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第3回|ブラッシュアップの無限地獄

(※2018年4月8日の記事です)
T⇒TAKE
I⇒イケポン

I:たしかに、タケは何かのスキルが飛び抜けてるというよりは、考えてプロデュースする側って感じだったもんね。

T:おれは作る側になってよかったなって今になって思う。うどん屋は縄技とかせえへんし、ダッチの具体的なスキルが仕事に役立つということじゃないけど、ダッチへの取り組み方が仕事に絶対活きてくる。おれもそうやったし、それがあったからいま飯食ってられるから。

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“ダッチの具体的なスキルが仕事に役立つということじゃないけど、ダッチへの取り組み方が仕事に絶対活きてくる。おれもそうやったし、それがあったからいま飯食ってられるから。”

I:タケでいうとそれはプロデュースする力だったんだ。ひとつの技を完成させていくまでのプロセスが、メニューを作るときに活きたりとかもあるよね。

T:ありありやな。ブラッシュアップの無限地獄。

I:ああでもないこうでもないってね。

T:これにあれ入れたらもっとうまくなるんじゃないか。けどそれはやってみなわからへんし。やり続けないと見えへんし。

背面(宙返り)できたての現役生みたいな感じやね(笑) 。

I:今まで一番時間がかかったメニューってなに?

T:えーっとな、「カレーうどん」。あれが一番しんどかったな。
うどん屋が絶対使わへん食材を使いたくて。ある程度受け入れられやすい食材何かなって考えたときにパクチーが出てきて。出汁とパクチーをとりあえず合わせて食べて見てんけどゲロマズやって(笑)。
全く合わへんかってん。どうしたもんか、じゃあベースをカレーにしてみるかって。

I:最初はうどんだしにパクチーやったんや。

T:そう。全然無理やったね(笑)。普通のカレーでやってみてんけど、これまたゲロマズやって。出汁とカレーとパクチーが喧嘩しあってて、三者三様な感じ(笑)。

I:ははは(笑)。スパイス系のカレーだとパクチーがかかってるイメージは結構あるけどね。

T:出汁感が邪魔しよるねんな。

I:和風の出汁やからか。

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“普通のカレーでやってみてんけど、これまたゲロマズやって。出汁とカレーとパクチーが喧嘩しあってて、三者三様な感じ(笑)。”

T:そうそう、だから和風な部分を変えてみよかってことで、今度ココナッツミルクを入れてみたらドンピシャやって。「うわーまとまりやがったー!」でもなんか足りひん、、、けどまとまってる、、、。

I:ついにまとまりやがったか(笑)!

T:だから、背面(宙返り)できたての現役生みたいな感じやね(笑) 。

I:ちょっと怪我しそうなやつね(笑)。

T:そうそう。着地で手ついてるやつ。

I:けど勢いは一番あるときね(笑)。

T:それで出すの怖いやん?手ついてる背面を本番でやれるか?って話でさ。なんか足りひんってなったときに、酸味が欲しい、じゃあライムをかけてみたら「うわー!これ完璧やわー!」って。

I:手をつかない、ガン立ちの背面に(笑)?

T:なったね(笑)。でももうちょい味足せるやろってことで、じゃあ魚介系足してみよって干しエビを粉末にして乗っけてみたりとか。海老の魚醤をかけてみたりしてるうちにどんどんクオリティが上がっていって、いまはもう現役バリバリの頃のTKC(ASGRM)さんの背面に。

無添加無化調で体にやさしくて、お客さんが笑顔で帰ってもらえるように。

I:ははは(笑)。ちなみに、これが足りひんなってときに、あれが欲しいって感覚は瞬間的に降って来るもんなの?

T:あれが欲しいって降って来ることもあるんやけど、何気無く入れた食材がドンピシャでハマることも多いかな。

I:ほほう。逆に何かが絶対足りないけど、それが何かわからない時もある?

T:あるある。もうそれは手当たり次第に試してみるしかない。

I:思いつくものを全部?

T:業者さんに「こういうのありませんか?」って聞いて、持って来はったやつを試してみる。でも「ちゃうわー!」っていう繰り返し。

I:原価の制限みたいなものも?

T:あるけど、だからってクオリティを落としたくないし。やったら原価高くなってもいいし「やっちゃえ!」って感じの考え方やから。麺類ってだいたい原価率が30%くらいやねんけど、うちはなんか知らんけど42~43%くらいいってしまってんねんな(笑)。

I:攻めてるね(笑)。

T:あんまり数売っても儲けにならへん感じになっちゃってるけど、なんとかやっていけてるし。

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“うん、ミッション・企業理念かな、それが。無添加無化調で体にやさしくて、お客さんが笑顔で帰ってもらえるように。”

I:根っこは嵐山のためにっていうところがあるからできることだろうね。

T:うん、ミッション・企業理念かな、それが。無添加無化調で体にやさしくて、お客さんが笑顔で帰ってもらえるように。

(第4回へつづく)

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