トランプ新政権、関税の影響追跡 (準備1:グルーピング)
トランプ新政権の関税の影響を追跡していくにあたり、全ての国をみていくことは不可能に近いので、グルーピングを考えてみたい。様々な切り口があると思うが、まずは以下の要素を想定してみる。
2014年~2023年の間の輸入額(百万ドル)の平均額が10,000百万ドル以上の国
この基準でいくと、トップの中国から南アフリカまでの32ケ国となる。
● 2014年~2023年の間の輸出額(百万ドル)の平均額
● 2014年~2023年の間の輸出入の年平均成長率(CAGR)
● 2014年~2023年の間の輸出入額(百万ドル)の平均の貿易収支(輸出平均―輸入平均)
次に、上の要素を基にグルーピングを行うと(k-mean法)、3つのグループに分ける想定ができる。
グループ0:輸出入額、貿易収支も非常に大きいグループ
→ 中国、メキシコ、カナダの3ケ国
グループ1:輸出入の年平均成長率(CAGR)が両方、平均より大きいグループ
→ 輸出入とも上昇中:ドイツからトルコまで17ケ国
グループ2:輸出入の年平均成長率(CAGR)が平均以下もしくは低いグループ
→ 輸出入とも停滞中:日本から南アフリカまでの12ケ国
同様のデータで主成分分析もやってみると、主成分1は、貿易収支の大きさ、主成分2は、輸出入CAGRの変動の大きさ、と読み取れ(主成分1,2合計の寄与率は85%)、分布の向きは違うが、上記のクラスタリングとほぼ同様の結果となっている。
トランプ新政権が全ての国に一気に関税を課すのか、特定の国から順次課していくのか、また、全ての商品化、特定商品か、によって、大きく違ってくるが、まずは、このグループ毎の動向をみていきたい。
【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。