見出し画像

[movie] 3年目のデビュー

※このエントリーの最初の章以外には、盛大なネタバレが含まれています。まだ映画を観ていない方は特にご注意ください。

※他の方の感想を読んだり、8/30にTBSチャンネル1で放送された「46分の予告編」を観たりして、自分の記憶と異なるところなどがあったので、"メンバーの印象"の章を一部修正しました。(9/1)

日向坂46のドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」を観てきました。

映画を観に行くきっかけ

日向坂46のことを詳しく知ろうと思ったのは自粛期間中。
日向坂46の存在は以前から知っていたし、元々は"けやき坂46"(通称:ひらがなけやけ)だったことまでは知っていたが、欅坂46内の1つのユニットとの認識だったので、それが独立するってどういうことなんだろう?と思っていた。
自粛期間中にたまたま観た日向坂の動画を見てから気になりだし、色々と調べていくうちに、けやき坂の成り立ちや、欅坂の2軍グループだったことなどを知った。
「なるほど、最近日向坂の良い評判を良く見聞きするが、人気の秘密はそこにあるんだな。」と思うと同時に、それを知った上での色々見てみると、彼女たちに好感を持つのは必然的な流れなのかもしれない。
そこからは徐々に"おひさま化"が進んでいく。
この辺の話は別エントリーで書こうと思う。

そんな中で、元々は3月27日に公開の予定だったものが、他の映画と同様に公開が延期されていた。前述のとおり、自分は自粛期間中に"おひさま化"したので、もしも予定どおり公開されていたら、おそらく観ることはできなかっただろう。

画像1

家の近くでやってないか調べたら、みなとみらいは混んでいたので、港北のレイトショーに行くことに。

画像2

とりあえずパンフレットを入手。日向坂メンバー全員が載っている本を買うのは何気に初めて。

画像3

この日に観に行ったのは、お休みだったこともあるが、入場者全員にポストカードが配られるとの情報を得たため。自分はちょっとしたおまけにすぐ釣られるので(汗

金曜の深夜に席を確保した時にはまだ数席しか埋まっていなかったが、結局は4割以上の席が埋まっていたようだ。感染症対策で1席ずつ空けての着席でキャパ自体が半分になっているので、事実上8割以上の客の入りだ。
女性の姿もそこそこ。雑誌の専属モデルになっているメンバーも多いので、そのあたりからのファンも多いのだろう。

感想 : 映画の構成

※再度の警告になります。以下、映画の話になります。盛大にネタバレが含まれています。映画を観ていない方は特にご注意ください。

まずは最初に、映画の構成について思ったこと。

「3年目のデビュー」というタイトルから、日向坂46としてデビューするまで、つまり、けやき坂46時代の話がメインだと思っていたのだが、日向坂46になってからの話の方が長かった(実際に時間を測ったわけではないので、あくまで感覚なのだが)。

自粛期間中から"おひさま化"している新参なので、もちろん日向坂46となってからの話も色々と知りたいのだが、それはここ1年ほどのことだし、既にそれなりに売れてからの話になるので、雑誌やネット等で情報を得ることもしやすい。
一方、けやき坂時代の情報は、欅坂の一部として情報は拾えても、けやき坂単体の情報は多くなく、まだ注目度も低かったことから、情報を得にくい。
このようなドキュメンタリーでは、雑誌等では得難い情報を見せてもらえたらもっと良かったのだが。
映画の冒頭で制作がTBSであることが分かった時点で「ん?TBSって坂道系に強かったっけ?」と思ったのだが、その不安がなんとなく的中した感じ。

とはいうものの、当時のことを振り返るメンバーへのインタビューは多くあり、当時の心境をメンバーが直接聴けたことは良かったかと。

感想 : 各メンバーへのフィーチャー

松田好花、宮田愛萌の2名が全然フィーチャーされてなかったのがちょっと残念だった。どちらもライブ後のちょっとしたインタビューくらいしかなかった。

キャプテンの佐々木久美、日向坂になってからはずっとセンターの小坂菜緒の出番が多くなるのは当然だろう。歴史が長い分だけ1期生がインタビューに多く出てくるのも当然だし、唯一の3期生である上村ひなのが取り上げられるのもわかる。
人数や時間を考えれば、メンバー全員をフィーチャーすることが難しいこともわかる。

ただ、ドキュメンタリーは、表面的な事象だけではなく、その時の心境などが知れることに意味があると思う。
そして、日向坂の魅力の1つはメンバー全員の団結力、何事も全員が一緒に進んでいくところのはず。
すべてが平等であるわけはないし、平等である必要はないが、全員の心の内を聞きたかったようには思う。

この映画では、バラエティ寄りの話が取り上げられることがなかったので、どちらかといえばバラエティ班寄りの松田も宮田も出番が少なかったのかなと。

感想 : 日向坂46の団結力

前述したが、とにかくメンバー全員の団結力がすごいなと。
それを一番感じたのは、井口眞緒の件。

恋愛スキャンダルが発覚し、反省の弁と活動自粛を報告する井口。怒りとも呆れともとれる顔で報告を受けるメンバー。なんとも言えない空気が流れていた。
報告が終わり、その場は解散となった後、井口にかけよるメンバー。厳しい言葉を投げかけるのか思ったが、佐々木久美は「ダンスの練習するんだよ」と、高本彩花は「痩せろよ」と言いながら、笑顔で励ましていた。つまりそれは「帰ってこいよ」と言っているのである。
その後も他のメンバーから声をかえられている様子が映っていた。その顔は一様に笑顔だった。

数か月後、結局は卒業することとなった井口。その報告のために久々にメンバーを訪ねたときも、メンバーは井口の元に駆け寄り、特に苦楽を共にした1期生は、笑ったり泣いたりしながら、彼女を送り出した。

恋愛スキャンダルは、自分はまあ別にいいかな?と思っているが、一般的にはアイドルとしては一番やってはいけないとされることだ。
だが、だからといってこれまで一緒にがんばってきた仲間を簡単に見捨てたりはしない。歌もダンスもヘタクソだが、終始グループを盛り上げ、表でも裏でも他のメンバーを支えてきた井口を、メンバーの誰もが待っていたのだろう。

うがった見方をすれば、カメラが回っているからイメージ的にそうやっていい顔してるだけなんやろう、と考えることもできる。
自分はこの場面はメンバーはみんな素の姿を見せていたと思っているが、仮に偽りの姿だとしても、それはそれでちゃんと大人の対応ができる人たちなので、タレントとして素晴らしいのではないかと思う。

いずれにしても、グループ活動開始から4年で、これだけのしっかりしたグループになっているは、単純にすごいなと。
20人ほども居る大所帯で、4年間活動してきて、辞めたのが3人なのは相当少ないと思うのだが、それが日向坂46というグループの団結力の強さの証明かもしれない。

この井口の件は、日向坂の歴史を語る上では外せないエピソードではあるが、まさかここまで多くの時間を割いて取り上げるとは正直思っていなかった。こういうことは運営としてはできるだけ触れたくないところだと思うのだが。逆に言えば、この件をフィーチャーしたとしても、今の日向坂46が揺らぐことはない、との自信の表れなのかもしれない。

井口の件以外にも、東村芽依と金村美玖がよく一緒に出掛ける話や、濱岸ひよりが休業中によく連絡を取っていたのが佐々木美玲だった話などから、期生間の隙間もすっかり埋まってるんだろうなと想像はつく。
また、上村ひなのが柿崎芽実の抜けたポジション、つまりフロントに入ることになったときも、戸惑う上村を潮紗理菜や小坂菜緒がすかさずサポートしていて、よくできたグループだなと。

もう1つ。
2019年のクリスマスライブで、2020年のクリスマスライブが、グループの夢である東京ドーム開催されることが発表された。
このライブを観に来ていた、休業中の影山優佳と濱岸ひより。終演後にメンバーと会ったとき、東京ドーム公演を祝う影山優佳。アクシデントではないにしても、1年半もグループを離れているの影山は、多少遠慮をして他人事のように祝っていたように見えた。
それに対し、「カゲ(影山のあだ名)もでしょ!」と声をかけるメンバー。
濱岸はこの直後に復帰しているので、この時点である程度復帰の筋道はできていたのだろうが、影山の復帰はまだ未定だっただろう。それでも「一緒に行く」と言うことで、「いつでも戻っておいで」と言っているのだろう。これもやはり固い団結力の賜物かなと。

もちろん他のアイドルグループでも団結力のあるグループはたくさんある。自分が一推しのたこやきレインボーも、5人が一緒に暮らすほどの誇れる団結力がある。しかし、最大20人で活動していたグループでここまでまとまるのはなかなかないのではないかと。

感想 : メンバーの印象(1期生)

この映画での各メンバーの印象について。あくまで「この映画での」であり、映画外の印象は極力排する。

・潮紗理菜 (うしおさりな)
けやき坂時代に関するインタビューでよく登場していた。彼女の話し方は以前から好きなのだが、こういう場面でもその実力が発揮されていた。
全体的に目立ってはいなかったが、前述の上村のサポートをはじめ、誰かのサポートをする姿がよく映っていた。やはり彼女は「聖母」なのだろうか。
だた、4thシングルで初めて2列目になったことを非常に喜んでいて、ただ周りのサポートをしているだけではない、本人の努力も相当なものなんだろうということはうかがえた。

・加藤史帆 (かとうしほ)
こちらもけやき坂時代に関するインタビューでよく登場していた。おっとりしたしゃべりだが、その分言っていることがよく理解できる気がする。
小坂が体調不良でライブを欠席した際、河田・丹生と並んで急遽センターを務めることになったが、これまでにもセンターを務めた経験があって見事に代役を務めていたので、そのあたりはさすがだなと。

・齊藤京子 (さいとうきょうこ)
こちらもけやき坂時代に関するインタビュー。けやき坂スタート時からしばらくの間の絶望感を思いっきり表現してくれていた。いつもなんでも自信たっぷりに話す斎藤が、ここまで弱気なことを言っているのもなかなか珍しいのではないか。そのくらい当時は絶望的だったのだろう。

・佐々木久美 (ささきくみ)
全編通じて映像にもインタビューにも登場していて、この映画の主役の1人と言っていいだろう。
エースの長濱ばかりが注目される中、他のメンバーもかわいくて魅力的であることをどうすれば伝えられるかを考えていたとか。当初から1期生内でお姉さん的存在になっていたことから、キャプテンになるのも必然だったのかもしれない。
日向坂で大人気となってからも、「実力と期待が合っていない」と思っているなど、常に向上心も忘れないところも好感がもてる。
そのビジュアルもあって、"強い女性"なイメージが強いが、TIFでのパフォーマンスに納得がいかなかったことをメンバーに泣いて訴えていた姿は、なかなかグッとくるものがあった。

・佐々木美玲 (ささきみれい)
前述したように、濱岸が休業中に頻繁に連絡を取っていたことからも、お母さん的な存在なのかもしれない。そういえば"クッキーばばぁ"って呼ばれてるんだったっけ?w
けやき坂時代にはアルバムも含めてセンターを何度か務めたほどの実力者。もっとフィーチャーされていてもいいのにな?と思った。

・高瀬愛奈 (たかせまな)
卒業した柿崎と一番の仲良しだったとのことが意外だった。年齢も離れているし、タイプもだいぶ異なると思ってたので。一番近くで柿崎を見ていて、心境の変化なども感じていたとか。それに対して何かすることもできたのだろうが、じっと見ているということも、彼女なりのやさしさだったのだろう。

・高本彩花 (たかもとあやか)
1期生の中ではインタビューくらいしか目立ったシーンがなかったように思うが、その中で、長濱が欅坂専任になったときに「終わったな、と思った」と話すなど、なかなか踏み込んだことを話していた。
スタイルが良く、目立つ顔立ちだからだろうか、色んな場面で目についた。

・東村芽依 (ひがしむらめい)
テレビ番組ではいつも無言でニコニコヘラヘラしているだけなのに、金村とのデート企画のときは、めっちゃしゃべるやん!w 普段もよく遊ぶ2人らしいが、準備はいつも金村がするとか。さすが5歳児w
でも、チラッと映ったレッスン?リハーサル?のシーンでは、キレキレのダンスをみせていて、噂どおりのダンスモンスターだった。

感想 : メンバーの印象(2期生)

・金村美玖 (かねむらみく)
4thシングルで初のフロントとなり、映画撮影のため欠席の小坂に代わってセンターを務めるなどあり、終盤でフィーチャーされることが多かった。
東村とのデート企画でも、1期2期の隙間が徐々に埋まっていく様子を語ってくれていて、しっかりした人というイメージどおりの人だった。
近いうちに正規のセンターになるのではないかと思わせる。

・河田陽菜 (かわたひな)
体調不良の小坂に代わってライブでセンターを務めた曲では、フォーメーション間違いなど明らかに普段の実力を発揮できていなかった。当時の河田にはまだ荷が重かったのかもしれない。

・小坂菜緒 (こさかなお)
この映画のもう1人の主人公と言っていいだろう。
内気な性格だったが、たまたま友達と行ったライブビューイングをみて、「けやき坂に入りたい」と思ってオーディションを受けたとか。
今では堂々とセンターを務めているようにみえるが、ここまで相当なプレッシャーと戦っていたようだ。
日向坂のセンターとなり、インタビューに答えることも多かったが、そのときに「ひらがなの3年間」ということができなかったと。2期生の自分がセンターでいいのか、というところだろう。
映画の撮影で1ヶ月ほどグループから離れていたが、戻ってきたときに「居心地がいい」と言っていたのが、このグループの全てを物語っているように思えた。

・富田鈴花 (とみたすずか)
4thシングルで初の2列目になったことをとても喜んでいた。バラエティ班のイメージが強いが、根はマジメで努力家だと聞いている。その努力が報われた瞬間は、見ていてこちらもいい気分になった。

・丹生明里 (にぶあかり)
体調不良の小坂に代わってセンターを務めた「ドレミソラシド」、本人はそのパフォーマンスに納得していないようだったが、丹生の良さが存分に出ていて、曲のイメージにも合っていて、非常に良かったと思っている。

・濱岸ひより (はまぎしひより)
体調不良での休業からの復帰ライブで、メンバー全員が出た後、最後に1人で登場してくる演出。そして「青春の馬」でのセンターの金村が濱岸の手を取って踊る振り付け。
背が高くてスラっとしていて、ダンスも非常にキレイで、復帰すぐとは思えないくらいによく見えた。これも日向坂のチームの力かなと。

・松田好花 (まつだこのか)
前述のように、ほとんどフィーチャーされることがなかった。
ただ、ラストの河川敷でのシーンで、「なんか円陣やりたいね。」って言い出したところは印象に残っている。

・宮田愛萌 (みやたまなも)
こちらもほとんどフィーチャーされることがなかった。
2期生の中では一番のお姉さんで、なんやかんやで頼りになる存在だと思うのだが。

・渡邉美穂 (わたなべみほ)
2期生のムードメーカーとして、しばしばインタビューで登場。それ以外にも画面によく映りこんでいたように思うが、彼女の周りに人が集まってくるような感じかもしれない。

感想 : メンバーの印象(3期生)

・上村ひなの (かみむらひなの)
加入から1年、ようやく全曲参加となったライブで、抜けた柿崎のポジションを任され、いつもは飄々とした感じの上村が相当苦労していた。同期が居ないというのはなかなか大変だったと思うが、元々芯の強い人なのだろう。姿勢が良いのでそう見えるだけかもしれないが。

感想 : メンバーの印象(その他)

・影山優佳 (かげやまゆうか)
2期生追加の発表のときと、前述のひなくり2019終演後くらいしか話している場面はなかったが、とにかくみんなが待ってるということはよくわかった。そして、2年もの長期間の休業を許してでもグループに残したかったのだから、相当な逸材なのだろうと推測できる。

・長濱ねる (ながはまねる)
すべてはここから始まっているので当たり前だが、この映画のもう1人の主人公。
1期生の11人には、同じ釜の飯を食った仲間との意識が強く、初期のけやき坂のエースとしても認められていたことが、この映画を観てもよくわかった。
けやき坂を離れるときに「けやき坂のことが好きだから」と言っていた。その後もけやき坂のことを気にかけていて、大きなライブは必ず観に来ていたようだ。
そして、けやき坂としてのラストライブに合わせての卒業発表。おそらくこれが長濱のケジメの付け方だったのだろう。
けやき坂単独の活動が増えてきたら、欅坂との兼任が厳しいのは明らかだったと思うのだが、なぜあんなに追い詰められるまでほったらかしにしていたのか、そしてなぜけやき坂ではなく欅坂の専任になったのかは自分が一番知りたいかったところなのだが、そこは特に触れられていなかったのが残念だ。

・柿崎芽実 (かきざきめみ)
けやき坂時代にはセンターを張ることもあるほどの人だが、1stシングル発売直後から休養に入り、そのままグループ初の卒業となった。
日向坂への改名が発表されたとき、少し浮かない顔をしていたように見える。その後に「けやき坂を終わらせたくないという思いがある」と言っていた。「卒業の原因は改名」と噂されているは知っていたが、その裏付けになる映像だったかもしれない。
ただ、卒業ラストイベントのときには、自身や家族がストーカー被害にあっていると言っていたので、そのあたりが精神的なダメージになっていたのかもしれない。

・井口眞緒 (いぐちまお)
この映画完成時点では一応まだメンバーだったとはいえ、映像を使うことをよく本人が了承したなと。
これまでに見た姿や、スキャンダルの件、そして映像使用了承の件を含めて、井口眞緒という人は、あまりにもバカ正直で、ウソのつけない人なのかなと。だからこそ、メンバーも最後まで見捨てたりしなかったのだろう。

特にサポートは求めておりませんが、いただいたサポートはありがたく次のドルヲタ活動に充てさせていただきます。