第1話 狂ったようにダブルダッチをしていた
ダブルダッチ史〜歴史が動いた瞬間 〜
いま「当たり前」になっているダブルダッチシーンは、
過去に偉大な先輩方が歴史を動かして作り上げてきたものだった。
ダブルダッチシーンの歴史「ダブルダッチ史」を
紐解いていくインタビュー。
今回ダブルダッチ史を紐解くのは、「狂(kurui)」。DOUBLE DUTCH DELIGHT 初代王者であり、日本大学ダブルダッチサークル「D.S.P.」の創設者。最強プロダブルダッチチームとして活躍していた伝説的チームである。さて、どんな狂気的な話が飛び出してくるのか…。メンバーの翔太さんと俊輝さんに、ダブルダッチマンのモエがお話を伺った。
〈狂プロフィール〉
様々なアクロバットと、独創的な技を駆使した安定感のあるパフォーマンスを武器に、数々の大会で優勝。2005年9月に行われた初開催したDouble Dutch Delightでは3人で優勝し、ダブルダッチ界の常識を覆した。2005年12月にはNYのアポロシアターで行われた世界大会で見事優勝
さらに、新メンバーとして、日本トップレベルのダブルダッチ団体「乱縄」の歴史上最強と謳われたチーム「麒麟」のzoeが加入。2008年まで最強プロチームとして活動した。
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モエ:早速ですが、「狂」の皆さんはダブルダッチにどうやって出会ったんですか?
翔太:大学の同じクラスだったんだよね。たまたま女の子が「ダブルダッチしてみない?」って誘ってくれて、始めたのが俺と俊輝とTAKUYAだったの。
俊輝:女の子に惹かれて始めちゃったよね。ダブルダッチの動画見たら「できそうじゃね!?」ってなって。始めたら面白くて、せっかくだから学祭に出よう!ってなって、1年かけて出たんだ。でも女の子は燃え尽きちゃった(笑)
モエ:まさか女子は燃え尽きる(笑)
(オンラインで取材に答えていただきました)
翔太:でも俺らは燃えてきて「大会に出よう!!」ってなって、メンバーを募ったんだよね。
俊輝:そうそう(笑)当時は大会が2つしかなくて。Double Dutch ContestとDouble Dutch Challenge in 東京だけ。規模も今とは全然違ったね。Double Dutch Contest Vol.1の優勝者がstyle-Dで、それを見ながら「こんな風になりたい」と思って練習していたの。
翔太:Double Dutch Contest Vol.3に出たんだけどね、ボロボロだった。
俊輝:俺、縄一回しか飛んでない。あのときは本当に
翔太:順位発表されていないけど、たぶん最下位だったよね。
まずね、始まった瞬間立ち位置が違って。
モエ:なんで!?
翔太:あれ?俺ら立ち位置違うな?って戻ったら、そこも間違っていて、あれあれって俊輝が一抜けして終わったわ(笑)
俊輝:悔しかったよりも、よくわかんなかったし涙も出なかった…。
翔太:実は、初めて出た学祭は超良かったの。だから俺は悔しくてガン泣きした。乱縄の同期はすごかったし。
(最初はわけも分からず終わったデビュー。その後世界一になるとはね)
俊輝:狂の名前の由来って、本当に狂ったように練習していたことからつけたの。学校行ったら練習して、授業始まったら出席だけつけて練習して、夜も門が閉まるまで練習して。「俺たちまじ狂ってるよね」って。
モエ:ダブルダッチ狂ですね。
俊輝:3チャオもさ、今なら教えてもらえたらすぐできるじゃん。けど俺らは教えてくれる人がいなかったから動画をコマ送りして見て練習して、1週間〜2週間くらいかかったんだよね。でもできたときの喜びがすごくて。
(当時の喜びを表現してくれた俊輝さん)
モエ:ずっと動画を見て練習していたんですか?
翔太:動画なんだけど、大会の動画しかなかったの。大会ってすごいチームしかないわけじゃん…。それを見たところでだよ。
俊輝:よくわかんないでしょ。
翔太:初心者がいきなりプロの映像、今でいうならReg Styleの映像見ながら真似しているって感じ。どういう風になっているのか全然分からなくて、何回も何回も再生した。スロー再生して縄の掴み方見たり、どういうタイミングでチェンジするのかとか。
俊輝:ビデオルーム借りてやっていたね。そうやって、狂ったようにダブルダッチしてたから、狂にしたの
翔太:1日中やっていたよね。毎日10時間くらいかな。
(第2話に続く)
▼ダブルダッチマンサポーター
おかもん、ガスト、jumprope_aya_jp、まーくん、田中祐輝、盛山凌、すぎやまみつき、Fat man 肘 Crew、SPASCURRY、ほか匿名5名
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