ロシア入国拒否され、強制送還されたの巻
はじめに
今回、ロシアのウラジオストクへ旅行に行ってきました。が!入国審査で、引っ掛かり、結果として鍵付きの部屋に軟禁され、強制送還となってしまいました。その(新鮮ホヤホヤ、一昨日そして昨日の)話です。不法入国しようとした、とかそういうのじゃないのでご安心を。
どういう流れでそうなったのか、その原因、また、こうならないための注意点など書かせて頂きます!
ウラジオストクとは?
日本から一番近いヨーロッパと言われているロシアの街です。直行便があり、日本から飛行機でだいたい2時間半と気軽に行ける場所ですね。
なぜ行くことに?
ロシアにはまだ行ったことがなかったので、休みを利用して、ふらっと行ってみようと思ったのがきっかけです。まぁ軽いノリです。たまたま友人に「直行便もあるし、近いから行ってみない?」と提案したら、「いいよー」って返してくれたので、2人で行くことになりました。
ちなみに今回のロシアで22カ国目の訪問国となりました。わーい。(後にこんなことになるとは露知らず浮かれてました)
ストーリー
さて、ここから実際のお話になります。成田空港でチェックインし、出国手続きをして、搭乗。そしてウラジオストクに到着してから物語が始まります。
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飛行機を降りて、入国審査場に移動。
すでに列ができており、待つこと10分。パスポートとe-visa(電子ビザ)を差し出した。すんなりと問題なく、他の人と同様、サインをして通してくれるかと思ったがそうはならなかった。
急に、入国管理官がどこかに電話をかけ始めたのだ。自分の中でふと湧きあがる疑問。ん?これはおかしいぞ。いったい誰と話してるんだ。
そして放たれた英単語。
「Wait!」
あー、もうこの時点で何かしらおかしいと感づく。そしてこの待ち時間がまた長く感じる。待つことまた10分ほど。
背の高い警備員の男が現れた。一度入国管理官のところに行き、話をしている。ロシア語なので何言ってるかまったくわからない。
そして、こちらにやってきて場所を移動するぞとのジェスチャー。少し場所を変えた。それからスマホ片手にロシア語を話し出した。なんやら翻訳機のようだ。スマホが日本語を話しだした。
「カバンはあるか?」
いや、そこからかい!!w
思わずツッコミそうになったが、相手の顔がガチである。幸いにもリュックひとつだけだったのでそのことを私もスマホに向かって日本語で話しかけた。ロシア語が何やら出てくる。するとようやく、原因を言ってくれた。
「このビザはこの地域のものではない」
はぁーー。やっちったぜぇ。もう心の準備はしていたので特段驚きはしなかった。
入国審査待ちの他の観光客の目線は完全にみなこちらを向いていた。まぁそりゃそうだろう。横に警棒持ったロシア人何人にも囲まれてる日本人がいるんだもの。
そして次の一言。
「あなたは入国できない」
シビアだな、おい。
そこから矢継ぎ早にスマホを介して質問をされた。
「他にビザはないか?」
「帰りはいつだ?」
「連れはいるか?」
ひとまず友人に会わせて欲しいと言ったら、「なぜだ」と聞かれたので「待ってるから」と答えたら意外とすんなり会わせてくれた。
もちろんその友人は問題なく入国審査を通過しており、手荷物受け取りの場所で座って待っていた。警備員にピタッと連れられ、その友人のところまで行った。
そして警備員からまたスマホを介して一言言われた。
「友人に状況を説明しろ」
ひとまず言われた通りに。どうやら俺は帰らなければならないと伝えて、彼は理解。しかし、このままさぁ帰れはイヤなので、翻訳機を通して、聞いてみた。
「ここでビザは作れませんか?」
翻訳機を通して、それを見たロシア人はゲラゲラみんな笑ってる。
あれ、俺の質問変か?なめてんのか?と思ったが、スマホ画面を見ると
「ここでピザ作れますか?」
と出ている。
確かにそんなことこのシチュエーションで聞かれると笑うわな・・・って、おい!こっちはそれどころじゃないんだよ!w
発音が悪かったのか、改めて「VISA!VISA!」というと、「ここではダメだ」と言われた。
ここではダメということは、別室で作ってくれたりするのかな?とも淡い期待を。
ここで友人とはお別れ。セキュリティが彼にバイバイって言って僕を連行していく。なんでお前がバイバイって言うんやーw 実質これが彼と会う最後となってしまった。
そのあと、上の階へ連行される。どうやら出発ロビーのようだ。ベンチを指さされ、座らせられる。横に1人のセキュリティがピタッとくっついている。あー、これからどうなるんやろうか。あわよくば新しいビザ発行してくれるんじゃないだろうかとも思った、待つこと30分ほど。暇なのでWifiに繋げてみると、1通のお知らせメールが。航空会社からの帰りの便の変更通知メールであった。3日後の便の予定が明日に変更されている。この時点で確定である。改めて警備員にGoogle翻訳使って、「俺は帰らなきゃいけないのか?」と聞いてみたら、「そうだ」と一言返ってきた。マジかよー。
どうしようもないシチュエーションなので、そこから明日までどうなるのか心配になったので、色々Google翻訳使って聞いてみた。こういう時Google翻訳最強だと感じる。
Q:「空港のどこで寝れるの?」
A:「 部屋がある」
Q:「晩御飯はあるの?」
A:「んー、それは問題だ。おかし買うか?」
おいおい、飯くらい出してくれよw
Q:「どこで買えるの?」
A: 「あそこの自販機」
Q:「飲み物は?」
A: 「それもそこ」
Q:「そこらへんで食べれないの?」
A: 「鍵かけるから外出れない」
なるほど。俺は監禁されるのか。ふむ。
Q:「トイレは?」
A: 「中にある」
Q:「シャワーは?」
A:「ない。手を洗うだけ」
そうこうして、カフェもあるから買っておくか?と聞かれ見に行ったが、食べ物は売ってないので、自販機でお菓子2つと水2本を買った。
そしてそのあとはベンチに戻って座らせられるのではなく、そのまま部屋へ連れてかれた。
もう閉じ込められるのかよ。早いな。
しかし抵抗したところで、どうしようもないのでし大人しく入った。
中は意外と広い。おそらく団体で入国拒否になる人たちもいるのだろう。
なんでこんな中途半端に椅子が上がっているんだ・・。そしてその奥に寝る部屋が。
入ってみて「OK?」って聞かれたけど、OKじゃなくても、選択肢ないでしょ!w ひとまずトイレの場所も確認。
まぁ、あるだけマシか。一通り確認したら、この部屋にいるようにとのことで、外から鍵をかけられた。ガチャ。
はい、軟禁状態の完成。
さぁてどうしたものか。こういう時って何して過ごすのが正解なのだろうか。ひとまず、Wifiルーターをレンタルして来ていたので、Wifi繋いでTwitterで安全確認表明。
入国審査で別れた友人にも連絡。まだロビーで待っていてくれたようで、申し訳ない。完全にアウトであることを伝えて、1人で旅行楽しんでもらうしかない。なんだかんだ言って、この友人、これはこれで面白いやんと全然余裕そうだ。よかった。
そのあと、しばらくYoutubeでラグビーW杯のハイライト等を見て過ごした。レンタルモバイルWifiなんて普段は借りないが、こういう時に役立つ。ぜひ、入国審査で捕まる予定がある人には、レンタルモバイルWifiをオススメしたい。心強い味方になる。
Youtube見ても時間はまだまだある。ひとまず先ほど買ったお菓子と水、お金を並べて写真を撮った。
1万円分両替したが、全然使わずに終わりそう・・。このお菓子で22時半まで空腹をしのいだ。
そして22時半になり、ようやく晩御飯の提供。中年のおばちゃんが、ほいっと袋を渡してきたので、出してみると機内食だ。
アップルジュースにご飯。人参がかかっているものは最初、ポテトかと思ったが、魚であった。あと手前のステイックがマヨネーズ。
ごちそうさまでした。お腹空いているので、こんなご飯でもとてつもなく美味しい。
あとはKindleがあるので読書。他にやることないので、読書がはかどる。気づいたら寝ていた。
そして翌朝・・
外は明るい。
10時ごろに朝ごはんが提供された。今度は中年のおじさんが袋を持ってきた。また機内食。
まさか朝昼晩と3食とも機内食になるとはである。これもまた美味しかった。ポテトに見えるこの料理、実は白身魚。
11時半ごろに、ようやくセキュリティが鍵を開けてくれ、「Japan! Flight! Back!」とだけ、言って入ってきた。
この隔離部屋ともいよいよおさらばです。
2名のセキュリティに連れられ、搭乗ゲートへ。他にも搭乗待ちで列ができていたが、優先的に一番最初に機内へ案内された。VIP扱いである。いや、違うか。やはり最後の最後まで、セキュリティは付いて来て、機内に入ってようやく監視の目が解けた。
かくして、12時間以上続いた軟禁状態は終わり、無事にその便で帰国することができた。
原因はなんだったんだ
長々とお読み頂きありがとうございます。いったいなぜにこんなことになったのかというと、「電子ビザの申請地域が間違っていた」ことによります。
この赤線のところが、ウラジオストクの場合は「Primorsky Krai」でないといけなかったのです。なぜか、「Kaliningrad Oblast」になっている・・。なぜだ・・・。
今回ウラジオストクへ行くにあたり、オンラインで電子ビザ取得できるということでそちらを利用しました。だいたい4日間ほどで取れるそうで、私も10月入ってから申請し、すぐに発行されていました。(ここら辺のやり方については、調べると色々ブログなどで紹介されていますので、ここでは割愛します)
ただ、確かに申請時に疑問に思ったことがあります。それがこれです。
申請時に「訪れたいロシア連邦の地方」を選ぶのですが、「Vladivostok(ウラジオストク)」という単語がないことでした。これ、分かりづらくないですか?え、僕だけ? そんなことないやろ〜。みんな絶対悩むでしょこれ!
ちなみに僕は「Primorsky Krai」を選択した気でいたんですがねぇ・・。
電子ビザが発行された時に確認しなかったのも悪いですが、2つの不幸も重なりました。
まず電子ビザを申請する時に、ウラジオストクの滞在先住所を入力し、その上でビザが発行されたこと。住所ウラジオストクで、違う地域の申請をしてしまっていたなら、発行するなよな!と思うのですが、まぁできちゃったみたいです。
さらに、日本での搭乗チェックインの際に、電子ビザを職員に見せたけど、何も言われなかったことで問題ないと思い込んでいました。まぁ職員さんも忙しいしそこまで見ないか・・。
電子ビザと簡略化されたのは良かったですが、このようなことも起こるんだなぁと勉強になりました。
(ちなみに友人はインドネシア人で、電子ビザではなく正規の観光ビザを取得していたから入れたみたいです)
出費は結局どのくらいしたの?
飛行機代:約38000円
ホテル代:約16000円
Wifiルーター:約7000円
小銭:約10000円(両替して4600ルーブルになった)
最寄駅から成田空港まで往復:約6500円
よって合計約8万円ですね。ルーブルの出費に関しては、お菓子に使っただけなので、数百円で終わった。
あと、モバイルWifiルーター意外と高いなと文句言ってましたが、もう言いません! 軟禁された時には心強いのでw
結構高い金払って、わざわざ飛行機でロシアに行って、入国できずに閉じ込められ、一泊して、帰るという謎の旅になった。ある意味贅沢な経験であるとは言える・・。これはこれで貴重な経験だ。
でも、もうこの経験はしなくていいや。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!ちなみにこの文章の9割ほどを、実際に軟禁されている場所で書きました。記録として残しておかないと勿体無いので。
できれば、この記事をより多くの人にシェアして頂けると嬉しいです。今後ロシアに行かれる方にとって、電子ビザをオンラインで申請する際に悩まれるケースが多いんではないかなぁと思っています。僕と同じようにならないためにもw
ウラジオストクはPrimorsky Kraiだよ!
気をつけてね!
Primorsky Kraiだよーーー!!
スパシーバ!
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