トランプ新政権、関税の影響追跡(準備7:中国からの機械輸入予測)
2023年におけるアメリカの中国からの機械(HSコード:85)輸入額は(関税評価額/Customs Value)1,199億ドルと全体(4,208億ドル)の29%で一位であった。機械分野のうち、538億ドルと45%がスマートフォン、タブレット関係で占められている。また、この538億ドル分は無税なので、これへの課税有無、また機械分野全体の動向が中国からの輸入に大きく影響すると思われる。
そこで、一旦、2004年から2024年までのデータで、2025年の予測をしておき、随時、その後の変化や差異を追跡してみたい。
2004年から2025年までの月次データは以下のとおり。
季節変動、トレンド、残差分解してみると、明確に12ケ月毎の季節周期がある。
ばらつきも比較的安定して、大きな異常値的なデータもなく、比較的予測しやすいデータと思えるのでSARIMAでいいかと思うが、念のためにautoMLでベストモデルを確認し、残差の一番小さいと出たauto_arimaで2004年~2023年を訓練、2024年分をテストデータとした上で2025年を予測してみた。
あくまで輸入額のみでの簡易予測であるが、それによると、これまで通り、年明けに一旦減少し、毎年ピークとなる10月に向かって増加していく予測となっている。また、過去2年ほど、停滞もしくは若干減少気味のトレンドを反映して、10月のピークもさほど大きな伸びになるとは予測されていない。
今日からトランプ新政権が始まり、初日に関税含めた多数の大統領令を出すとのことなので、これら予測がどのように影響を受け、変動していくのか追跡していきたい。
【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。