見出し画像

アメリカ 貿易収支(国別)2024年11月末まで

あらためてアメリカの各国に対しての貿易収支をみてみた。
2024年11月末時点での輸出総額は1兆8,984億ドル、輸入総額は2兆9,718億ドル、貿易収支はマイナス1兆734億ドル。国別の貿易収支でみると、中国がマイナス2,623億ドルで1位、メキシコがマイナス1,552億ドル、次いで、ベトナムのマイナス1,179億ドルの3位。日本はマイナス659億ドルで7位、カナダは、マイナス556億ドルで9位。
注目すべきは、対中国の貿易赤字が減少している分、メキシコとベトナムへの赤字が増えている点で、製造拠点がそれら両国に移っていることを表していると思われる。
これまでは、対中国ということで中国に高関税を掛け、アメリカの輸入額を減らすことに成功してきているが、今後、全ての国に高関税を掛けると、これまでのように他国へのシフトが起こりにくくなり、供給不足が起こってくる可能性がある。アメリカの需要が減少しないと、物価はさらに上がると思われる。トランプ新政権は、高関税をかけて製造業をアメリカに回帰させたいという意図をもっているが、すぐに移転できるわけではなく、ましてや非常に製造業の人件費が高い中、移転したとしても供給タイミングの遅れ、供給不足、それらからくる物価上昇は避けられないのではと思える。

2017年~2024年(11月末まで)主要国との貿易収支(赤字)の推移(マイナス百万ドル)
2022年~2024年(11月末まで)、アメリカの貿易収支 赤字トップ20(百万ドル)

一方、貿易黒字国のトップは、オランダの527億ドル、次いで香港の212億ドル、そして、UAEの180億ドルと続く。その後もオーストラリア、イギリス、ベルギー、ブラジルと主要国に対しても黒字となっている。

2022年~2024年(11月末まで)、アメリカの貿易収支 黒字トップ20(百万ドル)

元データ

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total / FAS額l)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。