野球にも、"天皇杯"を
サッカー天皇杯は、本大会だけでも88チーム(J1 18 + J2 22 + アマ代表 1 + 都道府県代表 47)、都道府県の予選も含めるとプロアマ合わせて数百のチームが参加する日本サッカー界における一大イベント。
今年は記念すべき第100回大会なのだが、他のスポーツイベント同様、変則日程での開催となっている。普段なら全チーム参加となるJ1とJ2のチームが、今回はJ1はリーグ戦上位2チーム、J2は優勝チームのみの参加となっている。いつもはリーグ戦でのタイトルやJ1昇格を逃したクラブが「せめて天皇杯は…」との思いで巻き返しを図ることもできるのだが、今年はそれがないのは少し残念かなと。
自分は何かと縁があって、Jリーグ加入当初からセレッソ大阪を応援させてもらっているのだが、今年はちょっと難しいかなぁ…確かこないだまで2位だったはずなんだが…。
ところで、野球には天皇杯=賜杯がない。
いや実は、東京六大学リーグと軟式野球には賜杯があるらしいので、正確には「硬式野球全体には天皇杯がない」だ。
(以下、特に断わりがない限り、「野球」はプロ野球を含む硬式野球全体のことと思ってください。)
…いやいや、今回は「野球にも天皇杯=賜杯が欲しいなぁ」という話をしたいわけではない。
日本において一番メジャーなスポーツである野球になぜ賜杯がないのか?とはずっと思っているが、それはまた別のお話。
「野球にも天皇杯を」とは、サッカー同様のプロアマ混合の大会を、ということを言いたかった。
野球界は、プロとアマ(社会人野球)の対立が長く続いていた。60~80年代は、プロ野球に一度でも関係した人は、社会人野球に戻ることはできなかった。選手としてはもちろん、指導者として戻ることも許されなかった。社会人だけでなく、アマ球界全体、高校・大学やリトルリーグの指導者になることにも大変厳しい条件があった。「プロ野球経験者は、自分の子供に野球を教えることもNG」なんて言われていた気もする。
野球が五輪の正式種目となった90年代から徐々に和解していき、今ではプロからアマへの復帰条件がかなり緩和されており、人的交流が活発になっている。例はたくさんあるが、野村克也がシダックスの監督をやっていたのは有名だろう。最近では、Mattの父こと桑田真澄が東大の特別コーチになったとか。
そして、チームとしての交流も増えており、巨人やソフトバンクの3軍は、社会人チームと試合を行ったりもしている。
交流がここまで来たのなら、そろそろプロアマ混合の大会を開くというのはいかがなものかと。NPB、独立リーグ、社会人、クラブチーム、大学がトーナメントで争う大会。なんなら高校も入れてもいい。
阪神が常敗軍団だった90年代には「PL学園に負ける」とネタでよく言われていたが、そういったことが現実に起こるかもしれないわけだ。
しかし、ただこのような大会を開くだけとなると、NPBの主力選手が参加しないだろうことは、アジアシリーズやワールドカップなどを見ればなんとなく想像ができる。
一方で、五輪やWBCには参加する主力選手も多い。それは、レベルの違い、年俸の査定に入るかどうか、大会の権威や優勝時の名誉、あたりが理由となるだろうか。
他のNPB球団も出てくるのであれば、少なくとも決勝に近くなればいつもと同じレベルとなるので問題ないだろう。
査定に入るかどうかは、その大会の権威に依存するような気がする。この大会が重要と位置付けられれば、球団としても査定に入れざるをえないだろう。
であれば、新大会にも何らかの権威を持たせれる必要がある。
長い歴史のある大会であれば、その歴史自体が権威となるのだが、新規の大会となると、歴史に変わる何かが必要となる…。
「賜杯の話をしたいわけではない」つもりだったが、やはり野球にも賜杯が欲しいなぁ、という結論になってしまった(汗
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