていて、最後の7年目にやっと出ることができました。やっと夢が叶って優勝できてうれしいです。
「最後の7年目にやっと出ることができました。やっと夢が叶って優勝できてうれしいです」
カナ
私は、チームメイトを信じ切ってやれたからこそノーミスが出たんだと思うし、支えてくれたたくさんの人に恩返しするのはこのデモしかないと思っていたので、優勝して一緒に喜んでくれる人がたくさんいてうれしいです!
大変なことは…たくさんありました(笑)
「優勝して一緒に喜んでくれる人がたくさんいてうれしいです」
――私個人として、GREIFは昔から上手な印象で。ずっとそうやって全員で目標を見据えてくることができたの?それとも、大変なこともあったりしましたか?
ユウイチ
大変なことは…たくさんありました(笑)
一同
(笑)
ユウイチ
1年の結成した時はダブルダッチの大会がどういうものか、ユナミ以外分かっていなかったので、初年度のDELIGHTは訳が分からず手探りで終わりました。それから、1年のコンテストからしっかり「ホリデークラシック(NY)で優勝する」という目標を掲げて、具体的に「2年でJAPANへ行く、3年でNYに行く、4年でNYへ行って優勝する」って明確な目標を立てたんですけど、2年生では敗者復活枠、3年では予選から上がることができず、なかなかうまいこといかなくて。最後にこうやって優勝できたことは、素直にすごくうれしいです。
――なるほどね。今回やっとJAPANに出れて優勝できたわけだけど、GREIFはなぜ今回強かったんだと思いますか?
ユウイチ
なんなんでしょうね…。
ユナミ
好きなことをやったからじゃない?
ユウイチ
4年目だけど、まだ1回も勝っていなくて。最初は重い曲でオーラをバンバンに出して、最後までダークにやっていこうって決まったんです。じゃあそれでステップ曲やらダンス曲やら探してきてくださいって言ったら、2人が持ってきたダンス曲がズッチャカズッチャカ…って(笑)え、あの時間なんだったんだ!?って。
「え、あの時間なんだったんだ!?って」
カナ
だってかっこよかったんだもーん。
ユウイチ
先輩から「みんながやりたいことを一つにまとめて、それが大きなブレがなければ良いものができるから」って言葉をいただいて。じゃあ本人たちがやりたい音ややりたいダンス、やりたいアクロをするのが一番輝けるかなあって考えました。最後に強かったのは、GREIFっていうチーム像にはまらずに、5人でGREIFっていうチームを作りたいと思ったからだと思います。今までは周りからのイメージに沿ってやっていた部分が正直ありました。今回はそれぞれのやりたいことを大事にできたのが良かったんじゃないかと。
――正直、乱縄のほかのチームに比べて、GREIFはすごくシンプルだなと思ったんだよね。それはあえてなの?
ハッシー
いや~複雑な縄技とか、できないですからね(笑)
ユウイチ
俺個人が、ダブルダッチで複雑なことをするのがかっこいいと思っていなくて。ダブルダッチは俺の中でこう(ベーシックの縄)なんです。
「ダブルダッチは俺の中でこう(ベーシックの縄)なんです」
ユウイチ
縄の中で何ができるのかが大事じゃないかと。俺たちは縄じゃなくてジャンパースキルを磨こうと思って頑張ってきました。みんな、俺たちのデモは真似することができると思います。そもそも、デモを作るときは、俺が「かっけー」と思うものしか入れたくなくて。ユナミは経験者だから「この縄どう?」とか言ってくれるんだけど、「何がかっけーんだ」って却下して、半ば強引に、このデモでいくよってやっていたんです(笑)
――そうだったんだ…。
ユウイチ
でもそれってよくないっすね。
一同
(笑)
ユウイチ
それじゃ内容は良いものができても、心がついていかないなって思って、みんなの意見を聞くようにしました。心からやりたいデモやらないと勝てないなって。
カナ
本当に意見を聞いてくれるようになって。コンテストまでは言っても却下で、どうせ言っても無駄だなって思っていました。今回のデライトのデモは5人で作ったって胸を張って言えます。主に考えたのはユウイチとユナミだけど、意見を言いやすい環境を作ってくれました。私は5人全員かっこいいから、やりたいことやったら勝てると思っていて、それが結果として現れてうれしいです。
「私は5人全員かっこいいから、やりたいことやったら勝てると思っていて、それが結果として現れてうれしいです」
――かっこいいなあ。ほか、どんなことにこだわった?
ユウイチ
練習は本番と同じじゃないと意味がないっていつも言っていました。
ユナミ
今回、とくに自分はずっとアクロを回っていました。結局アクロやらない縄とやる縄って絶対違うんです。ほとんどのチームって、本番のための練習じゃなくて練習のための練習しかしてないなって思っていました。アクラ―もダンサーも本番でできる動きをしないと勝てないなと思います。
――それ、本当に大事だね。
ユナミ
ちなみに、僕のアクロソロはチームメイトが作りました。自分のやりたいことに加えて、何が強みか、どうしたらかっこよくなるかとか聞いて、答えてくれたことを元にしたんです。こんなことをしたのは今回だけです。
ユウイチ
今までだったら絶対に受け入れませんでしたよ(笑)僕も変わったって言われますけど、一番変わったのはユナミなんじゃないかって思います。
ハッシー
本当に。180度変わりました。
カナ
昔は女の言う事なんか聞くかって感じで(笑)
――そうだったんだ!2人ともまた違った唯我独尊のリーダータイプだったんだね。
ユウイチ
こういう風に、チームを作り上げていくのは4年間かかると感じます。もっと多くの人に、ぜひ4年間やりきってほしいです。
(▼第2回はこちらから)
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