新弾で誕生した【深淵の獣×スプライト】解説
《1. はじめに》
こんにちは。どつです。
関東で遊戯王しています。ドラゴン族デッキが大好きです。
今回の記事は【ビーステッドスプライト】です。
今まで存在していない組み合わせのデッキタイプでしたが、CYBERSTORM ACCESSにて【百檎龍-リンゴブルム】を獲得。元々登場していた深淵の獣と相性の良い【アサルトシンクロン】や【シノビネクロ】とのくっつきが良く、無理なくレベル2ギミックから【カオスルーラー】に繋げたり、レベル2チューナーを連続して供給することでパワー溢れるレベル10シンクロモンスターを並べることが出来るようになりました。
早速使用した所、100人規模の個人戦RAM祭にて8勝1敗(負けは優勝のピュアリィ)の3位と言う成績を収めることが出来ました。構築について非常に反響があったことに加えて、情報が少ないため動かし方やサイドチェンジ等知りたいと言う声を多数頂いたので、この度解説記事を作成させて頂きました。
初期原案自体は『吉田の遊戯王工房さん(@RLryzy)』が展開例を載せており、関東エリアのCS用にカスタマイズし使用しました。
【遊戯王ADS】新弾後の環境でUP主が注目してるビーステッドスプライトの先攻展開紹介とおまけでデッキレシピ - YouTube
※新規や緩和されたギミックを積極的に消化してくれるアイデアの宝庫みたいなチャンネルです。自分でデッキを考えたい人は特にオススメです!
現在は2022年の亡霊、クシャトリラとイシズを取り込んだティアラメンツが環境TOPになっています。深淵の獣とスプライトも2022年。当然ギミックのパワーは高く、対抗馬として期待できるのではないでしょうか。今回も大会で勝つことを目標にした構築・展開・プラン等をnoteで解説記事にまとめました。
本編では、【ビーステッド】、【スプライト】自体の動きがよくわからない方へ向けた”基本的な動き・カードの役割”。
これから組もうと考えている方へ向けた”【ビーステッド】と【スプライト】を組み合わせる事での”強み”。
大会で勝ちを目指すにあたってデッキの”展開方法・サイドチェンジ・各デッキ対面で気をつけるべき事”など実戦的なことについても多く解説していますので、様々な方が読んでも楽しめる内容になっていると思います。
基本的な記述の前半部分に関しては全て無料部分としていますので少しでも【ビーステッドスプライト】に興味を持たれている方は是非、読んで見て下さい。余談ですがデッキ名についてはどっちもカタカナにしたかったのと発音のしやすさからタイトル以外ビーステッドスプライトで統一しています。
後半部分はプレイ面の意識や勝率に直結するサイドチェンジも含めているので有料とさせて頂きました。【深淵の獣】が絡む部分ついては前回記事と共通する部分もありますがプラスアルファで加筆をしているのでボリューム自体はしっかりと増えていますのでご安心下さい。
非公認大会(CS)は今後当分出られなそうなので情報詰め込んでいます。それではご覧下さい!
《2. スプライト部分の基本的な動き方》
基本的に【スプライト】はレベル2モンスターがいる時にチェーンに乗らずに手札から特殊召喚され、リンク、エクシーズを駆使してスプライト以外の様々レベル2モンスターをサポートする元環境TOPデッキです。
特筆すべきは下級モンスターが全て(条件付ですが)妨害に繋がる効果を持っているので『増殖するG』等で展開が止まっても妨害を残せる点です。
『ギガンティック・スプライト』の制約で相手の『ニビル』を防いだり、『スプライト・スマッシャーズ』の存在で罠デッキにも強く、『マスカレーナ』や『スプライト・エルフ』により相手ターンにも動けたりと主要パーツが規制された現在も強力なギミックな事に変わりはありません。
今回は強力な効果を持ったキーカードであるシンクロモンスター【混沌魔龍カオス・ルーラー】を展開の基盤として使用するためにその下級モンスターをレベル4、8、10シンクロの素材にしたり、『スプライト・エルフ』による耐性、『スプライト・レッド』による誘発ケアなど、汎用性の高い出張パーツとして使用します。
その為、使用後に制約のつく『ギガンティック』や『スプライト・スターター』はスプライトのみの展開しか出来ない時か展開の最後に使用していく事になります。
基本ムーブとしてレベル2チューナー召喚から『スプライト・ブルー』特殊召喚、もう1体のスプライトをサーチし特殊召喚、『ルイ・キューピット』を特殊召喚。その効果で自身をレベル6にし、『カオス・ルーラー』をシンクロ召喚しながら『キャシー・イヴL2』をサーチ。そのまま特殊召喚し『スプライト・スプリンド』にリンク召喚。その効果で『シノビネクロ』を含む蘇生コストを墓地に揃える事がこのデッキを回すために必要な下準備です。
この動きを行うと『カオスルーラー』を経由して帰還した『シノビネクロ』と共にレベル10シンクロモンスターに繋げる事が出来ます。もちろん従来通り、深淵の獣(墓地コスト)+レベル2チューナーで動いていくこともあります。本デッキは『カオスルーラー』の落ちに加えて手札の組み合わせにより展開が変わるので非常に奥が深いデッキとなっています。
《3. このデッキの強み・深淵の獣と複合した理由》
◎最大値が高い
デッキ内のスプライトと深淵の獣のギミックはレベル2チューナーが挟まる事で繋がりますが、単体でも十分なパワーを持っているのもまた事実です。
そのため片方を多量に使うことなく展開したり『カオスルーラー』の効果で引いてなかった方のギミックや『アサルトシンクロン』に繋がった場合、妨害数は単純に倍増します。
例:元々バロネス+ディスパテル+ドルイドヴルム+烙印の獣の予定だったのに『カオスルーラー』で『ブルー』が捲れたから『エルフ』と『レッド』と『スマッシャーズ』が追加された。。。等。
◎先行の制圧力と後攻の手数の多さ
上述のカオスルーラーにてサーチ出来たカードを中心にリソースと妨害が広がっていきます。ランダム要素はあるものの、上述のレベル10シンクロモンスターへの確定ルートもあり、帰還するシンクロモンスター、蘇生する深淵の獣とレベル2モンスターによる複数ターンを跨ぐ試合もこなせるリソースの確保が可能になっています。特に『シノビネクロ』、『リンゴブルム』は墓地にいても活躍出来るので相手のイシズギミックの5枚落としによってこちら側もアドバンテージを獲得する事が出来ます。
また、後攻時も『天霆號アーゼウス』での捲り、『ディスパテル』により相手の妨害を無効にしながら『カオスルーラー』を再利用し、手数によってワンショットキルも容易に狙えます。
(詳しい動き方については後述の《6.展開方法》で解説していますのでそちらをご覧ください。)
◎深淵の獣について
2023年1月制限は序盤はかなりの群雄割拠環境であり、展開デッキに加え、ラビュリンスや神碑のような特殊なデッキも多いため、手札誘発枚をなんでも入れればいいと言う訳ではなく、増殖するG、灰流うらら以外については信頼出来ない部分もありました。
【深淵の獣】についても刺さらないデッキも当然存在していますが、【ビーステッドスプライト】は自ターンに展開札として使用できるので腐る事はなく、またトップメタに返り咲いた”ティアメンツ”、新弾後に増えてきた烙印系統や同系統のデッキに対して強力なメタカードとして機能します。
通常の展開に【深淵の獣マグナムート】が加わればエンドフェズにサーチした後続または【深淵の獣ドルイドヴルム】、【深淵の獣バルドレイク】による追加の除去、【深淵の獣ルベリオン】が加われば【烙印の獣】による罠カードによる除去や【複烙印】によるリソースを追加することが可能です。
上記のように非常に強力な深淵の獣ですが、能動的に動くには自分の墓地を肥やす必要があり、何かしらのギミックと組み合わせるのが鉄板となっていました。その中でも今回はシンクロ召喚を主体とすることで展開しながら墓地に光・闇モンスターを送りつつ、【深淵の獣ルベリオン】のリリース媒体となる【カオスルーラー】に容易にアクセスできる点から相方として選出しました。
《4. ビーステッドスプライトの構築について》
使う決心をしてから調整を重ね、1月22日のRAM祭にて8-1で3位入賞した、現状のデッキ構築になります。私の活動圏である関東の大会に参加することを考え、構築しました。この構築を基に解説を進めていきます。
◎P.U.N.K.ビーステッドとの差別化
前回の【P.U.N.K.ビーステッド】記事を読んで頂いた方も多いと思います。今回は単純な新しいデッキへの興味と、実は1度も使ったことのなかったスプライトというテーマ、そしてブルーの英語版を使いたいと言う邪な気持ちから考え始めましたが、想像以上にデッキパワーが高く、非常に好感触でした。P.U.N.K.と比較すると回った時のパワーが高いのが【スプライトビーステッド】の強みであり特徴です。反面、基本的には2枚のカードを組み合わせて動く都合、展開の分岐による難易度と事故率が少しばかり高いと感じました。
1月後半現在もティアラメンツの猛攻は止まりませんが、対抗馬として本デッキ含めた深淵の獣系のデッキが増えています。ミラー系統の試合は練度も出ますが、同系統対決は後攻側にもしっかりと勝算があるので本記事を読んで勝率UPに繋がれば幸いです。
《5.採用カード解説》
次に採用しているカードたちの採用理由・役割についてです。基本的なことについての記述が多いこと、前の記事と重複してい部分もあるので、ビーステッドとスプライトはシンプルに記述します。
【スプライト】
◎『スプライト・ブルー』
役割:準初動・展開強化
アクセス出来た場合、展開中にレベル2が絡むので順当に回れば必ず特殊召喚出来ます。
単体でEX体=任意の妨害(レッド・キャロット・スマッシャーズ)になれるので文句なしの3枚採用。闇属性なのでルベリオンと組み合わせれば光闇状態の『カオスアンヘル』にも出来ます。
◎『スプライト・レッド』『スプライト・キャロット』『スプライト・ジェット』『スプライト・スターター』
役割:展開補助・最後に妨害として添える
特殊召喚出来るレベル2なのでチューナーと合わせることで『ルイキューピッド』になれます。また展開の最後に『ギガンティック』から呼ばれ妨害にします。制限カードなのと被りNGと対応力を考慮して1枚ずつ。
◎『スプライト・スマッシャーズ』
役割:魔法による妨害
『烙印の獣』があるとは言え、『冥王結界波』や『禁じられた一滴』の採用も目立つためサーチ出来る魔法罠での妨害は重宝します。サーチ用に1枚。
【深淵の獣】
◎『深淵の獣ルベリオン』
手札から捨てる事で他の深淵の獣をサーチする効果があります。この効果だけで"墓地に光属性、ドラゴン族リンク+1、疑似サーチor擬似おろまいor擬似除去待ちを場に置ける"という選択肢とメリットを得られます。
また、フィールドにいる時は永続烙印を発動する効果があり、ルベリオン+光闇の墓地コストがあればコストにより登場した深淵の獣をリリースし、自己再生することで先行なら盤面強化、後攻なら除去を行いながら展開が可能です。
先行も後攻も強力な潤滑油として機能し、制限入りとなった『マグナムート』へのアクセスも賄える事から3枚採用。
◎『深淵の獣マグナムート』
手札誘発+初動または妨害サーチ。本デッキでは文句なしのパフォーマンスを誇っていましたが出張性能も高く、制限カードに指定されてしまいました。悲しみの1枚採用。
◎『深淵の獣サロニール』
墓地へ送られた場合に深淵の獣または烙印を墓地に落とす効果です。役割として2つあります。
1つは深淵の獣を墓地に送る効果で、既に『復烙印』がある場合を除き、基本的には『ルベリオン』を落とし蘇生します。
2つ目は『ルベリオン』にアクセス出来ている場合で、『復烙印』を墓地に送り、特殊召喚した『ルベリオン』で『烙印の獣』を発動する事でエンドフェイズにセットします。早期に手札補給が必要な時は『ルベリオン』で直接『復烙印』を発動するケースもあるのでハンドと相談になります。
自ターン展開する事で妨害数に直結するカードであり3枚採用。
◎『深淵の獣ドルイドヴルム』
場から墓地へ送られた場合に特殊召喚されたモンスターを墓地に送ることが出来る強力な捲り札となります。欠点としては着地した瞬間からドルイドヴルムを重く受けない盤面を目指されてしまう点になります。今期は実質先行ワンキルのような展開デッキは少ないので返しに出して手数にするだけでもしっかりと仕事をこなしてくれます。
また、先行で『烙印の獣』や『バルドレイク』と共に置いて2妨害に出来るのは勿論、今回の構築では『マスカレーナ』で素材に混ぜることも同様の事が可能です。汎用性を考慮し3枚採用。
◎『深淵の獣バルドレイク』
追加で登場した深淵の獣。組み合わせで妨害数が増える強みがあるのですが見えている妨害はやはり使いづらい点が目立ちます。ただし『天球』や『複烙印』にて突然供給する動きは強く、またサーチの選択肢としては及第点なパワーを誇るため選択肢として1枚採用。
【その他】
◎『百檎龍-リンゴブルム 』
本デッキを象徴するチューナーモンスター。召喚する事でスプライトが回り出します。トークン生成効果が特に強く『リンゴブルム』+レベル2モンスターからレベルを6に上げた『ルイキューピット』を経由、トークンを非チューナーとして使いながらそのまま『カオスルーラー』です。
初動ではなく途中に『カオスルーラー』でヒットしても”レベル2”チューナーが1体増えるので非常に強力です。『シノビネクロ』との枚数比が難しいカードですが、『シノビネクロ』と違い手札に欲しいカードなので最大枚数の採用。
◎『シノビネクロ 』
墓地から除外されると帰還するチューナーモンスター。スプライトとの組み合わせでは『ブルー』により追加のレベル2が必要ですが、このカードの強みは深淵の獣と組み合わせる事で1発で『カオスルーラー』になれる点にあります。
【シノビネクロNS、アルミラージSS、墓地のシノビネクロを除外して深淵の獣SS、シノビネクロ帰還】
本デッキは手札に余ったモンスターを墓地へ送る手段が基本的にはないので特殊召喚効果のないこのカードは被りが許容できない事と、『スプリンド』で墓地に落とせるルートがある事も考慮して、今回は2枚の採用に落ち着きました。
◎『アサルトシンクロン』
汎用性の高い特殊召喚可能なチューナーモンスター。『カオスルーラー』と全ての効果が嚙み合っており、リソースを回復しながら8または10シンクロに繋がります。深淵の獣+このカードで『カオスルーラー』に繋がり、自己再生により除外された『カオスルーラー』を効果で帰還させれば返しのターンにまた『カオスルーラー』の自己再生が可能です。
本デッキは『カオスルーラー』の特殊召喚回数に応じて盤面に並ぶ10シンクロの枚数が変わりますので、このカードが絡めば基本的にプラス1体となると考えて良いでしょう。
基本的には素引きしたいカードなので本体は3枚採用。光闇のヒット率と他にもチューナーを採用しているため『調律』は入れていません。
◎『キャシー・イヴL2 』
『ルイキューピット』からサーチ、自身の効果で特殊召喚され『カオスルーラー』と共に『スプリンド』になり『シノビネクロ』を落とします。既に『シノビネクロ』や十分なチューナーがある時は光属性なのを活かして『カオスルーラー』と共に光闇『カオスアンヘル』になります。
同じ役割のカードとして少し条件の緩い『クロクロークロウ』が存在しています。こちらを選択した理由は上記の属性が大きく、『ルベリオン』も『リンゴブルム』も『カオスルーラー』のコストにすると展開が弱くなる可能性があるからです。サーチ先としてどちらを選ぶにしても最低枚数1枚です。
◎『復烙印』
深淵の獣と紐付けられた烙印新規カードです。
①②の効果も非常に優秀なのに加えて、このカードは後述の烙印の獣で墓地から貼る事が可能です。
サロニールで落とせるのでそれが展開に絡むだけで不確定1ドローと永続的な蘇生効果が得られるのですが特にレベルの指定もないため『ディスパテル』も対象に出来ます。新弾後は特に重要なカードになりそうです。
単体では使えないのと落ちても拾えるので1枚採用。
◎『烙印の獣』
『冥王結界波』や『禁じられた一滴』もケア出来る罠による妨害です。ルベリオンから簡単に発動&発動条件を満たす事が出来ます。②の効果を最大限に活かすため上記の復烙印とセットで採用しています。『カオスルーラー』で落ちることもありますが、『スマッシャーズ』を構えることも可能なので1枚のみ採用。
◎『エクストラデッキのモンスター』
基本的には下記の展開方法以降で登場、または使用方法には触れていきます。
《6.展開方法》
⑴基本展開
手札 『百檎龍-リンゴブルム』+『スプライトモンスター』
盤面 『深淵の神獣ディス・パテル』+『スプライト・エルフ』+『スプライト下級モンスター』+『スプライト・スマッシャーズ』
冒頭に登場した動画の展開です。
文章化にあたり、実践における注意点を『※』にて記しています。
『リンゴブルム』NS、『スプライト』SS。『ルイキューピット』シンクロ召喚。効果でレベル6に変更。『リンゴブルム』を除外しトークンSS。処理後『カオスルーラー』特殊召喚『ルイキューピッド』効果で『キャシーイヴ』サーチ。(※1)
『カオスルーラー』のレベルを下げて『キャシーイヴ』SS、2体で『スプリンド』SS、効果で『シノビネクロ』落とし。
『カオスルーラー』で『ルイキューピット』(※2)と『シノビネクロ』を除外し自己蘇生、シノビネクロ帰還。処理後『ディスパテル』シンクロ召喚。『ディスパテル』でレベル2モンスター帰還。(※3)
『スプリンド』とレベル2モンスターで『ギガンティック』SS、効果で不足しているスプライトモンスターをリクルート。(※4)スプライト2体で『エルフ』SS。
『エルフ』で妨害持ちのスプライトを蘇生。基本的にどこかで『ジェット』が絡められるのでサーチした『スマッシャーズ』をセット。
※1:ルイキューピッドは全て強制効果です。
※2:キャシーイヴではなくルイキューピットを除外する理由ですが、深淵の獣(レベル6)がいる場合、ディスパテルで帰還させる事で10シンクロを増やすことが出来るからです。またキャシーイヴは展開の後半にエルフで蘇生出来るので墓地にいた方が都合が良いです。
※3:帰還させるレベル2は再利用可能なシノビネクロかリンゴブルム推奨です。返しのターンにカオスルーラーを出せるなら不足している属性を選びましょう。
※4:基本的にはエルフのリンク先に妨害持ちモンスターを置きます。
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