トランプ新政権、関税の影響追跡(準備5:日本からの輸入、関税率等)
2023年におけるアメリカの日本からの輸入額の詳細をみてみると、
● CIF額: 1,557億ドル
● 関税評価額: 1,513億ドル
● 課税額: 768億ドル
● 算定関税額: 22億ドル
となっており、これから配送費・保険費は43億ドル(CIF額の2.7%)であったと推定できる。
また、分野全体での分析のために、あえて商品毎個別ではなく、分野毎に算定平均関税率を関税評価額、課税額毎に計算してみると以下となる。もし仮に、10%の関税を全ての分野に無差別にかけるとすると(可能性は低いと思われるが)、(10% ― ①対評価額の率)が新たにかかってくることになる。もし、現在関税がかかっている商品のみ、追加で課税する場合、(10% ― ②対課税額の率)が新たにかかってくることとなる。
関税評価額と①対評価額の率の散布図でみてみると、低い関税率のもとで、圧倒的に自動車及び部品の分野が大きく、次いで、一般機械となっている。逆に繊維関連は高関税も相まってアメリカの日本からの輸入額も低迷している。日本としては、現在の主流分野である、自動車、機械、電子・電気機器分野での関税率の動向が気になるところである。また、繊維や食品など、現時点では輸入額は大きくない分野も、中国、メキシコ、カナダへ高関税がかけらた場合、例え日本商品に追加課税がかかったとしても、それらの国より低いので、そこでの減少分を補填する形で新たな商機が出てくる可能性はあると思われる。
【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。