勉強会への参加を支援しちゃう制度を用意した理由とか地域間の勉強会格差の話
普段働いていると福利厚生や社内の制度ってあって当たり前のものになっていると思います。
それは制度が文化として馴染んだということなので、制度を作る側としては非常に嬉しい状態です。
ただ、一つ一つの制度にはその裏に結構いろんな思いがあったりするので、その辺を社内制度の話として書いていこうと思います。
今回は第3回。前回は英語学習支援制度について書いたのでよかったら、そちらもどうぞ。
勉強会支援制度の概要
さて、なんとなくはわかると思いますが、まずは制度の概要を。
例の如く、dottのオフィシャルサイトから引用します。
会社が承認した勉強会への参加のための交通費・参加費を会社が負担します。dottのメンバーは結構各地に散っているので一人当たり月に1回まで。ごめんね。会社がもっと稼げるようになったら拡大しますのでお許しを。
「無制限じゃねえのかよ!」っていうツッコミを受けそうです。
この辺は正直、情けない話ではあるんですが、カッコつけても意味ないので本当のことを書いています。
いずれもっと拡大したいとは思っているんですけどね。
IT業界とコミュニティ・勉強会
この記事を読んでいる人がIT系の方だったら、この段落は飛ばしちゃって良いです。
違う業界の人にお伝えすると、IT業界ってコミュニティ活動がとても活発なんです。
コミュニティ活動が活発=勉強会の数が多いということ。
connpassという勉強会支援サービスで2月のIT勉強会カレンダーを見てみましょう。
はい、ドン!
規模の大小はあれど2月だけで1980の勉強会が日本で開催されているわけです。ちょっと意味わかんないですよね。
それだけIT業界って知の共有に対して前向きで、僕がこの業界が好きな理由の一つでもあります。
僕自身、前職の時からコミュニティ活動は大好きで、特にエフスタという福島発のコミュニティでは運営メンバーにも入らせてもらっています。
実はdottの誕生にもコミュニティ活動が深く関連しているんですが、これはまた別の機会に話します。
悲しき地域格差
ということで、IT業界はコミュニティ活動や勉強が盛んです。
ただですね、これ、一つ問題があるんですよ。
先ほど述べたとおり、connpassに登録されているだけで1980の勉強会が2月に日本中で開催されます。
そう、日本中で開催されるんです。
日本中?
本当でしょうか?
試しにdottのラボもある福島県で検索してみましょう。
ドン!
はい、出ました。地域格差ですよ、地域格差。
日本中で1980も開催されるから47で割ってら42ちょい。
流石に全部均等じゃないだろうなーとは分かっていましたが、10ですよ、10。1980に対して10。ひどい。
ちなみに、東京はというと1065です。
日本の勉強会の半分以上は東京で開催されている悲しい事実。
制度の狙い・作った理由
dottはメンバーの約半分が東京以外で働いています。
それと上で書いた勉強会地域格差問題が勉強会支援制度を作った理由です。
交通費まで負担するよ、という制度にしたのはそうしないと意味がないからでした。
中小の規模でこういう制度を作ると使われれば使われるほど会社にとっては負担になります。
それでも、この制度を作ったのは外のエンジニアとの交流を会社が推奨しているというスタンスを見せたいからです。
スタンスを見せたいというか、会社の考え方を理解してほしい、かな。
個人的には信じられない話なんですが、地方のIT企業には勉強会やコミュニティ活動を禁止、あるいは遠回しにするなと言ってくるところもあるそうです。
理由は、人材流出のリスクが高くなるから、だそうで。
そんなスタンスの会社に残る人の価値って…と思ったりもしますが、まあ、別の会社のことなので、あまり強くは言いません。
dottとしては、社内でのみ通用するスキルではなく、社会でも常に通用するスキルを高めていって欲しいというスタンスです。
そのため、社外の人や技術との交流は積極的に行ってもらいたいと思っています。
それによって確かに人材流出の可能性は高くなっていくと思いますが、他でも通用する、重宝される人材がそれでもdottで働きたいと思ってもらうように会社をより良くしていくのが自分の仕事です。
社外のことも見たメンバーが客観的にdottを評価し続けてくれることは、会社の成長にも繋がるので、結局のところ、勉強会にメンバーが積極的に参加してスキル・知識などを高めてくれるのは会社のためでもあります。
制度の発展
突然なんですがGDG(Google Developers Groups)ってご存知ですか?
GDGはGoogleのプロダクトやAPIに興味がある開発者のグループで日本各地に9くらいあります(うろ覚え)
で、これ、多分すごいことなんですが、その日本各地のGDGにはオーガナイザーと呼ばれる主催者たちがいて、dottにはGDGのオーガナイザーが3人もいます。
先ほど2月に福島で10の勉強会が開催されると言いましたが、そのうちの一つはGDGのイベントです。
勉強会やコミュニティって参加する立場でも勿論得るものは大きいんですが、主催の立場だとまた違ったメリットが発生します。
自分自身がよりシッカリと学ばないといけないというモチベーションにつながったり、講師として呼んだ方と深く繋がれたり…
なので、この勉強会支援制度は参加だけでなく、主催することに対しても支援できるような枠組みにしていきたいと思っています。
昨年行われたDevFest東北のプラチナスポンサーになったのもその布石です。
そのためには、もっともっと会社の売上も上げていかないとですね。
事例ページやFacebookページを見て何かご一緒できそうな話がある方はお気軽にお問い合わせください!笑
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