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カナダとアメリカ間の分野別輸出入、貿易収支 関税の影響

改めてアメリカとカナダ間の貿易収支をみてみた。
2024年11月末までのアメリカからのカナダへの輸出額は3,215億ドル、カナダからの輸入額は3,771億ドルで、貿易収支はマイナス556億ドル。2022年の貿易収支はマイナス785億ドル、2023年はマイナス646億ドルであったので、貿易収支は減少していっている状況。
全ての分野で貿易赤字であるわけではなく、 鉱物関連、金属関連、パルプなど、動物性、植物性生産品、食料品、飲料など、木材など、航空機及び部品の分野は貿易赤字で、これら分野の赤字小計はマイナス1,150億ドル、それ以外は黒字(小計594億ドル)となっている。

2022年~2024年(11月末まで)のアメリカからみたカナダとの貿易の状況(百万ドル)

元データ

赤字分野の中で突出しているのが鉱物関係のマイナス880億ドルで、その内訳をみていると、石油(原油、原油以外)関係で鉱物関連分野の86%を占めており、カナダとの貿易収支問題は、石油の問題といえる。トランプ新政権が、全ての分野に一律の関税を掛けるとなると、貿易黒字分野ではアメリカには逆効果になる可能性もある。

2024年(11月末まで)のアメリカのカナダから輸入(鉱物関連)の内訳

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total / FAS額l)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。